【番外編】北海道女性の働き方〜青い服の人〜

目次
はじめに
1.  Rさんの実家は畑作農家
2.  お母さんの両足股関節手術
3.  Rさんの思いと私の希望
4.  その日の午後2時
5.  その日の午後5時

はじめに
『ベトナム女性の働き方』という記事を書いたのですが、、、

職場の日本人女性の仲間たちから
私たちのことも書いてと
言われてきました。

ところが、、、
いざ書こうとしても私の職場は
小会社だから誰のことか？
すぐわかってしまう！

なので、過去のブログで
書いたエッセイを編集して
みなさまに贈りたいと思います。

1.  Rさんの実家は畑作農家

女性社員だったＲさんは
元カフェの店長さんで
私がスカウトして
入社してもらった。

Rさんの実家は
近隣の町の畑作農家。

2.  お母さんの両足股関節手術

その実家のお母さんが
その前年の８月に
股関節の手術を受けた。


人工股関節の手術で、
炎症・変性・破壊によって
傷んだ股関節を
人工股関節を用いて
修復するという手術

無事に" 左足"
股関節の手術が成功した。

いよいよ

年が明けて１月の中旬に
反対の" 右足"
股関節の手術を受けた。

Ｒさんのお母さん！
無事に成功した！
本当に良かった。
ホッとした。。。

3.  Rさんの思いと私の希望

お母さんの術後のこと
農家の現場仕事はとても
無理なので

実家の農業を手伝いたい
というＲさんの
一途な気持ちは強くて、、、

その前年８月の手術が
決まった段階で
翌年３月一杯で弊社を
退職することとなった。


個人的には　
もちろん　
本人の希望をかなえたいが

有能なメンバーで
実務の能力も　
まだまだ　
どんどん
伸びていくに違いない。

残念な気持ちも
私にはかなり　
あり、、、

クライアントさんから　
大変な人気ぶりで
仕事ぶりや人柄も　
高い評価を頂いて
私もとても
嬉しく感じていた。

Ｒさんの退職が迫って
きたある日。。。

なんとか　
どんな形でも
夕方からでも
週日曜日だけでも
月に２，３回でも　
職場に来づらい
かもしれないけど。。。

なんとか　
スタッフで
職場に来てもらえだろうか？

それから
Ｒさんは考え抜いて　
それから
約半年
実家の農家の作業を
やりながら

何度もピンチに駆けつけて
私達を助けてくれてきた。

「どんな日でも
　どんな時でも
　必ず呼んでくださいね。
　夕方　農作業が終わったら
　必ず　駆けつけますから！」

Ｒさんは本当に助けてにきてくれた。
助け続けてくれた。

その年９月に入って
いよいよどこの農家も
収穫で大忙し！

その年の農家は
どこも豊作のところが
多いようだった。

Ｒさんの実家では　
農作業の方を
人材派遣会社から
確保できず、
Ｒさんは
特に今月は日中
職場には来れなくなる
とのことだった。

4.  その日の午後2時

さてさて　その日の私は
Ｒさんの実家の地域に
いらっしゃるお客様への
訪問する仕事があった。

午後２時頃　
Ｒさんの実家の畑のそばを
車でとおりかかる。

車から降りて
ジャガイモ
芋の収穫をしている
Ｒさんとご家族の皆さんを
見つめていた。

忙しく激しく　
手と腕を動かす
青い服の人が、、、

激しく振動する
芋掘りの収穫機械の後方で
たぶん、、、Rさん。

機械の前方の女性２人は
芋の大きさを選んでいる。

機械の後方の青い服の人は　
芋と一緒に掘られた石ころや
木のクズや雑草の根なんかを
手作業で振り分けしている。

青い服の人こそ　
Ｒさんに間違いない。

そのとき、、、
私は　
Ｒさんが農作業をする姿を
初めて見つめていた。

Ｒさんは本当に体重が軽く　
細い腕をしている。

事務職には　いいのでしょうが、
農作業には　痛々しい。

5.  その日の午後5時

そして、、、
夕方となって
急にザーザーと
強い雨降りになっていた。

午後５時頃に　
折り返しの帰り道
Ｒさんの実家の畑のそばを
車でとおりかかり、、、



車から降りて
私は　呆然とした、、、

傘をさすことも　
忘れ、、、
時間も忘れて。。。

雨に打たれて　
しばらく　
立ちつくしていた。。。


雨の中で　
作業を急ぐ
Ｒさんのご家族。。。

そして　
たぶん　
ずーっと　
何時間ものあいだ
手を抜かずに。。。

激しく手と腕と身体を
激しく激しく動かして
雨がザーザー
降りしきる中で
さらに激しく振動する
収穫機械の後方に乗り続け
作業を続ける
" 青い服の人"
が目に飛び込んできた。

私は　
行きの時と同じく　
その一生懸命さゆえに
畑に駆け寄って　
話しかけることができなかった。

青い服の人は　
本当に細い腕だった。。。

きっと　
こんなに冷たい雨の日だって。。。

朝６時半から夕方６時頃までの
この作業の後だって。。。


この青い服の人は
私か職場の誰かが連絡したら
この雨の中の農作業の後
必ず　
職場に駆けつけるに違いない。。。

目が熱く　
止まらなかった。

雨が目の前で
瞼から　
流れ落ちていた。

。。。本当にありがとう　。。。

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