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「サニーというLGBTのヤドカリとは」

 彼の名前は、通称「サニー」という。
 彼は、一度も日雇い・日払い以外の仕事をしたことがない。彼が言うには、「俺は履歴書が必要な仕事はヤバイんだよ」という。何がヤバイのかよくわからない。
 彼は、女装趣味がある。自称、LGBTだ。
 みんな彼を、LGBTと呼ぶ。差別ではなく愛着をもって彼をそう呼ぶのだ。彼もそれに満足している。
 彼の得意技は、女性を口説くことだ。彼は、バイ・セクショワルだからおかしいことはない。髪は肩まであり、金髪に染めている。目は細く重い。そして、つりあがっている。眉は細く女性のように剃ってある。彼は、口紅を付けている。小指を立てながら話すのが、得意技だ。
 口説いた女性は、みな妊娠している。
 はらます為に彼は、女性を口説く。それが、彼の個性であり、趣味だ。
変わった趣味だと思う。女性が妊娠すると、無理やり結婚する。
 子供が無事に生まれると彼は、「俺が、主夫をやるから、おまえが働いて来いよ」と言い、毎日、朝からビールを飲む。女性が、彼の生活態度が悪いことを責め、ヒモ扱いすると、そこでサニーの必殺技が出る。
 セックスだ。誰にでも取り柄があるように、サニーの取柄は、セックスがうまいことだ。

 しかし、最後は、女性の強くたくましい意見が通り、離婚することになる。
 離婚すると彼は、日雇い・日払いの仕事をしながら、次のえものを探すかのように、女性を口説く。そして、はらます。妊娠させるのだ。
 彼は、その方法で生活保護を脱出したという自信がある。
 

 女性と別れると、やどかりが次の大きな殻を見つけ、そこに入り込むがごとく、サニーは次の妊娠させる女性を探し、最後は、その女性に働かせるのだ。
 彼にはきっと天罰が下るであろう。

ヒモ男


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