マガジンのカバー画像

がん情報

17
運営しているクリエイター

#がん

【がん細胞が免疫から逃れるメカニズムと新たな治療法の可能性】

【がん細胞が免疫から逃れるメカニズムと新たな治療法の可能性】

ご存知の方も多いと思いますが、がん細胞は、自身の周りの環境を変えて免疫システムから逃れることで生き残ります。

この免疫から逃れるメカニズムの解明は、がんに対する新しい治療法を探す上で、重要視されています。





昨年、京都大学大学院生命科学研究科、医学研究科らの研究グループは、がん細胞から放出され免疫の働きを抑制する



【プロスタグランジン E2 (PGE2)】



という物質

もっとみる
【乳がん発症の仕組みを発見!】

【乳がん発症の仕組みを発見!】

近年、日本では乳がんに罹る女性が増えています。

30歳代から増え始め、50歳代前後がピークとなっている様です。

国立がん研究センターによると、11人に1人の割合で乳がんになると言われています。







現在、世界中の研究者の努力により、がんの病態が解明され、新たな治療法が次々と開発されていますが、一旦発症したがんを根治することは多くの場合困難とのこと。

そのため、多くのがん患者さ

もっとみる
【運動が、がんにいい影響を及ぼしている?】

【運動が、がんにいい影響を及ぼしている?】

『運動が体にいい』という事は、おそらく多くの方がご存知なのではないでしょうか。



がんをはじめとする多くの病気の予防になる。





しかし…がんの治癒を目的に運動を行なっておられる患者さんは、そう多くはないのではないかと思います。





ウォーキングやジョギングといった気持ち一つですぐに始められる簡単な運動で、大腸がん前立腺がんなどの死亡率が下がったとの報告があります。

もっとみる
【ストレスが、がんリスクを高める!!】

【ストレスが、がんリスクを高める!!】

現代になって「ストレス社会」という言葉をよく耳にする様になりましたが、新型コロナウイルスの影響もあり、より強いストレスを感じている方も多いと思います。



国立がん研究センターなどの研究チームが、自覚的ストレスの変化と、がん罹患リスクとの関連を調査しました。



その結果、男性は女性よりもストレスによる生理的影響を受けやすい可能性があり、自覚的ストレスが高いと、男性で19%、女性で7%、全

もっとみる
【糖代謝の異常が細胞をがん化させる?】

【糖代謝の異常が細胞をがん化させる?】

7年ほど前になりますが、北海道大学とアメリカのローレンス・バークレー国立研究所の共同研究で、『糖代謝が異常に亢進すると、細胞のがん化が促進され得ることが示唆されることを明らかにした』との発表がありました。

この研究では、ヒト乳腺上皮由来の正常細胞と、がん細胞の3次元培養を行なって、糖代謝の役割についての解析が行われました。


結果を簡単にいうと

①がん細胞への糖の取り込みと糖代謝を邪

もっとみる
【体内環境が、がんに影響?】

【体内環境が、がんに影響?】

糖尿病やその予備軍の人では、がんによる死亡リスクが3.1倍にもなるとの九州大学の調査報告をがあります。


血糖値が高いと、なぜがんを発症しやすいのかという事は科学的にまだ明確にはなっていないとの事。

現状では、インスリン抵抗性とそれに伴う高インスリン血症、炎症などが関係していると推定されている様です。


京都大学の研究グループが、高インスリン血症になると『細胞競合』がうまく働かず、

もっとみる
iPS細胞…活用されています!

iPS細胞…活用されています!




今年の8月に東京大学医科学研究所が発表した【がん化メカニズム】に関する研究をご存知でしょうか?


難しい内容なのですが、この研究を要約すると以下の通りです。 


① がんは、遺伝子配列の傷(遺伝子変異)の蓄積により発生すると考えられています。


② 生体内で細胞初期化(iPS細胞化)を誘導できる遺伝子改変マウスを使用することで、全能性(1つの細胞から個体を構成するすべ

もっとみる
【膵臓がんの早期診断に繋がる研究】
〜どんな病気も早期発見早期治療は大切ですよね〜

【膵臓がんの早期診断に繋がる研究】 〜どんな病気も早期発見早期治療は大切ですよね〜

早期診断が難しく予後不良な膵臓がん。


この膵臓がんや膵臓がんの前癌病態の方を、血液検査で早期発見できる様になるかもしれない新しい診断マーカーが東大病院の研究で発見されたそうです。

血液検査なら体にかかる負担が、他の検査と比較するとかなり軽減されるので、早い時期に膵臓がんの診断として使える様になるといいなぁと思います。


しかし…


がんの中でも膵臓がんは、早期には自覚症状が

もっとみる
【生活習慣改善でガン遺伝子も変わる!】

【生活習慣改善でガン遺伝子も変わる!】

がん患者さんのお話をお伺いしていると「悲壮感」を感じる患者さんやご家族の方が多く見受けられます。

がんは、場合により大変な病気であるという事は間違いないと思いますが、

「ガンは大変な病気だ」

「なかなか治らない」

「死に至る病だ」

という

「強い思い込み・固定観念」

が、私たちの中で深く根づいている様な気がします。



ここで興味深い報告がありますので、お知らせいたします。



もっとみる
【ガン治療の経緯】
〜アメリカの事情〜

【ガン治療の経緯】 〜アメリカの事情〜

梅雨の中休み(^^)

雨も必要ですが、お天気だとやっぱり気分がいいなぁ♬

今日は日本とアメリカのガンの経緯の差について書いてみました!

世界の先進国では、徐々にがん死亡率が下がってきている様です。

しかし先進国の中で、日本はガン死亡者が減少していません。

欧米では、大体毎年5%ずつガン死亡数が減っています。
それに比べ、日本では増加が止まりません。
1995年の時点では日本もアメリカも同

もっとみる
乳がんとホルモン

乳がんとホルモン

この数十年で、乳がんにかかる女性が増えています。 
私の周りでも、「知り合いが乳がんになって…」というお話をよく聞くようになった様に感じます。 

そして、それが若い年代の方に広がってきているという事も問題なのではないでしょうか。

乳がん発症に女性ホルモンである「エストロゲン」が、関係して、また乳がんの治療にも、このホルモンの働きを低減させる療法が標準的治療にも導入されています。

■アメリカ・

もっとみる
【薬剤抵抗性がん細胞が、抗がん剤により増殖する??】

【薬剤抵抗性がん細胞が、抗がん剤により増殖する??】

2021.3に、京都大学が

【薬剤抵抗性のがん細胞が、抗がん剤治療を行うことによって、がん細胞が増殖するメカニズムを解明した】

と発表されています。

以下、内容をものすごく簡単にまとめました。

細かい説明はリンクを貼り付けておくので、詳しく知りたい方はそちらを確認してみて下さいね(^^)

https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2021

もっとみる