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お客様の声①/3点のお誂え

こんにちは、ものぐさ和裁師です^^
今回は盛夏に着る三点セット着物・襦袢・羽織を仕立てました。

🍀簡単にですがビフォー/アフターと共に、お客様のご感想を紹介しています。(※個人情報保護の為、詳細はぼかして記述しています)


①着物のお誂え『大切な日の着物を準備したい』

ーー大切な日に備えて「一つ紋の色無地」を用意したい。

最初にお聞きしたご要望はとてもシンプルなものでした。

『絽の無地でペラペラの柔らかすぎるものは選びたくないので、ある程度しっかりした素材の物が欲しい。』

希望の反物を探すために都会の百貨店に足を運ぶも、なかなか好みの反物に出会えない。
そんな思いを受け取って選んだ選択が
【白生地を染めて仕立てること】でした。

懇意にしている親切丁寧な呉服屋さんに白生地から準備していただき、お客様と一緒に色を選ぶ。

私は知っている。
お客様がこの色味を好んでいることを……

写真の反物は実際に用意した反物なのですが、お客様がどんな代物を準備したいのか?対面してお話を伺っていると言わずもがな伝わってくることがあります。

染めからガード加工をし、一つ紋を入れる。ここに時間は必要でしたが、何とか希望納品日一ヶ月前までにはものぐさの手元に仕立て可能な状態で届きました。いよいよ仕立てです!

加工に携わった皆様、丁寧なお仕事を誠に有難う御座います!!


②仕立て寸法を決める

お手持ちの襦袢姿

まずは着物に合わせる為の襦袢をお借りすることに。

お客様の身体を測り、大体の寸法を頭に描いた後の襦袢着用図だったために少々驚きがあった。

『この襦袢じゃ美しく着付けられない』

着物を仕立てたとしても、この襦袢では着やすくて綺麗な着用姿にはならないだろう。
声に出しては言わなかったが、私にはその確信があった。

今回の仕立てはお客様にとって数多ある仕立ての一つではない。
滅多と無い重要な日に用意される着物なのだ。

希望に叶う満足感のある結果でお納めしたいので、実際の着装を頭に思い浮かべ思考を白紙に戻すことに決めた。

身体に合わない襦袢は着姿に影響を与えます


【着物を仕立てて良かった。】

このセリフは仕立て完了の後『着付け』に心から満足するまではお聞きすることが出来ないセリフだ。
いくら着物の仕立てをサイズを合わせ丁寧に行ったとしても、合わせた襦袢によっては全てが崩壊する可能性がある。透ける盛夏用の着物なら特にだ…

そんなリスクは取れない。
寸法を合わせた襦袢を用意することに決めました。


③身体の特徴に合わせた仕立てに取り掛かる

寸法が決まれば仕立てはスムーズに行われます。

仕上げ途中の様子
完成した色無地と襦袢

▶︎▷身体の特徴
・猫背
・姿勢の特徴
・ふくよかさ


年を重ねてから身長が縮んでしまったそうです。痩せなきゃいけないんだけどねぇ。。。
そう辛そうに呟かれるお客様。

身体の健康面を考えるとそのままで良いとは言えない。しかし、ダイエットなんて直ぐにできるもんでもない。

「ありのまま今の姿のお客様を私は大好きですし、そのままで綺麗な着姿を目指していきましょう!!」

着物を着たいという思いと、着ても綺麗に見られないんじゃないのだろうか?そんな心の声が聞こえてくるようでした。私は和裁士としてこれまでの経験を活かし尽くせるだけ仕事を行いたい。健康のためにダイエットは行うとして、今は現状に合わせて仕立てることに⭕️

大丈夫です!!めでたくもダイエットが成功した暁にお直し可能なのが、我が國の和裁ですから!

羽織用の紗反物

話の中で羽織もご所望の様子でしたので一緒にお仕立てさせていただけることに。

着物と襦袢、それから羽織と。

羽織物はチリよけとして着物を保護するために重要な役割を果たすので、ご提案に納得です。

着物だけよりも襦袢も一緒に
着物だけで歩くよりも、羽織物を纏って

夏の暑さ故に不必要と判断されることはありますが、羽織物が有るのと無いのとでは安心感が変わります。

完成した羽織
羽織紐も一緒に仕立てました🪡

大切な着物で歩く場合、特に考えたい羽織物のこと。
お気持ちが知れて嬉しかった瞬間でした。


⑤納品とご感想

【羽織】長襦袢の上から羽織っています

襦袢と着物を羽織ってから羽織を着用する。
まず一番に喜んだいただけたのは写真の羽織です。(着物姿は撮れなかったのでまた後日アップします)

今回は羽織を仕立てる事が第一の目的ではありませんでしたが、先述通り羽織物を用意しておく事の安心感がここに極まったのだと考えられます。

痩せた方、ふくよかな方、身体の癖や着用シーンを想定した仕立てになっており、お客様ならではで選んだ寸法に仕立ててあります。

そのこだわりの様子が写真では分からない。ということは違和感を与えない仕立てが出来ているというわけで、ものぐさ判定は◎なのです。

今回のお客様が普通寸法の羽織を着用してみると如何様に違いがあるか?比べてみるのも面白いですね^^


🍓お客様からの感想🍓

①衿が特に着やすい⭕️
②通常着ている物なら何箇所も留めて押さえながらで着付けに苦心をするのに、それが全く無かった。
③綺麗に出来ている


こちらから聞くとイヤラシイかしら?と思い、ご感想はお客様の方から伝えたくなるのを待っているのみです(^_^;)

良いご意見ばかりとは限らないかもしれませんが、再びこの様な幸運な機会に巡り合うことができれば仕立ての様子から感想までを掲載していきたいと思います。

この度は最後までご拝読を有難う御座いました🪡


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