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雑記

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2022年6月の記事一覧

「思い通りにならなかったらすぐキレるね」と言われた話

2年ほど前だろうか。確かに僕はそのとき、その仕事相手にキレた。相手は僕の仕事内容に対して執拗にダメ出しを食らわせながらも、代案を示さない。それどころか「私はすでに正解に到達しているが、さぁあなたもここに辿り着けるかテストしてやるわ」とでも言うような横柄な態度を示している。それに腹が立ったのだ。

当然、相手もキレる。一応目上の人だ。

出た。完璧でない限り発言権が与えられない理論。残念ながら僕は、

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一億総観光客の時代

文化は、必然の中の偶然から生まれる。例えば海がない長野県では、野菜を保存する方法として、塩漬けではなく乳酸菌による発酵を選んだ。塩がなかったからだ。そうして、すんき漬が生まれたらしい。

必然性に迫られる中で人々が偶然に選んだ選択が文化だ。それが歴史を持てば伝統文化になる。

伝統文化はたいていは儲からなくなり、後継者不足で滅ぶ。

伝統文化の蘇り方はシンプルだ。ビジネスセンスを持ち合わせた若い後

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電力逼迫しているなら、ベーシック・インカムをくれ

僕が資本主義が嫌いなのは、無駄が多いからだ。非効率だからだ。ベーシック・インカムは資本の運動のエネルギーを弱めて、ブルシット・ジョブと過剰生産を減らしてくれると僕は信じているので、必然的に電力消費を減らせるはずだ。

そもそもこの世界には非効率が多すぎる。日本には自家用車で通勤・通学している人の割合は日本では46パーセントもいるらしい。そのほとんどが1人で運転しているわけだ。人っ子一人を運ぶためだ

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努力を見せないところを見せたい

Hey!Say!JUMPの山田涼介は、「裏の努力は、お客さんに見せるものじゃない」という哲学を持っている。しかし、彼が努力家であることを知らないファンはいない。

山田に限らずファンというものは、好きな人が謙遜している姿が好きなのだ。努力を見せびらかすことはなく「自分なんてまだまだ」と言っている姿をみて、「いやいや、あなたは努力家なのに、ご謙遜を!!」と褒めることが楽しいのだ。

山田が勘違いして

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なぜ、子どもは将来の納税者扱いされるのか?

そもそも、国家はいくら税金を手に入れようが、道路を整備する労働者がいなければ、何もできない。

だったら、将来の労働者扱いする方がまだ理解できる。

残念ながら道路を整備するようなエッセンシャルワーカーは、納税者としては優秀とは言えない。エッセンシャルワーカーの給料はほぼ例外なく安いからだ。

一方で、非エッセンシャルワーカー(≒ブルシット・ジョブ)に就く人の給料は高く、たくさんの税金を収める(場

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市議会議員になろうかと思っている

選挙に最低限必要なのは30万円の供託金だけ(政令指定都市は50万円)。プロモーションを展開しなければ勝てないかと言えばそうでもなく、僕の住む市の当選倍率はだいたい1.5倍程度だった。過疎化が進んでいる自治体は、定員割れしているケースもあるらしい。

確率だけで言えば、嵐のコンサートチケットを当てるよりも高い確率で、市議会議員になれるのだ。

で、月収はと言えば、僕の暮らす市では、だいたい月額60万

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「金を払う」という体験に金を払う人間

数年前、結婚指輪に40万円ほど金をかけた。腕利きの職人が丹精を込めて作ったとかなんとか説明を受けたが、僕はその会社の職人が「未経験大歓迎!」と書かれた求人で募集され月給20万円で働いていることを知っている。なぜなら、僕は後にその会社の求人に関わったからだ。

小さな鉄の輪っかだ。恐らく原価は数百円で、人件費もボチボチの指輪。それなのに僕は40万円もの金を払った。

はっきり言って割高だ。しかし、結

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『五等分の花嫁』の映画を観て、生産性至上主義について考える

『五等分の花嫁』の映画を観て、生産性至上主義について考える

5つ子のうち、四葉が嫁だったわけだが、僕は漫画を読んでいたのでオチは知っていた(連載中に僕はマルチエンディング説を提唱していたのはナイショの話だ)。

映画で改めて観ると、僕は四葉の性格が病的に見えた。彼女は生産性至上主義に囚われているからだ。

四葉は「誰かの役に立たなければならない」というパラノイア的な妄執に囚われ、時たま無理をする。それで倒れ込み、入院するようなシーンもあった。

主人公から

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やっぱり人に届くのはエピソードトークなんだね

‥っていうのは、noteの反響を見て感じるところだ。

なんやかんや、詩人とか語り部的な人が影響力を持つという話はいろんな本に書いてあった。まぁ、どんな本に書いてあったかという具体例はパッと思いつかない。

エピソードトークの重要性を語る文章を書こうというのに、いきなりエピソード抜きで書き始めてしまった。

これが僕の反省点だ。ついつい僕は抽象的な話をしてしまう。

自由とか、資本主義とか、そうい

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意識高い系ビジネスマンとしての僕の愚痴

作家の平野啓一郎は「分人主義」という概念を提唱している。ざっくり言うと「人にはいろんな顔があって当然だよね」という考え方だ。

僕にもいろんな顔がある。ある友達と話す時はアニメオタクになり、また別の友達と話す時は共産主義者になる。良き父親になる時もあれば、生意気な若造になる時もあり、意識高い系ビジネスマンになることもある。

一番最後の、意識高い系ビジネスマンとしての僕は、時間を何よりも大切にし、

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自由と平等は対立する概念ではない

「自由か? それとも平等か?」という対立を想定されることが多いこの2つの概念。

あたかも、平等な社会なら能力のある人が活躍のチャンスを奪われ苦渋を舐める事態に直ちに帰結し、自由な社会なら能力のある人とない人の格差が必ず発生するかのように想定されている。

もちろん、そんなわけがない。

自由に能力を発揮できて、尚且つ平等という事態は十分にあり得る。

友達とバーベキューに行って、それぞれの能力に

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初めて自動車を望んだ人は誰か?

この、うんざりするほど聞かされるマーケティング界隈の俗説に対して、僕はずっと疑問を抱いていた。

フォードの言う顧客とは、20世紀初頭の大衆に他ならないわけだが、彼らは本当に早い馬を求めていたのだろうか?

僕にはそうは思えない。

19世紀までの大衆は、郊外の一軒家に自家用馬車を所有してもいないし、週末には家族連れでイオンモールや水族館に出かけていたわけでもない。そもそも、大衆は馬や車に乗って遠

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「そうそう、俺はそういうことが言いたかってん!」

…と、人生の中で言われた回数においては、僕は結構な上位ランカーだと自負している。ピッタリの言葉が見つかっていない相手のモヤモヤを言語化してあげることが得意なんだろうと思う。

アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の主人公ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、いわば手紙の代筆屋で、クライアントの話し相手になってその内容を手紙にまとめるという仕事をしていた。これも「そうそう、これこれ!」を引き出す

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書店の中の多様性

プロレタリア革命を心の底から願っているマルクス主義者も、資本主義の仕組みにフリーライドしてFIREを狙うビジネスマンも、街宣車を乗り回す極右も、暇つぶしに小説を読みにきたホームレスも、丁寧な暮らしを目指してヨガと発酵食品作りに夢中になる専業主婦も、呪術廻戦の最新刊を買いに来た高校生も、誰もが集う場所。

それが書店。

これだけの多様性が実現している場所を、僕は知らない。ある瞬間に1つの書店にいる

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