2015.7.13 「どう理解されていますか。」

 抗がん剤に挑戦する道、しない道。どちらが良いのか。母は生きようとして抗がん剤を選ぶだろう。その希望を奪うのは酷だと思った。

 ひとりで抱えきれなくなった私は、K病院のがん相談窓口を訪れた。突然の相談だったが、専門の看護師が快く受け入れて下さった。

 事情を話すと、「昨日の先生のお話をご自身が理解された通りにお話いただけますか?」と言われた。看護師はカルテの内容と私の話とに齟齬がないか確認していたようだった。私は私で自分がどこまで理解していて、何が不安で何を知りたいのか、話しながら整理していた。

 その後、副作用はなぜ起きるのか、具体的にどんな症状なのか、病状はどう進行するか、なぜ痛みが起きるのか、痛みをどう取り除くのか、などを教えていただいた。本当に自宅で治療しながら生活できるのか、確認したかった。

 説明を受けた私は、母が副作用と共に暮らしていくには、入院での治療が良いのではと感じ始め、そう話すと看護師も賛成してくれた。

その日まで59日。