いちじるしい?着物に纏わる話
こんにちはものぐさ和裁師です
以前から取り上げていた漢字のあれこれですが、また思い立ったので追加していきますね^^
着物にまつわる?
『著『点あり)』
みなさま『著』という漢字は見たことはありますか?もちのろん!で『いちじるしい』と読める漢字ですよね。
ではこの『著』の中にある者。に点がついている上図の漢字は見たことはありますか?
※ネットで簡単に調べるだけでは出てこないので、写真はものぐさの字で失礼していますm(__)m
実はこの漢字、昔は『着物の着』に当たる漢字だったのです
著(点のある)
①つく、とどまる(留)又、ます(益)又、したがふ(この中の漢字が分からない!涙)
②おく(置)
③さかだる(この漢字も出てこない!)
④又音、チャク、つく、きる(被)、又、きもの(衣服)又、奕子を下すと、又、動作を表す助詞。
⑤又音、チョ、ト、又、チョ、ヂョ
とあります。現在の『着』にあたる意味の漢字として使われていて
着物としての意味は4番目にあったようです。
↑そして辞典にもある様に『着』については『著(点あり)』の俗字だったとか。
今ネットで検索をすると『著(点のある)』は『着』の旧字体。と出てきます。ですので、同じ辞典で『著しい』を調べると有りました!
著(点のある)
①あらはる(顯)
②あらはす(立言)
③明らかにす(明)
④しるす(圖錄)
⑤あきらか、いちじるし
⑥おもふ(思)
⑦貯に通ず、たくはへ
⑧門と塀との閒、には(庭)
⑨くらゐ(位次)
⑩又音、チョ、ヂョ、さねかづら(荎著)
⑪又音、チャクヂャク
はい。疲れました笑
最初に説明した以外にも現在の『著しいの著』にあたる意味も持っている漢字だったのですね!
この事実に感動して以前呉服屋の会長さんと昔の話になった際にコソッと話してみると大変驚かれていました。ですよね。私自身も驚きでした。
無駄なものは継承されない。
前にここで書いた『蠶』↓にも衝撃がありましたが、昔の漢字には今よりも遥かに意味の豊富な漢字が書物の中に、日常の中に散りばめられていたんですね。
現在ふだんに使われる漢字はご存知の通り『新字体』として流通しておりますから、深い意味などは忘れ去られている状態になっています。
この旧字体をこれから使っていこう!とは思いませんが和歌と同じように日本人として忘れてはならない情緒と言いますか、胸の奥にある言葉では簡単に言い表せないものが、こういった旧字体や和歌の表現の中に残っている様に感じています。
それを古臭いだとか、日本的な考えが窮屈だととお思いになる方もあるでしょうから無理に旧字体を使う事はありませんが、ちょっぴり切なくなる瞬間でした。
漢字の意味を打っている時も分からない漢字がいくつもいくつも出てきたりして(上図の通りです笑)退化してしまった日本人に成り果ててしまったかと…とまぁ悲観的にも陥ってしまいますが気を取り直して。
現在では『ただ着る』としてしか考えられない『着物』この漢字にも他に付随する意味を持っていると思うとまた着物話を面白く感じてきました✨
では今日はこの辺で失礼します
以上、ものぐさ和裁師でした🪡
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