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お裁縫物種

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和裁や仕立て、お裁縫に関連する様々な事柄をあれこれと書いています^^
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袖丈の謎!《男物AS▷▷女物ASへ仕立て替え》足し布編

袖丈の謎!《男物AS▷▷女物ASへ仕立て替え》足し布編

※ASとは?…アンサンブルの略。着物と羽織のセットの意。
※着物は長着とも呼びますが、ここでは統一するために全体表現の『着物』と呼んでいます。

こんにちは、ものぐさ和裁師です^^

男性の着物姿と言えばASと定番ですが、実は以前に女性用も流通していたことをご存知でしょうか?

私がこの世界に入る頃には仕立て依頼が舞い込んできておりましたが、近年では残念ながらその姿は殆ど見られなくなりました。

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雨ゴートこそ誂えるべき??《比べてみよう》

雨ゴートこそ誂えるべき??《比べてみよう》

こんにちは、ものぐさ和裁師です^^
この度はついに自分のための雨ゴートを仕立てました。以前からこの急務を1番に!と思い煩っていたのですが、ようやく仕立てに着手できました。
これから先は今よりも『着物を守れる雨ゴート』をお求めの方へお届けしたいnoteです⭕️

※⚠️比較対象物のある仕上がりの公開ですので、ご覧くださる方へ不快感を与える可能性がございます。このことをご理解いただいた上で続きをご覧く

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羽織に手を加える

羽織に手を加える

こんにちは、ものぐさ和裁師です^^

今日は簡単に昨年初頭にものぐさ用の羽織として仕立てたこの子について触れていこうと思います。

実はこの羽織は基本の羽織として仕立てたものでした。
(※あくまで、ものぐさ基準の『キホン』であり、その他各種縫製所で行われる仕立てとは考え方は異なります。)
何の工夫も加えない仕立てを目指して作り置いたものです。ですので、気になる点が幾つか見受けられる仕上がりとなって

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夏着物の裄寸法について

夏着物の裄寸法について

こんにちはものぐさ和裁師です^^

今回は裄寸法について少し考えてみたいと思います。

◯着物に合わせた襦袢の裄寸法の決めかた基本的な裄寸法割り出しは以下です。

❖ 《着物の裄−2分=襦袢の裄》

着物と襦袢とで肩幅はそろえ、袖幅のみで変化させます。
割り出し方は春夏秋冬どんな素材においても基本的には変わりません。

◯盛夏用の着物で見てみるこの度は自分用に夏結城の盛夏用着物と絽の長襦袢を仕立て

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単衣お袖の工夫《仕立て屋さん向け》

単衣お袖の工夫《仕立て屋さん向け》

こんにちはものぐさ和裁師です^^

5月に入り気持ちの良い初夏からジメジメの暑さになってきました。
単衣物の仕立て依頼も続々と入ってきておりますので、夏の訪れが待ち遠しいです♩

◯単衣仕立て

単衣の仕立てといえば裏地を付けないで表の生地だけにして薄く、軽く仕立てた着物のこと。
お尻の部分だけには居敷当を付けて補強する事はありますが、初夏から初秋に向けて長く楽しめる仕立て方です。

◯単衣仕立て

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着物と羽織の衣紋探求

着物と羽織の衣紋探求

こんにちは、ものぐさ和裁師です♩

実は先日から取り上げている写真の着物達は、衿肩周りに重点を置いた仕立てでした。

この先は和裁士ならではの視点で進めておりますが、和裁は素人の方でも仕立てに興味をお持ちであれば、楽しんでいただける様に進めていますので是非ご覧くださいませ^

🌸ものぐさ和裁師は今よりももっと!着心地良く美しい見栄えと仕立てを目指しています🪡

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躾糸取るの?取らないの?

躾糸取るの?取らないの?

こんにちは、ものぐさ和裁師です^^

先日インスタのフォロワーさんが躾糸についての疑問を取り上げられていたので書いてみることにしました。

◯躾糸(しつけ糸)

仕立て上がりの着物には必ず付いている躾糸。
読んで字の如く、身を美しく保つ糸。ですが、
本来の目的は重なり合った布同士がズレない様に止めておくための糸です。

ズレ防止の糸なので着用する際にはその糸は外して着用するのですが、どこまで外して

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もっと自由にいこまいか♩

もっと自由にいこまいか♩

こんにちはものぐさ和裁師です^^

切っていいの?
本当に?

これは着物を仕立てる際に必ず立ちはだかる選択。
着物は一反の反物から、袖・身頃・衿・衽と、裁断して漸く形になりますから、鋏を入れる時慣れないうちはかなり緊張します。
なので自信を持って鋏をいれられる様に数をこなしていったり、様々な種類の着物を見て色彩感覚やバランス感覚を養うことが重要になってきます。

その中でも《袖丈》に鋏を入れる時

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小茶巾入れの作り方・改良版《小物作り記録》

小茶巾入れの作り方・改良版《小物作り記録》

こんにちはものぐさ和裁師です^^

小茶巾入れに時間を掛ける予定ではなかったのですが改良版を作ったのでここに手短に書いておきます。

前回noteはこちらから↓↓↓

いくら撥水加工がかかっているとはいえ、やはり心もとなかったこちらの2枚。

クリアファイルをピッタリサイズに切り取って入れ物にしました。

じゃーん!
あ。。。適当なのバレバレですねσ(^_^;)

そうなんです、和裁で使うコテでジ

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着物エプロン《小物作り記録》

着物エプロン《小物作り記録》

こんにちはものぐさ和裁師です^^

一度ミシンを出したら、溜まったミシン作業をまとめて終わらせたくなりますよね(^^;

今日は着物エプロンを作りました🪡

シミありの古い浴衣反物のなるべく綺麗な所を見繕って。

横から見るとこんな。
このサイズ感は気に入っておりますが、水屋着用に新たにロングサイズで作りました^^

自分の好みの長さの着物生地2枚を縫い合わせて、裾の始末をしたら紐(写真は半分で

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小茶巾入れ 《小物作り記録》

小茶巾入れ 《小物作り記録》

小茶巾入れを作りました🪡

二つ分けられるスペースは作って、ラミネートの様な生地で作るか考えてはみたのですが、着物生地の残り布なので撥水加工はしてあるし、洗える方が自分には合ってると思いこの形になりました^^

実は左は一度縫い直したもの

自分の物だからコレでもいいかと思っていたのに、蓋部分が気になってしょうがないから結局縫い直すはめに…
こんな袋でも解いて縫い直すだけで形を変えられるのだから

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天才現る!

天才現る!

こんにちはものぐさ和裁師です^^

世の中には一本の道を歩み、その道を極め続けて自分の腕に磨きをかけ続け高みへと到達していける人というのがあるが、それとこの話が同種の話かどうかは分からない。

ただ天才はいる!と思ったんです。
所属年数とか思い入れに関わらずセンスのある人はいるんですよね。
全く羨ましい限りです(*_*)

そんな事知ってるよぉ〜〜
と感じる方も居られるかもしれませんが、感動してし

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襦袢と同寸の衿幅

襦袢と同寸の衿幅

こんにちはものぐさ和裁師です

ものぐさな私はnoteに登場してくれている襦袢達をトルソーさんにぽいっと着せ掛けています
(またすぐ使うから〜は言い訳ですね(^_^;)

◯襦袢 ON 襦袢

でもふと見てみると、何だかいい感じ?
この衿嫌いじゃない

衽こそ付いてないけれど、これくらいのバチ衿でも悪くないかなと感じませんか?

禊に行けそうな着物…白無垢姿って清々しいですよね。

悪い事が重なっ

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いちじるしい?着物に纏わる話②

いちじるしい?着物に纏わる話②

こんにちはものぐさ和裁師です^^

前回着物の着の字が『著(点が付く)』だったと話しましたが、ではどの様に使われていたのか?ものぐさのわかる範囲で少しだけ書きたいと思います。

前回をお見逃しの方こちらから↓

著(点あり)は着物の『着』として実際に使われていたの?

昔の本を読んでいても、「着」は『著(点有り)』の俗字とは言いながら明治〜大正の本にも出てきます。

上図の通り「着」を使用した文章

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