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企業のnoteライター必見!プロの編集者に聞く、読まれる文章の書き方

noteの閲覧数を上げたい!でも、どう書いたらいいの…?とお悩みの方、必見です。

これまで、日本ベネックスは社員4名を“note編集部”とし「たくさんの人に日本ベネックスを知ってほしい!」という思いで、インタビューをして記事を書いては投稿、また書いては投稿…してきました。

しかしnote編集部メンバー、物書きとしては全員素人。
ありがたいことにビュー数1万超えの記事もあれば、なかなか伸び悩む記事もあります。

では、どうすればたくさんの人に届く文章になるのでしょうか。
今回は、「読まれる文章の書き方」「取材のしかた」をテーマに、編集者・ライターとして活躍する佐藤渉さんにお話を伺いました。

画面中央:佐藤渉さん  右側:ベネックスnote編集部

佐藤 渉
千葉県船橋市生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、都内の企業広報制作会社を経て2010年にフリーランスに。2011年に福岡に拠点を移し、企業広報支援を中心に、雑誌やWEBメディアの編集執筆など幅広く活動。日本ベネックスの社是・企業理念のリニューアルにも携わる。

ベネックスnote編集部メンバー
木下(社長室)、手島(社長室)、李(環境エネルギー事業部)、庄司(環境エネルギー事業部)


1.クリックされるタイトルをつくるには


庄司:

佐藤さんの書いた記事を読んで、タイトルの時点でプロは全然違うなと。クリックしたくなりますよね。どうすれば興味をひくタイトルをつけられるようになりますか?

佐藤:
気になるタイトルって、いくつかパターンがあると思います。自分が普段読むメディアでも「気になるな、読んでみたいな」と感じるタイトルと、スルーしちゃうものがありますよね? 
気になるタイトルがどうできているのか考えて、まずは真似してみる。それでだんだんコツがわかってくると思います。

木下:
なるほど。
「どういう記事か」を一言にまとめたタイトルをつけてしまうと、つまらなくなる気がするんですが。

佐藤:
そうそう。それ、ライターでもやってしまいがちです。
タイトルとか見出しって、「要約」じゃないんですよね。まとめなくていいので、続きの文章を読みたくなるような、興味をそそるような言葉にしないといけなくて



2.テーマと読者の関心


木下:

そもそも記事のネタや企画って、どういう風に考えていったらアイデアが浮かぶものですか。

佐藤:
多くの人が関心を持っている話題と、御社との接点を考えるといいと思います。

ネタ選びの前に、読者は忙しい生活の中で無数の記事を目にしているっていう前提を忘れないようにしましょう。
例えばnoteには今500万以上の会員がいて、約2400万件もの作品があるそうです。だから、1本記事を書いたとしても、2400万分の1。


企業広報としてnoteなどで情報発信をする場合、みなさん「自社のことを伝えたい」と思って書きますよね。
でも、同じビルに入居している他企業さんのnoteって、熱心に読みます?正直あまり関心ないですよね(笑)。自分と直接関係ない企業の情報って、一般の人にとってはそのぐらいの関心度なんです。

だから、そういう人にも振り向いてもらえるような話題があると、いいですよね。
御社の場合は、スポンサーをしている千葉ロッテの話とか、いいと思いますよ。野球を入口にして、読み進めるうちに御社のことも伝えていけるので。


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佐藤:

逆に、「ベネックスのヒト」コーナーは、関心の低い人を呼び込むにはちょっと弱いかも。

木下:
そこは割り切ってます(笑)。ベネックスに興味を持った方が見る、社員紹介と考えてます。

佐藤:
そういうつもりで記事を打ち分けていくのは、とてもいいですね。



3.記事の目的って?



木下:

今日は佐藤さんに、我々のnoteに対するカツを入れてもらいたいな(笑)。

佐藤:
そうですね…。
記事の目的がもっとはっきりしてくるといいと思います。読んでいて雰囲気は伝わるんですけど、もっと凝縮できてもっと簡潔にできるはず。

どんな目的に向かって編集のハサミを入れていくかで、話の印象や伝わることは大きく変わります。だから、その記事で何を伝えたいのかが重要です。

例えば「『20代のうちにやるべきことは?』アラサー社員が聞いてみた」の記事は、タイトルが良くて気になるけど、読み進めても結局20代で何をすべきかが明確に書かれてない。
まとめを入れてあげるだけでも、納得感が出ると思いますよ。

手島:
たしかに、読み手としては記事の内容がふわっとしているともやもやするのに、書き手側になると意識できてないなって思います…。


佐藤:

大事なのは、やっぱり読み手の気持ちになるってことだと思います。
タイトルが気になって、読んでみたらすごく腑に落ちてスッキリした。逆に、期待はずれでがっかりした。同じ内容を扱っていても、書き方次第で、どっちにもなり得るので。

どんな読者がどんな気持ちでこの記事にたどり着いて、読んだ結果どんな風に思うのか。それを想定できているといいですね。



4.読者をつかむ一文


木下:

まとめや導入の部分が弱くて、社長に「もうちょっとなんか他にないの」って言われるんです(笑)。やっぱりたくさん記事を読んで学習するしかないんですかね。

佐藤:
導入文で言うと…古いですけど、僕の書いた記事を例に挙げますね。

これ、市民が自分の街にどれくらい愛着や誇りを持っているかを三菱UFJリサーチ&コンサルティングが調査した「市民のプライドランキング」で、福岡市が1位を獲ったっていう話を記事にしたものなんです。

書き出しは、「ジモトをこよなく愛する福岡市民の皆さまに、朗報です」。この一言で、まず福岡市民の地元愛をくすぐります(笑)。

そして「福岡市民のジモト愛が他を圧倒した結果となりました」と続けます。このメディアは、福岡市民によく読まれているものだったので、地元が大好きな福岡の人が喜ぶ顔を思って書きました。

読者層が想像できていて、そこに届けるつもりで導入文を書くと、スルスルっと本文にも入ってくれます。

木下:
たしかに。今までは記事と紐づけた読者層を明確にできていなかったから、導入と締めの部分で回収ができてないことが多々あって。

庄司:
書き手として想定する読者の範囲が狭かったとしても、その人に刺さるタイトルや回収される文章があれば、他の人が読んでも面白い記事になるんですね。勉強になります!


5.取材の心得


木下:

佐藤さん、普段は取材する側ですが、今日は取材される側じゃないですか。
今回の取材のしかたは大丈夫なのかなって、緊張します(笑)。

佐藤:
楽しいですよ(笑)。

取材って、何を聞いても許される特別な時間なんですよね。
だから、自分が「ここ面白い!」と思ったポイントがあったら、遠慮せずに聞きまくるのが大事で。そこで話に深みが出るし、原稿にしたときもそこが面白くなります。

書き手が本気で面白いと思って書いてるかどうか、読み手にも自然と伝わるんですよね。

NGなのは、あらかじめ用意していた質問を、ひとつずつ消化するみたいな取材。それだと盛り上がらないし、メールで回答をもらったのと変わらなくなっちゃいます。

あと、「この人はここが魅力」「これを伝えたい」っていう手応えを得られないまま、取材を終わりにしないこと。それで帰ってきちゃうと、後で書くときに苦労します。

佐藤:
それから、インタビューする相手のことはちゃんと調べておきましょうね
その人の過去の経歴や仕事について調べたり、他のインタビュー記事を読んだりして、できる事前準備はしておくのが、取材者のマナーです。

自分のことをよく知っていて、興味を持っている相手には、つい深い話もしたくなりますよね?本人に気持ちよく話してもらえたら、いい話も出てきやすいですよ。

庄司:
話すきっかけをインタビューする側がつくるのも大事なんですね。



6.プロの取材テクニック


佐藤:

記事の目的やまとめに関わってくるんですが、僕は取材のとき「今の話をまとめると、こういうことですか?」と確認したりします。すると、微妙にニュアンスが違ったりして、それを相手が訂正してくれるので、理解度がさらに上がります。

あと、「それって先ほどのあのエピソードと似てませんか?」というフリも、よくしますね。例えば社長が何か重大な決断を下した話であれば、「そのご決断は、以前のあの時点での経営判断にも重なりますね?」と言ったり。

木下:
「自分の考え方のパターンってこうかもしれないね」って、相手に気付かせるみたいな。

佐藤:
そう。その人の考え方の軸がブレてないことの確認で、こういうことを取材の中でしておくと、人物像が定まってきて、描きやすくなります。



7.簡潔なのに濃密な文にできる?


手島:

取材でたくさん面白い話を聞くと、文章にするときに削るのがもったいなくて。全部書かないにしても、どうやってまとめたらいいですか?

佐藤:
ひとつの文章の文字数を切り詰めていく練習をしたら良いと思いますよ。

ウェブの世界と違って、雑誌は紙面のスペースが限られているので、文字数も細かく指定されてます。だから、雑誌のライターさんは、情報量を落とさずに短い文字数に収めるのが上手。ウェブだとその必要がないので、ついダラダラ書いてしまいがちです。


「そして」「だから」とか、つなぎで使っている言葉を省略してみて、意味が通りそうだったら全部省いてOK。「この言葉、短くできないかな」という観点で見直しをしてみましょう。
そうやって文章を切り詰めていくと、簡潔なのに情報量のある、密度の濃い文章になります。

木下:
なるほど。ただ、話し言葉の雰囲気を残しつつっていうのは、結構難しそうです。

佐藤:
そういうときは、地の文と会話文を分けて書くのがいいかもしれません。情報の部分は地の文でぎゅっと凝縮して書いて、情緒が必要な部分は本人のセリフとして「カギカッコ」で書く。
こうすると、良いバランスを作れると思いますよ。



8.読まれる文章の書き方・取材のしかた  まとめ!


取材はここで終了。
佐藤さんのお話、とても勉強になりましたね!

最後に、読まれる文章の書き方・取材のしかたをまとめると…

①テクニックは、真似することから
②タイトルは、要約にせず「読みたい」を引き出す言葉を
③記事のテーマは、読者の関心度の高いものと、伝えたいことを結びつけて
④本文を書くときは、「どんな読者にどう思ってほしいのか=記事の目的」 に立ち帰る
⑤冒頭の一文は、想像した読者層に届けるつもりで
⑥取材では、「面白い」と思ったら遠慮せずに深掘り
⑦インタビュー中は、相手に気持ちよく話してもらう
⑧取材の最後には、まとめの内容をその場で聞いてみる
⑨文章を編集するときは、文字数を切り詰めて、簡潔かつ情報量のある文章に

巧い文章を真似る・読者層を詰めて考える・読者のために書く、を意識することで、記事の面白さがぐんと上がるかも…?

ベネックスnote編集部一同、佐藤さんの教えを忘れず、腕を磨いて参ります!

佐藤さん、ありがとうございました!



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