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asami_kun
2021年6月12日 14:25
「チカムリオ」について、少しお話ししたいと思います。「チカムリオ」は、僕が学生時代から、少しずつ書き溜めてきたファンタジーです。ストーリーは、ジュンとキヨシとユミという3人の小学生が、謎の紳士が運転するタクシーに乗って、時空を超え、めくるめく不思議の世界を旅するというものです。その後、3人は成長してそれぞれの道を歩みますが、30年後のある日、よれよれの四十男になったジュンはふたたびそのタク
2021年10月22日 13:20
三僕たち3人を乗せたタクシーは静かに走り(?)続けていた。窓の外は相変わらず濃い霧がかかっていて、まるでミルクの中を進んでいるような感覚だ。 しかし、窓に顔をぴったりとくっつけるようにして目を凝らすと、霧の中に未来の光景が見えてくるのだ。それも、どうやら自分に関係した未来だけが見えるらしい。 一度、3人で同じ側の窓から一緒に覗いてみたのだが、見えたものは3人とも違っていた。それで、自然と
2021年10月9日 10:29
腕時計はちょうど午前4時を示していた。まさにあの時と同じ場所、同じ時刻にそれは出現したのだ。 私はおぼつかない足取りで車に近寄り、おそるおそる中を覗き込んだ。すると、ドアーが音もなく開いた。私は覚悟を決めて中に入った。そして、はやる心を懸命に押さえつけながら次の瞬間を待った。運転席には、普通のタクシーの運転手が被るような、白いカバー付きの帽子を頭に載せた紳士が座っていたが、車内は薄暗く、
2021年10月8日 09:34
一まだ夜明け前なので、辺りに人の気配は感じられない。車の音も時折遠方からかすかに聞こえてくる程度だ。公園の中は濃い霧に包まれ、街灯の光が淡く漂っている。私はベンチに腰掛けたまま何度かくしゃみをした。こめかみのあたりが鈍く痛む。 昨夜はずいぶん酒を飲んだ。つい今しがたまで、ここに腰掛けたまま、しばらく寝込んでしまったようだ。どうやってここにたどり着いたのだろう?まるで記憶がない。