生まれて初めて、人に手を合わせて拝まれた日の話。
「まさか生きている間に、歩いている日本人女性に会えるだなんて。テレビでしか見たことなかったの。今日はいい日だわ。」
アメリカ国内でも南部に位置する、暖かな気候のその土地は、さまざまな国から人が集まる移民の街。そこに古びているけれど、可愛らしさのある老人ホームがあった。
明るい太陽の日差しは、窓から部屋の中を照らし、ひんやりとしたシーツまでも温めてくれた。その人はベッドの上に座ったまま、小さな身体で、神さまに感謝するように手を合わせながら、私に向かってそう言った。
ただ、