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酒場のショート・ショート

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酒や酒場をテーマにしたショートストーリーです。 夕方頃の更新です。
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【ショート・ショート】 煙の向こう

【ショート・ショート】 煙の向こう

もうもうと立ち上がる白煙。

くさやの焼ける匂いが交差点を越えてこちらの通りまで届いてくる。

通りの向こうに増上寺と東京タワーが見えるオフィス街に突如として現れる大衆酒場。
秋田の地酒の看板が堂々と掲げられている帰り道にあるその店は一階、二階、三階全て15時半の開店とともに満席になる。

「私は入れないかな。」

いつも気になってはいるけれどヒールを履いた客なんていないし、そもそも女性の客の姿が

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【ショートショート】 ボーナス

【ショートショート】 ボーナス

「普通」と書かれた方向幕。

ターミナル駅から揺られて30分で駅についた。
階段を登り、降り口の改札を抜けてしばらくしても乗ってきた電車はホームで時間調整のためにまだ停車している。

出勤時は駅に吸い込まれるように人の流れが波のように続いているけれど、この時間は駅前のロータリーも商店街もゆったりとした時間を過ごしている。

駅周辺には帰宅前の一杯を引っ掛ける人たちがたむろしている。
サラリーマンは

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球場

9回裏。

贔屓のチームはこの試合に勝つと首位へ浮上するチャンス。
球場もボルテージが上がる。

カラになったカップを見てビールの売り子が寄ってきた。

「ビールいかがですか?」

お決まりの文句に

「今良いところだから。」と返す。

そうするとその子は

「お兄さんがビール買ってくれたら、今打席にいるバッターがホームラン打ちますよ!」

レフト側からのカクテル光線が売り子のシルエットをまぶしく

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苦い泡

苦い泡

3人で飲むのは何度目だろう。

ジョッキに注がれた生ビールは乾杯の一口目から全く量が減っていない。
店先の炭火焼き鳥の炎と煙は、通りの人の空腹をくすぐるだけでなく開放された店内にも容赦なく入り込んでくる。

「失敗は仕方ないがお前も見習えよ。」

上司の目は私をキッと見つめた後に隣の子の顔に移るときには目尻が下がっている。
発注ミスで得意先からクレームを受けた。
発注書作成は上司。得意先に送付を任

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【ショート・ショート】 さて一杯。

【ショート・ショート】 さて一杯。

昼休みも後もう少し。
職場の上司や同僚と誰からともなく退社後の予定の話がはじまる。

「飲みに行こうか?」

「いいですね。最近開いたあの店行きたかったんですよね。」

「おごりですか?それならいきますよー。」

「まだまだ残っていることが有るので今日はやめておきます。」

午後の業務もそこそこに
夕方5時。終業の合図が鳴る。
部署の人達は仕事のきりをつけつつ帰宅の準備に入る。

社屋の自動扉を開

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