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【成果あり】「量より質」ではなく、「量と質」が大切。

〔質問〕「勉強は時間・量じゃなくて、中身・質ですよね?」

 巷でよく聞く話です。私もこれまで何度も同じ様な主旨の相談や意思表示を見てきました。多くの高校生たちが「効率を重視することが賢い」という風に強く思っているように感じます。
確かに効率よく物事を進めるというのは間違ってはいないと思います。
大切なことは、「どの尺度で考えて、効率が良い・悪い」と考えているのか。

〔結論〕『少なくとも、大学受験の場合は、量質ともに不可欠です』

 作業量、手間をかける量、辛い経験をする量を減らそうとするというのは、結果として質を高める経験値が上がらず、気づきの機会を減少させ、結果として、質を上げることを妨げることに繋がるかもしれません。それだけではなく、人間性・内面の向上・成長の機会を減少させることに繋がる可能性もあります。
そうすると、結果的には、総合的な力というものが上がらず、学力自体も上がらないということに繋がる可能性があると考えることができます。
・・・「楽をしたい、無駄な動きをしたくない」という思いを肯定するためにも、「量を抑える=効率が良い」という風に考えてはいないか?ということです。そう簡単に学力を上げることはできません。一部の人は、可能かもしれないが、大多数が、楽をして学力は上がらない。
問題は、これらをどう子どもたちに上手く伝えるのか。まさしく、そこが「教師の腕の見せ所」でもあります。

〔指導:第1段階〕甘えはないといえるのか?

 難関大学以上を受験する生徒には、私はいつも
 『量質ともに不可欠。しかも、まずは量です。』
と答えてきました。大学受験は、地区大会でも、地方大会決勝でもない。【全国大会】です。天才や秀才ならいいですが、普通の凡人では、中身・質だけでどうこうなるレベルの全国大会ではありません。もちろん質も大事です。しかし、まず大切なのは「質より量」であるということ。なぜなら、最高の「質」は「量」をこなさなければ実現出来ないからです。そして、その「量」を実現出来るのは、飽くなき情熱(熱量)があるからに他ならない。つまり、気持ちです。熱さです。「熱量」です。人間である以上、結局は気持ち・想いが大きなカギになるということです。
このことは、冷静に考えてみれば当たり前の事。我々人間は感情の生き物。感情が結果を大きく左右するのは当然の結末。だからこそ、「熱量(情熱)」→「量」→「質」と言えるわけです。
また、大学受験は相対的なものです。【全国大会】ということは、全国各地にライバルたちがとんでもなくたくさんいます。元々受験学習の開始前までの人生で得てきた学力と人間力。そこに努力で上積みされる学力と人間力。ライバルたちの状況はそれぞれ全然違います。
まず何をすべきか。それは、自分自身をよく見つめてください。自分自身の強みはどこですか?弱みは?外部環境・今置かれている状況の良い点は?悪い点は?まずは自分の状況をよく分析してみてください。
その上で・・・

      『中身・質が大事だから』
 …と言って机に向かわない自分を安心させているだけではないのか。。。

そう自分で正直に振り返ってみてください。

〔指導:第2段階〕勉強体力はあるのか?

学習習慣・圧倒的な期基礎学力が身に着くためには、それなりに時間がたくさんかかります。まずは一定時間の学習量を確実に確保してください。では、一定時間の学習量を確保するための3つのポイントです。

  1. 生活の3点固定:
    【早寝】【早起き】【朝ごはん】
    です。【早寝】【早起き】【夕ご飯】でもいいですが。いづれにしてもこれらの部分を規則正しくすることが大切です。生活のコントロールができるということは、自分を律することができるということです。継続力があるということでもありますからね。これができる人は他の事もできる様になります。

  2. まとまった学習時間を作る:
    問題演習をするためにも、復習をじっくり徹底するためにも、一定のまとまった時間は必要です。
    高校2年生の秋以降は、平日4時間以上、休日6時間以上を目標にしたいものです。そして、1週間で35時間以上は欲しいものです。
    高3前の春休みは、1日10時間、高3夏休みは13時間。長時間学習ができるということは、勉強体力があるということです。この勉強体力は、勝手には身につきません。少しずつ訓練によって増やしていくということを意識し、最終的に間に合う様に計画的に勉強体力を上げていくことを、今の生活から訓練を開始させてください。

  3. 土日・休日の時間を有効活用する:
    平日できなかったことは、土日や休日でカバーしましょう。計画の遅れなども土日・休日を有効活用して取り戻しましょう。

〔指導:第3段階〕現実化したいという熱量はどれほどか?

 様々な経験の上で思うのは、やはり熱量(情熱)がどれくらいのものか、ゴール設定自体がどれだけ高いものかによって、自分の力の伸び幅と結果の高さ(ゴール設定にどれだけ近くて未達成か、どれだけ超えての達成か)などが変わってくるということです。「絶対に東大・京大・一橋大のどこかにはいきたい!」とか、「旧帝大・早慶より絶対に上!」というアバウトなものでもいいと思います。「絶対に旧帝大・早慶よりは下はイヤだ!」でも良いとも思います。もちろん「東大を夢で終わらせたくない!」とか「一橋大と早慶の合格をして、その上でどこに行くか決めるんだ!」なども良いですね。それらに対してどれだけの想いがあるか。


つまり、その想いをどれだけ「現実化したいのか」ということです。


まずはここの意識を強めることから始めた方がいいと思います。自ら成功意識を常に高く持って、計画的に努力することが原点です。

〔まとめ〕自分と正面から向き合う

 「やり方」と「心構え」があれば、誰でも学力は引き上げることができると思います。では、何故できない人が多いのか。
やれば成績は上がるのに、最難関大学も可能なのに、なぜやらないのか。
その理由の多くは、端的に『自分への甘さ』です。
答えは、とても簡単なんです。「量よりも質ですよね」という多くの子どもたちが、この「自分への甘さ」を抱えている可能性が高いと思います。
もちろん、全員とは言いません。
しかし、多くのケースでそうであると私は思います。このような流れで話をしていけば、気づく子どもは多いと思います。自分で気づいていない人は、意外と多いかもしれません。例えば「自己中」な人というのは、自分では「自己中」とは気づいていないケースは多いです。
 しかし、人は自分と向き合えば、何事も上手くいく方向に進みます。自分に厳しいと思う人も、甘いと思う人も、分からない人も、


まずは『自分への甘さ』と正面から向き合うのが、成功へのスタート


になると思います。

精神的な修行です。この精神力の強化が、学力の強化に繋がり、人間力の強化につながります。それが、受験が人を成長させる、所以だと思います。


これらのことを実践することができる様に、受験生本人の努力、そして周囲の教師の努力が必要なのは言うまでもありません。難しい事だと思われるかもしれません。

ただ、少なくとも、これらのことが伝わった私の周囲の生徒・クラス・学年・学校などが、記録的な入試結果を出していったという事実があります。その経験から、今回「やり方」と「心構え」を公開した次第です。
今回の記事も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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