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カルチャー雑感

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#映画鑑賞

【カルチャー雑感】2024年04月14日~20日の映画、ポッドキャスト

【カルチャー雑感】2024年04月14日~20日の映画、ポッドキャスト

この一週間でふれて、印象に残ったものの感想です。

映画

「オッペンハイマー」(クリストファー・ノーラン/アメリカ,イギリス,2024)

IMAXで鑑賞。「観客を追い詰めているんじゃないか?」と思うくらい苦しいBGMの応酬だった。だからこそ無音の演出が映える。どれだけ実験が成功しても、行きつく先は「戦争なんて、人を殺すなんて愚かなこと」という結論。私目線ではややこしい映画だなと思ったけど、あの

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【カルチャー雑感】2024年02月04日~10日の書籍、映画、ポッドキャスト

【カルチャー雑感】2024年02月04日~10日の書籍、映画、ポッドキャスト

この一週間でふれて、印象に残ったものの感想です。

書籍

井上荒野「錠剤F」(2024)

「孤独」をテーマに描かれた、10の短編からなる一冊。おどろおどろしい装丁が物語るように、救いようのない話が多い。SNSでの誹謗中傷やマッチングアプリなど、いつの間にか日常に侵食しているものをテーマにストーリーを描いているが、似たような社会的事例がパッと思いつかないのが特徴でもある。小説というのは、読み手が

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【カルチャー雑感】2023年10月08日~14日の映画、お笑いライブ、ポッドキャスト

【カルチャー雑感】2023年10月08日~14日の映画、お笑いライブ、ポッドキャスト

この一週間でふれて、印象に残ったものの感想です。

映画

「アンダーカレント」(今泉力哉/日本/2023)

年齢を重ねている登場人物が多い、物語の始まりから事件性を含んでいるなどの理由で、少し重ための作品だったけど「この世界にずっと浸っていたくなる」今泉作品の特徴は今回も健在。堀という男の登場により、新しく始まった日常が、過去の記憶や現在の行動によって、新しく肉付けされていく。どんな人でも、胸

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【カルチャー雑感】2023年08月27日~09月02日のアルバム、書籍、映画

【カルチャー雑感】2023年08月27日~09月02日のアルバム、書籍、映画

この一週間でふれて、印象に残ったものの感想です。

音楽(アルバム)

スピッツ「ひみつスタジオ」(2023)

今年5月にリリースされたスピッツの新作。難しい言葉を遣わずに「スピッツらしさ」と「新しさ」を表現している。何も特別なことはしていないのに、聴いている側の音楽体験としては特別なものになる。「ベテランのバンドの曲作りってこうやれば良いんですよ」って言われてる気がした。

書籍

若林正恭「

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【カルチャー雑感】2023年03月12日~18日の映画、音楽ライブ

【カルチャー雑感】2023年03月12日~18日の映画、音楽ライブ

この一週間でふれて、印象に残ったものの感想です。

映画

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
(ダニエル・クワン,ダニエル・シャイナート/アメリカ/2023年公開)

破産寸前のコインランドリーを営む普通の主婦が、マルチバース(並行世界、多元宇宙)にいる自分の力を借りて、宇宙の悪と戦うという「ぶっ飛んでる」では済まされない設定。観ながらこの世界のルールを理解していくという作品

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【カルチャー雑感】2023年03月05日~11日の本、映画、ポッドキャスト、同人誌

【カルチャー雑感】2023年03月05日~11日の本、映画、ポッドキャスト、同人誌

この一週間でふれて、印象に残ったものの感想です。



「決定版 HONZが選んだノンフィクション」(成毛眞編・著/2021)

小説以外の全ての本を、様々なジャンルの識者たちがレビューするサイト「HONZ」が、これまで掲載してきたレビューの中から100本を選び、1冊にまとめた本。これを読むと「本を語るための言葉は無限にある、書評って自由だ!」と思える。活字での書評文化の大切さも感じられる。「本

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【カルチャー雑感】2022年05月15日~21日の音楽、本、映画

【カルチャー雑感】2022年05月15日~21日の音楽、本、映画

この一週間でふれて、印象に残ったものの感想です。

音楽
Dragon Ash「Tiny World」(2022)

先月配信されたDragon Ashの新曲。パブリックイメージである攻撃的なサウンドとは異なる曲調に「おっ」となる。ボーカルは怒鳴ったり叫んだりしているわけではなく、柔和な歌唱法で力強いエネルギーを聞き手にぶつけるというとんでもないことを実現させている一曲。


三宅香帆著「それを

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