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いちじるしい?着物に纏わる話②


こんにちはものぐさ和裁師です^^

前回着物の着の字が『著(点が付く)』だったと話しましたが、ではどの様に使われていたのか?ものぐさのわかる範囲で少しだけ書きたいと思います。

前回をお見逃しの方こちらから↓

著(点あり)は着物の『着』として実際に使われていたの?


昔の本を読んでいても、「着」は『著(点有り)』の俗字とは言いながら明治〜大正の本にも出てきます。

明治42年発行の「裁縫おさいくもの」
を1991年に日本玩具博物館の館長さんが復刻された著書より引用
大正5年初版の「家事新教科書」より引用

上図の通り「着」を使用した文章でも『著(点有り)』になっているものは見られません。

明治13年の裁縫教科書より引用

上写真3枚にもある様になかなか『著(点有り)』の表記は見つかりません。

いや、確かに見たことあるぞ。と我が本棚を漁っていると…

大正元年発行裁縫教科書より引用


一瞬自分の勘違いだったか?!と焦ったりしましたが有りました(^^;;

著物の著丈(点有り)としっかり書いてありますね。

明治の頃からすでに着物を『著』でも『着』でも普及されていたんですね
それ以前はどうだったか?調べてみたいのですがまたおいおいです。

着物の本なのにあまり見かけない

戦前の裁縫の本を開くとすぐに出てきそうな「着」という漢字は実は滅多に出てこないんです。
着物という言葉よりも「衣服」や「被服」といった言葉の方が目立ちます。
例えば説明する際なども単衣とは書きますが、その続きで「単衣着物」と書いてある物は一つもありません。

着物という言葉が普及し出したのは、明治に入り洋の文化が栄えてから時代が進み、着物よりも洋服を着る方が増えてからの事ではないでしょうか?

そう思ってみてみると、「着物」という言葉をまた違った見方で見られるかもですね^^

漢字と着物に纏わる話はまだまだ語り尽くせませんが、この辺りでお暇します。

以上ものぐさ和裁師でした🪡
最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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