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ひとり旅行記

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世界約30ヶ国。ひとり旅の記録です。
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#日記

【第1話】なにもない国。(ブルネイダルサラーム・バンダルスリブガワン)

【第1話】なにもない国。(ブルネイダルサラーム・バンダルスリブガワン)

「ブルネイ つまらない」 「ブルネイ 何もない」

Google検索で「ブルネイ」と入力すると、出てくるのが上のような字面だ。

「…行くしかない。」

直感的にそう感じた僕は、気がつくと航空券の決済を終えていた。

Skyscannerを眺めていて、たまたま見つけたブルネイという国。

往復で45,000円という値段に誘われ、調べてみると、日本から約6時間。成田空港からロイヤルブルネイ航空が直行

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【第3話】天国に一番近い教会を目指して(ジョージア)

【第3話】天国に一番近い教会を目指して(ジョージア)

ジョージア弾丸旅の2日目。

お目当てのツミンダサメバ教会に向かうべく、まずは地下鉄の駅を目指す。ジョージアの地下鉄はとても深いところに建設されていて、下が見えないくらいの長さのエスカレーターをひたすら下っていく。

ちなみに、日本のエスカレーターの2倍はあるんじゃないかってくらいに、速い。乗った瞬間に体がぐわっと持っていかれてしまいそうな、そんな感覚になるくらいだ。

海外の、こういう、ちょっと

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【第2話】天国に一番近い教会を目指して(ジョージア)

【第2話】天国に一番近い教会を目指して(ジョージア)

ジョージアに到着して、数時間。

普段見慣れないグルジア語に囲まれながら、街を歩く。

トビリシの街は、極端だった。バスが通る大通りを抜けて一本路地に入ると、レンガや石造の家屋が並んでいる。目に見えるところは整っていて、少し外れると一気に生活感が増す。街灯もほとんどなく、夜になると真っ暗になる、そんな通りが多かった。

「チナ?チナ?コリア?」

路地を歩いていると、小さな子どもが自分を指差して叫

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【最終話】極光を求めて(カナダ・イエローナイフ)

【最終話】極光を求めて(カナダ・イエローナイフ)

「これがオーロラ?」

空に浮かぶ、グレーの靄のようなものがオーロラということに気がついたときは、なんとも言えない気持ちになった。ずっと憧れていた人が、実は自分の思ったような人ではなくて、みたいな。

けれど、太陽活動が活発な時に起こる『オーロラ爆発』であれば、期待しているようなモノが見られると知り、そのチャンスを窺っていたが、ついにその日が来た。

個人ツアーに申し込み、やり取りをする。夜の天気

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【第2話】極光を求めて(カナダ・イエローナイフ)

「ホームレス用のシェルターがあるから、そこへ連れてくよ」

想像すらしていなかったその提案に驚きはしたものの、「No」と言えるはずもなく、極寒の地に放り出されるよりはマシだと、その提案を受け入れた。

車内には、深夜1時に似つかないブラックミュージックが流れていた。その音楽にゆらゆらと揺れる運転手は、ミラー越しに僕のことをチラッと見て尋ねてきた。

「どこから来たんだい?中国人かい?」

「違うよ

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