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2015.6.27 「晴れたのね」

 母はK病院に入院した。簡単な検査を済ませて病室に入ると、主治医から首の骨を保護するためのカラー装着と絶対安静を言い渡された。その後、担当の看護師、薬剤師からオリエンテーションがあった。がん原発部位を特定するための検査は週明けから始まるとのことだった。

 一段落して私は病院の食堂へ向かった。母もほっとしたのか、カラーを外してベッドに正座していると、主治医が来て「カラーは常時装着」「絶対安静とは横になるということ」とこってり絞られたらしい。病室内のトイレに行くのも看護師さんの見張り付きだと愚痴をこぼした。

 実家に向かい、家族に母の病状を告げた。母も心配だが、母なしで暮らさねばならない彼らも正念場。一緒に頑張ろうねと励ました。

 東京の自宅へ戻ると絵画のような夕焼けが広がっていた。母にメールで送ると、「晴れたのね。ここにいるとお天気もわからない。」と返事が来た。そう言えば、朝は雨が降っていたのだった。もう随分昔のことのように思えた。

(写真 流れる雲に輝く夕焼け)