#入院
2015.6.27 「晴れたのね」
母はK病院に入院した。簡単な検査を済ませて病室に入ると、主治医から首の骨を保護するためのカラー装着と絶対安静を言い渡された。その後、担当の看護師、薬剤師からオリエンテーションがあった。がん原発部位を特定するための検査は週明けから始まるとのことだった。
一段落して私は病院の食堂へ向かった。母もほっとしたのか、カラーを外してベッドに正座していると、主治医が来て「カラーは常時装着」「絶対安静とは横
2015.7.12 「なんで私が。」
整形外科に入院して2週間後、医師から説明があるとの連絡を受け、母と面談室に向かった。主治医の横には外科の医師がいた。
彼は、胃カメラの画像を見せながら、スキルス胃がんであること、手術では直せないステージであることを告げた。その鮮やかながんは、ほんの少し残った正常な部分と比較すれば、素人目にも病状が深刻であることを示していた。
母は「なんで私が。間違いでしょう?」と小さく叫んだ。医師は「そ
2015.7.12 「余命2ヶ月です。」
混乱する母に看護師がつきそい病室へ戻る。残された私に医師が「非常に厳しい状況です。」と告げた。余命は2ヶ月とみており、抗がん剤が効いたとして延命できるのは2ヶ月であること。高齢で体力がないため、とくに点滴の抗がん剤による副作用に耐えられない可能性が高いことが告げられた。
「楽に死ぬつもりが、苦しむというのではおかしい。何のために治療をするのかわかりません。残された時間を穏やかに過ごすために、