ものぐさ和裁師の徒然記

和裁士®️一級技能士【兵庫県】着物の仕立て屋です🪡 ▷▶︎着る人を引き立てる着物の仕立てを…

ものぐさ和裁師の徒然記

和裁士®️一級技能士【兵庫県】着物の仕立て屋です🪡 ▷▶︎着る人を引き立てる着物の仕立てを追求 ▷▶︎厚労省認定ものづくりマイスター

マガジン

  • 和裁 基礎編

    和裁について分かりやすく説明してみようと試みているnoteです^^ 烏滸がましいとは思いますが、和裁が大好きなものぐさ視点で解説しています。

  • 衣紋物種 《繰越の話》

    理解が難しいとされる、着物の衣紋周りのあれこれを綴っております^^

  • 羽織物種

    羽織についてのアレコレを凝縮しています♩

  • お裁縫物種

    和裁や仕立て、お裁縫に関連する様々な事柄をあれこれと書いています^^

  • ものぐさ物種

    ものぐさ和裁師に関することを書いています。

最近の記事

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浴衣で分かる!衣紋タイプの違い《繰越の話⑤》

※繰越の話⑤は既に一度アップしていたのですが、内容がくどい為にアーカイブしていたものを再編集しましたm(_ _)m こんにちは、ものぐさ和裁師です^^ 夏といえば浴衣♩♩ 蝉の鳴き声で早朝に目が覚めるという風流な時節になってきましたが、皆様は今季の浴衣を楽しまれましたでしょうか? 今日は浴衣で分かる後ろ姿について、衣紋の話として少しだけアップしていこうと思います。 ◯衣紋タイプとは? 着物を着用した際の後ろから見る衣紋の形の違いの事です。大きく分けて2タイプありま

    • 和裁② 【和裁の必要性】

      前回和裁①【和裁とは】↓↓では和裁の特徴をお伝えしました。 今回は前回伝えきれなかったミシン縫製と手縫いの違いについて、詳しく説明を付け加えていきたいと思います。 ◯ミシンと手縫いの違い洋裁で使うミシン縫いと和裁の運針の違いは、布に針を刺した際の、縫い糸の渡り角度にあります。 🍓ミシン目(直角縫い) 上糸と下糸の糸を使用し、上下から布に対して針が直角に通りますので、2枚の布に遊びがなく縫い目に強度があります。 🍓手縫い(運針/流れ目縫い※1) …2枚の布に対して、

      • 和裁①【和裁とは】

        こんにちは、ものぐさ和裁師です^^ 今回からは【和裁】をより多くの方にご理解いただくために、僭越ながら簡単ではありますが触れていきたいと思います。 ◯和裁とは?【和裁】とは和服裁縫の略で、日本の民俗衣装である着物や浴衣など、日本の伝統衣装である和服の仕立てを行うことを言います。また、その技術を指して和裁と呼ぶこともあります。 ※対義語として洋服裁縫を略した【洋裁】があります。 ——洋裁なら知っているけど和裁って何ですか?? 和裁士として、こう問われることは少なくあり

        • 衣紋を控えめに

          こんにちは、ものぐさ和裁師です^^ 今回は新たにものぐさ用の着物と襦袢を仕立てたので、その仕立て目的について書き綴っていこうと思います。 ◯用意した材料着物として用意したものは、古い着物を解いたものです。 着物に続き襦袢も古い物を解いて仕立てることにしました。色の組み合わせとしてはミスマッチではありますが、無い袖は振れないので仕立ての目的だけを見据えて前進していこうと思います(*・ω・)ノ どちらも古着で特に襦袢は汚れが目立つものでしたが、仕立替えによって改善していこうと

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        浴衣で分かる!衣紋タイプの違い《繰越の話⑤》

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        • 和裁 基礎編
          2本
        • 衣紋物種 《繰越の話》
          3本
        • 羽織物種
          8本
        • お裁縫物種
          20本
        • ものぐさ物種
          2本
        • 染め物種
          3本

        記事

          羽織に手を加える

          こんにちは、ものぐさ和裁師です^^ 今日は簡単に昨年初頭にものぐさ用の羽織として仕立てたこの子について触れていこうと思います。 実はこの羽織は基本の羽織として仕立てたものでした。 (※あくまで、ものぐさ基準の『キホン』であり、その他各種縫製所で行われる仕立てとは考え方は異なります。) 何の工夫も加えない仕立てを目指して作り置いたものです。ですので、気になる点が幾つか見受けられる仕上がりとなっておりました。 上写真では何の問題もないように見えますが、ものぐさが考える問題点で

          袖口から見えるもの

          こんにちは、ものぐさ和裁師です^^ 自分の着物を仕立てる時、どんな仕立てをすれば心地よく着続けられるだろか?と考えながら進めていますが、着物の部位の一つで『袖口』について思うところがあり、変化を加えて仕立てていました。 この寸法を加減すると見た目にどう変化を与えるのか。ものぐさの考えを写真と共に掲載しております。ご閲覧者の皆様にとってこれからの着物を考える参考になればと思っています。 ◯袖口寸法の目安袖口とは『袖から腕を出す口』の事で、袖山〜袖口留まりまでを測った寸法の

          袖口から見えるもの

          前提に囚われない。

          こんにちは、ものぐさ和裁師です^^ 今回はアンサンブルの反物からの仕立て。 について書いていこうと思います!(※アンサンブル=一反で着物と羽織が取れるもの。ASと略す) ◯アンサンブル反物から生まれる物こちらのAS(アンサンブル)反物は前提として、一反で着物と羽織が取れる。という名目があるのですが、その名目のままに受け取る気分にならず長い間思い煩っておりました。 そしてある時。 『よし!女物着物を2枚取ろう!』という謎なアイデアが浮かび仕立てに着手することにいたしました

          前提に囚われない。

          今年1番読まれた記事

          こんにちは、ものぐさ和裁師です^^ noteさんから『今年1番読まれた記事』として報告がありましたのでお伝えします。 第一位⚪︎浴衣で分かる!衣紋タイプの違い こちらはインスタに常時貼り付けてあるのでアクセス数が高かったのも無理はありません。 後ろ姿の衣紋に名前を付けると呼びやすく・分かりやすくなったので、ものぐさ的には書いてよかったかなと。 仕立て方等の問い合わせは有りましたが、この辺りは各仕立て屋さんの認識にお任せしております。私の価値観を押し付けたくありません

          今年1番読まれた記事

          雨ゴートこそ誂えるべき??《比べてみよう》

          こんにちは、ものぐさ和裁師です^^ この度はついに自分のための雨ゴートを仕立てました。以前からこの急務を1番に!と思い煩っていたのですが、ようやく仕立てに着手できました。 これから先は今よりも『着物を守れる雨ゴート』をお求めの方へお届けしたいnoteです⭕️ ※⚠️比較対象物のある仕上がりの公開ですので、ご覧くださる方へ不快感を与える可能性がございます。このことをご理解いただいた上で続きをご覧くださいませ。 今日まで運良く困り雨に遭遇する事なく生きてきたってことですヽ(*

          雨ゴートこそ誂えるべき??《比べてみよう》

          【ご利用案内】

          この度はものぐさ和裁師の徒然記へのご訪問を誠に有難う御座います。 いつも応援してくださる皆様ならびに、ご覧くださる皆様から大変多くの励ましをいただいておりますことを、心から感謝いたしております^^ ものぐさ和裁師(以下、「当社」と言う)に関連するInstagram等における各種SNSやこちらの note(以下、「当サイト」と言う)を閲覧ないしご利用いただくにあたり利用案内を設けました。 ご利用の際は、本利用案内をご確認いただけます様に宜しくお願い申し上げます。 なお、そ

          【プライバシーポリシー/免責事項】

          日本の着物お仕立て処 菊瓢を運営するものぐさ和裁師(以下、「当社」と言う)及び、ものぐさ和裁師の徒然記の各種SNS(以下、「当サイト」と言う)はご利用者様の個人情報についてプライバシーポリシーと免責事項(以下、「本ポリシー」と言う)を定めます。 ◯事業者情報 和服全般を仕立てる仕立て屋です。 ・屋号 菊瓢(きくひさご) ・代表 ものぐさ和裁師 ・運営するサイト ものぐさ和裁師の徒然記note及び各種SNS ・note▶︎ https://note.com/joyous_

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          着物姿どう見られたい??《男物AS▷▷女物ASへ仕立て替え》女物考察編

          こんにちはものぐさ和裁師です^^ 前回に引き続き、男物から女物へ仕立て替えたので、今回は“ 女物考察編 ”として仕立ての違いによって、女性らしさを表現できるか書いていきます。 前回note↑↑にて男物AS▷▷女物 ASに仕立て替えました。 ◯女性らしい着姿を目指す やたらに『女性らしく』と言うと語弊があり、ジェンダーバイアスに引っかかるのですが、理想を押し付けるのではなくお客様の思いをお聞きして、どんな仕立てを想像し、どう魅せたいかの価値観を受け取って仕立てを行うこと

          着物姿どう見られたい??《男物AS▷▷女物ASへ仕立て替え》女物考察編

          被布衿コート《被布とコート》

          ◯被布衿コートを仕立てましたこんにちは、ものぐさ和裁師です^^ 先日のnoteでお伝えした通りこの度はコートを仕立てました。その名も『被布衿コート』 ものぐさの大好きな形ですので、少しだけポイントを押さえておこうと思います♩ 着物のコートの名前は数種類ありますが、衿周りの形の違いで呼び方が変わります。この度の衿は『被布』の形ですので『被布衿コート』と呼びます。 見た目が似ているために、よく同じ扱いをされるのが下図の『道行コート』です。 被布衿と比較すると肩まわりに衿が付

          被布衿コート《被布とコート》

          コートについて

          こんにちは、ものぐさ和裁師です 今回はこちらのnoteでは初めましてとなるコートを仕立てましたので、少しだけ触れておこうと思います^^ ◯コートの役割 洋服で言うコートは防寒の役割が大きいのですが、和服では少しだけ意味が違います。 和服の部類にある『コート』とは ⭐️目的その1…年中を通して着用され、主に『チリヨケ』として扱われます。 チリヨケ(塵除)=塵埃・傷・水・汚れから着物を守るためのもの。 ⭐️目的その2…防寒、身体の保護 ⭐️目的その3…お洒落 ざっくりと

          袖丈の謎!《男物AS▷▷女物ASへ仕立て替え》足し布編

          ※ASとは?…アンサンブルの略。着物と羽織のセットの意。 ※着物は長着とも呼びますが、ここでは統一するために全体表現の『着物』と呼んでいます。 こんにちは、ものぐさ和裁師です^^ 男性の着物姿と言えばASと定番ですが、実は以前に女性用も流通していたことをご存知でしょうか? 私がこの世界に入る頃には仕立て依頼が舞い込んできておりましたが、近年では残念ながらその姿は殆ど見られなくなりました。 最近では男性は同色のASに仕立てるのではなく、別々の素材を用いて羽織・着物のセッ

          袖丈の謎!《男物AS▷▷女物ASへ仕立て替え》足し布編