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【本要約】正しい本の読み方


2022/1/19

本は教養

本は誰でも読める。

本の読み方は、なぜ必要なのか?

本が多過ぎるからだ。

本が多過ぎて全部の本を読むわけにはいかない、本を選ばなければならない。だから「どうやって本を選べばよいか」についての本が必要になる。

本を書いたのは、必ず誰か他人である。だから、本を読むとは、他人に関心を持つということだ。

社会を生きていくために必要なのは、文字である。数字や数式も文字である。文字を読み書く、そして、話して伝える、コミュニケーションをとって協力することで成り立っている。

また、本を読むことで、文字を読むことで教養を得られる。将来、何の役に立つのかわからない、歴史・文学・哲学・経済の本を読んで学び、教養を得る。

教養はなぜ必要なのか?

教養は、前例のない出来事が起こったときに、モノゴトを決めるのに唯一参考になる。

学ぶ

「学ぶこと」は「生きること」と同義である。
フロイトの分析
① お金は、幼児のときの育ち方に関係がある。
② 排泄のしつけのときに、排便の行為が、貨幣に対する感覚に結びついた。
 排便の行為:タイミング、場所、ためる、すぐ出す、清潔さ
③ 経済行動は、幼児のときに形成された性格に反映する。

・本人には、どうしようもないけれど、どうしてもお金にこだわる。
こだわりがあるから、お金以外のものはどうでもよくなって、お金を中心に人生を送ることになる。

・その人にとっては、そのこだわりは選べないもので、自分の人格の根幹がある。

・もし何かのキッカケで、その価値観を疑うようになったら、人格が壊れてしまうかもしれない。

フロイトの分析が「正しいのかどうか」はわからないが、お金にこだわらない人も、別の何かにこだわっているはずだ。そして、そのこだわりには根拠がないかもしれないのだ。

無条件で自由に生きられる人など、どこにもいない。

本を読む

「本を読む」ということは、自分の頭の中にコインロッカーのスペースを作って、「その本の著書がそこに住む」ということだ。

マルクスを読んだら、マルクスが住む、頭の中に。マルクスは、私じゃない。私はマルクスじゃない。でも、私の頭の中にはマルクスがいる。

この後、ケインズを読んだとする。今度はケインズが、コインロッカーのスペースに住む。私の頭の中に、ケインズがいる。

どうなるか?

私が何にもしなくても、マルクスとケインズが、話しを始める。止めようと思っても止められない。

マルクスとケインズの間で、自動的に話しが始まるのは、そもそも、脳にそういう性質があるからだ。

私の頭の中には、そうやって、読んだ本の著者が、ひしめき合っていて、彼らは、いつも、ガヤガヤ話し合っている。彼らの間には、矛盾もあれば、対立もある。そんな矛盾や対立を、理解し乗り越えようとする潜在能力を脳は持っている。

本の著者の思想

本には著者の思想が現れている。そして、著者に思想があるように、私にも私の思想がある。著者の思想と一致しているはずがない。一致していたら、本を読まなくていい。違うからこそ読むのであって、著者の思想が、私の考えていることや感じていることと、違うからこそ価値がある。

著者の思想には、意図がある。「この本はこんなことを伝えたくて書きました」という意図である。その意図は、明文化されていないこともある。同じ著者の本を複数読むことによって、本と本の関係がわかり、本がつながって見えてくる。

著者の思想には背景がある。モノを考える上での下敷きとなるものだ。

著者の経歴や宗教、著作した時代が、著者の思想の背景である。

思考する

モノゴトを体系的に考える
・論理を考えるのが、理性である。
 理性は、論理や数学のようなもので、万人に共通だ。
・ものの見方は、価値観によって異なる。
 価値観は、個々人が、それぞれ大事にしているものだ。
価値はどこにあるのか?
・モノには大事なことない。
・機械にも大事なことはない。

「モノや機械が大事に見える」としたら、それは、人間がそれらを大事にしているからだ。モノや機械は「自分を大事だ」と思うことができない。

植物には、植物にとって大事なものがある。太陽、水、養分である。しかし、植物は「太陽が大事だな」と思っていない。

動物にも大事なものがある。エサとか、命とか、でも、動物が「命を大事だ」と思っているか、聞いてみないとわからない。

人間も動物である。人間の特徴は「命が大事」「仲間が大事」と思っていることだ。それを自覚して行動している。それを言葉で話している。

言葉があるおかげで、人間は、大事なもの ( 価値 ) を、大事にする能力がある。
大事なもの ( 価値 ) は、どこにあるのか?
・言葉の中にある。

命は大事かもしれない。でも「命は大事です」と言葉にして、認識して、行動に移したとき「命が本当に大事である」ことになる。価値は、こうした、人間の言葉と行動の中にある。

言葉には、二つの性質がある。
・「理屈」を言う、そして「前提」を述べる。
① 理屈とは論理であるが、理屈の中には、価値はない。
② 前提の中に、価値がある。

前提の中に大事なものが隠れている。前提を意識していれば、それを述べることができる。でも、すべての前提を意識できないかもしれない。そもそも、自分の前提を意識していない人も多いかもしれない。

・価値は人によって違う。
 人が違えば、考え方や行動が違ってくる。
 価値が違えば、争いになるかもしれない。
・争いを解決するのは、言葉である。
・言葉を使わないなら、暴力である。

社会は暴力を極小にして、たいていの問題は、言葉で解決する。これを知恵という。知恵が文字で書かれたものが本である。本を読んだ人ほど、問題解決能力が高くなる。本の効用である。

人々の前提である「何と何が対立しているのか」をハッキリ掴む。
すると、どういう解決や妥協点があるのかも見えてくる。

論争に先立って、まず、やることは分析である。相手の前提を明らかにする。そうすると「なぜそう言うのか」だんだん理解できてくる。相手の言いなりになりたくない場合、相手の前提を覆してみる。私は「別の前提に立ちますよ」と。論争は前提を見つけた者勝ちである。

社会には、いろいろな制度がある。制度は人間が決めたもので、それぞれに前提が隠れている。社会は制度の塊である。

世の中には、いろいろな意見がある。意見にも前提が隠れている、本人が「その前提を大事だ」と思っていても「根拠がある」とは限らない。

本当に大事なことは何だろう?
前提をドンドン遡っていくと、もう遡れない限界に辿り着く。
・自分が人間で、命を与えられ、生きている。
「私たちが大事だ」と思っている価値は、実はそんなに大事でないことがよくある。それなしで「自分が生きていけるか」と考えると、大抵のモノは、なしでも生きていける。「根拠なしに大事だ」と思っている。

価値は時代の中で揺らいでいる。LGBTのように、あるとき発見される可能性がある。人権も、あるとき発見された。

この世界が不完全であることと、その理由を理解することが、本の役割である。


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