なかじまねてるさんと、可愛い坊やのために。 ”はるかむかしTwitterというところがあって、そこで楽しく遊んでいたころに連投して即興で書いた小説のようなもの” 私はきらきらと光る石や良い香りのする若草を売って生計と成している。売上は上々であるが、困ったことに購入していくのはどんぐりしか持たぬリスばかり。仕方なくお代はどんぐりでいただいているが、私も生活のためには食わなければならないからこれをパンにしている。結果としていつもお金がないのだ。 ここ数年そんな生活をしてい
※内容について触れている※ 物語は軍国主義に染まった日本から始まり、そして主人公である眞人が訪れることとなる異界の地もまた領土問題によって逼迫した状況にある。眞人は世界をより良くすることを自らの大叔父である異界の創造主から求められるが、自らの悪性を理由に自分にその資格はないと拒否し、そして異界は心無い大王によって破壊されてしまう。 異界の地に存在した生物は全て世界の崩壊とともに別の世界へと移動せざるを得なくなる。あらゆる世界に存在し全ての世界を幽かに接続させていた塔も
https://m.youtube.com/playlist?list=PLnPBdZTaP-1r5fQMEcfnot5tDVgabjCRJ 「坂をのぼる」はふちがみとふなと、というふたり組のアーティストによって発表された二〇〇三年のアルバム「ハッピーセット」に収録されている。僕はこの曲を初めて聴いた時から強く心を掴まれて、それから何度も何度も、それこそ数え切れないぐらいの回数僕はこの曲を聞いた。どうしてだろうと考えてみると、それはあまりにも個人的すぎて、他人にこの曲を勧
ここ数週間ほど目の前のコップを掴み損ねて飲み物をこぼすことが増えてきて、それは酷い乱視で物が歪んで見えてしまうからだと考えていた。最近の僕は目眩と吐き気が治らなくて、時折耳が聞こえにくくなることがある。そんな日が続いたある朝、突然僕の世界には黄色いフィルタがかかってしまった。 目が覚めて何気なくゲームを起動したところ大好きな白い髪のキャラクターの髪が薄緑に変わってしまい、それで僕はひどく動揺して、それから数時間どうしていいかわからず狼狽えてから病院に行くことになった。
僕の住んでいるアパートの内廊下に変な臭いがし始めたのは、ちょうど一週間前ぐらいからのことだ。乳製品が腐った時にする鼻に刺さるような酸味の強い臭いである。このご時世でもまだ多くの住人は皆んなマスクをしていたから、最初はそれがどれくらいきついものなのかわからなかったのだと思う。だけど二日が経ち、三日が経ち、それは三階に住んでいる僕が部屋から出るとその瞬間に顔を顰めるような臭いになった。家から出る時のために内廊下を歩いている感じでは発信源は多分一階なんだろうけど、多分その階に住ん
古本をよく買うひとなら一度や二度くらいは経験があるんじゃないかなと思うんだけど、今日買った本の中に金色のアルミで出来た栞とメモ書きが入っていた。栞の方はチョコ菓子のアルフォートみたいな船を切り絵のように表現したしっかりした作りのもので、メモの方は女性の名前と電話番号、それから少しの恋慕が綴られたものだった。とても素敵な内容だったので皆さんにも教えてあげたいなと思ったのですが、やっぱりそれはちょっと無粋だなと思ったし、そのメモと栞はぼくが持っている間はずっとこの本に挟んでおこ
改めて言うまでもなく無気力である。ここ最近ずっと続く雨のせいなのか、ずっと体調の芳しくない日々が続く。何をするも億劫で人から呼び出されない限りは布団から起き上がらず生活する日々を送っている。 考えてみれば生活保護の申請をするべきなのだが、まったくもって何もしたくない。このままでは家賃も払えなくなってしまうのだが、それすらもどうでも良いぐらいに何もしたくない。これほどの無気力というのは久々という感じである。積極的に死にたいとかそういう気持ちはないし、可能であれば生きていな
何故!? 何もしたくない日々。 こうして毎晩眠れない時間を過ごしていると、それはもう恐ろしいぐらい生産性のない自分の人生にちょっとした寒気すら感じてくる。本も読まないしアニメも観ないし本当に何もしていない。うんこ製造機かと思いきや、ものを食べていないのでうんこすら製造していない。頼みの綱のおしっこも小便小僧を前にしたら裸足で逃げ出す体たらく。 本当に何もしたくない。それを悲しいと思う。自分自身の資質故か巡り合わせの悪さか、何とか薄弱な精神を振り絞って挑戦した事物はす
夏、冷房、うどんが美味い。 ほぼ一日中布団に染み込んで生活しているのだが、布団に染み込んでいると、これまでに知り合った人たちから代わる代わる甘えるなと言われる譫妄が生じる。父親、教師、昔の恋人、上司、友人。まるで剣道のかかり稽古のようにぼくに甘えるなと声をかけてはメリーゴーランドのように通り過ぎ、登場人物が全員ぼくを責め終えると三十分ぐらいして再び最初に戻る。暑いわ妄想は鬱陶しいわでこれでは寝られたものではない。そんなときはデパス。これはもう気分も落ち着くし寝られるし肩
彼女が家を飛び出したのは深夜二時を過ぎた頃だった。原因もよくわからない喧嘩はもう数えきれないほど繰り返されていて、ぼくらはその度に激しく罵り合ったり一週間以上互いを無視したりしていた。今回の喧嘩の原因もよく覚えていないが、とにかくもつれにもつれたそれで彼女は家を飛び出した。ぼくは二十分ほど家のなかをうろついてたばこを吸ったり布団にくるまったりしていたが、とうとうこらえきれない焦燥感に突き動かされて家を飛び出した。外は静けさのピークに達していて人通りは一切なく、時折遠くを走る
zakki 20201221 年末が好きで、特にクリスマスが過ぎてからがいちばん好きだった。 一年の終わりが近づくにつれて世間は慌ただしくなり、それはクリスマスという華々しいイベントの終わりとともに最高潮に達する。十二月二十六日から二十九日までの夜はどこか空虚で、北風が吹き抜ける夜の路上は闇の奥から何かが迫ってくるような印象をいつもぼくに与えた。大長編の物語が終わりに近づいていくときにもぼくはそういう印象を抱く。同じように好きだ。 だが、そういう感覚も過去の話で、
これまでに聴いてきた音楽の中から50曲を選びリスト化しようと考え、備忘録として軽い感想のようなものを書き付けた。 また、ひとつのアーティスト/グループから選ぶ曲は一曲までとした。個人的な思い入れによる偏りを防ぐためであるが、同時に制限を設けることによってより自分自身の好みを反映させることが出来ると考えたためである。 以下は曲目だけを抜粋したリストであり、感想とYouTubeのリンクを付けた内容は更にその下に記載している。 01 Electroli
AC/DCについて。 AC/DCというバンドのことを世界でいちばん愛している。 彼らについて素晴らしい点を挙げていこうとすればどれだけ言葉を尽くしても足りない。だが、その音楽はただ騒ぐだけを目的とした音楽ファンや、コンポの前で難しい顔をして座りこむ音楽ファンからも同様の反応を引き出すだろう。間違いなく全員が反復するギターの音色に合わせて歌い、そしてロックンロール史上最も単純なドラムフレーズに踊り狂う。 彼らは四十年以上も活動をつづけた現在においてもなお旧態依然とした
誠実さについて。 誰もがそうであるように、年齢があがるにつれて周囲の人間関係で厭わしいことが増えていった。誰かが誰かの陰口を言っていたり、気に入らないやつを陥れるような真似をしたりする。異なった考えの人間が一緒に生活する以上避けられないことなのかもしれないが、ぼくはそこのところをうまくやることがあまり上手ではなかった。誰かの陰口を言っていてみんながそれに共感していると、そいつがいる前でそのことを笑いながら全員の前で暴露した。それで人間関係が崩壊しようと関係ない。そういう
アーケードゲームについて。 中学生になったころ、ぼくは初めて対戦格闘ゲームというものをプレイした。いまでもシリーズが続いているギルティギアというゲームだ。ぼくは友人のすすめでこのゲームをはじめ、当初見るも無残なほどこてんぱんにやられ続けた。このゲームは従来の格闘ゲームと違ってシステムがかなり複雑であり、何も知らない初心者がただガチャガチャボタンを押しても中級以上の人間には勝てないようにできている。今にして思うとぼくは誘われた相手からゲームセンターで初心者狩りを受けていた
ツンデレについて。 いまにして思えば、ぼくの青春はツンデレと共にあった。 シャナ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、桂ヒナギク、神崎・H・アリア、御坂美琴、朝倉由夢、逢坂大河、椰子なごみ。ざっと思い出すだけでもこれだけ、更に正確にリスト化しようとすればとんでもなく時間がかかってしまうほどツンデレ属性を持つヒロインが現れた。多感な時期に爛漫と咲き誇るように現れたツンデレヒロインたちは、それまで少年の心でアニメを楽しんでいたぼくに訪れた第二次性徴を