牧原 出

政治学・行政学を専門としています。研究室のメインプロジェクトは、オーラル・ヒストリーで…

牧原 出

政治学・行政学を専門としています。研究室のメインプロジェクトは、オーラル・ヒストリーです。写真は研究棟にある時計台内部です。研究室HPにプロフィールや研究活動をまとめています。 http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/makihara/

マガジン

  • 地域共創リビングラボ

    東京大学先端科学技術研究センター・地域共創リビングラボでの活動についての断想です

  • 『崩れる政治を立て直す 21世紀の日本行政改革論』

    2018年9月に刊行した著書についてのふりかえりやレビューです。

  • オーラル・ヒストリーあれこれ

    東大先端研・牧原研究室のオーラル・ヒストリー・プロジェクトなど、オーラル・ヒストリーについて紹介したり、論じたり。

    • 地域共創リビングラボ

    • 『崩れる政治を立て直す 21世紀の日本行政改革論』

    • オーラル・ヒストリーあれこれ

最近の記事

再作動した地域共創リビングラボとinstagram

地域連携の可視化、それにはinstagramが今のところ最適かもしれない、最近そう思い始めています。10月と11月、東京大学先端研の包括連携先の宮崎県小林市を訪問しました。運動会での超人スポーツの体験ブース、秋祭りでのe-sportsイベント(このページトップの写真がその一つです)など、先端研との連携で実現した企画を見ていましたが、会場の雰囲気を伝えるには、やはり画像・動画が一番のような気がします。 新型コロナの収束が見えてきた中、東京大学先端研の地域共創リビングラボは、所

    • 地域共創リビングラボのブックレット2019ができあがりました

      東大先端研地域共創リビングラボの2019年度を振り返るブックレットができあがりました。これまでの振り返りですが、いろいろ連携のサイクルのファーストステージが広がったという所でしょう。 まだこれからセカンドステージへと全体のサイクルを回していくことになるのではと思います。このURLからPDF版・WORD版をダウンロードできます。 私自身は次のようなメモを寄稿しました。 先端研ではどのラボも外部との連携が盛んです。その相乗効果を求めたらどうなるか、という発想を一つの原動力に

      • 新型コロナをめぐる専門家と政治:最近のいくつかの論説と「作動学」

        はじめに新型コロナウイルス感染症対策で4月7日に緊急事態宣言が発出されてからというものの、SNSなどで専門家たちへの強い非難があふれていることが大変気がかりでした。そこで4月末に意を決して、「前のめりの『専門家チーム』があぶりだす新型コロナへの安倍政権の未熟な対応」という原稿を書き、5月2日に「論座」に寄稿しました。政権について何か書かないかという打診を受けていたのですが、あえて政権そのものではなく、専門家の役割から政権を考えるという視角で書けないかと逆提案した結果の原稿です

        • 『本棚から読む平成史』(河出書房新社)のトークイベントを終えて

          7月9日に神保町のブックハウスカフェで、『本棚から読む平成史』のトークイベントが行われました。読売新聞の「平成名著50」として一年以上かけて連載した書評をまとめた本の書き手が思いの丈を話すという会でした。ノンフィクション作家の梯久美子さん、生物心理学者の岡ノ谷一夫さんと私の3人が本について語りあいました。司会は、この連載を企画した読売新聞文化部の待田晋哉さんです(当日は敬称はすべて「さん」で通したので、ここでも皆さん「さん」づけにします)。 当日はそれぞれがお声がけした方々

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        記事

          東京大学先端科学技術研究センター・キャンパス公開でのイベントを終えて

          5月31日、6月1日の両日、東京大学先端研では、キャンパス公開が開催されました。今年は、オープニングセレモニーの表題は、「東京大学が考える地域連携」で、同じキャンパスの生産技術研究所とともに、「地域連携」がテーマでした。 これにあわせて、先端研・地域共創リビングラボも、イベントを開催しました。開催日前日午後の、5月30日に、連携している自治体職員に向けて、「共創研修プログラム」を開催しました。リビングラボとしては昨年11月に行ったキックオフイベントに続く、二度目のワークショ

          東京大学先端科学技術研究センター・キャンパス公開でのイベントを終えて

          「おしまいから読んでみよう――さかのぼりオーラル・ヒストリー」を、御厨貴編『オーラル・ヒストリーに何ができるか』(岩波書店)に寄稿しました。

          3月末に公刊された、御厨貴編『オーラル・ヒストリーに何ができるか』(岩波書店)に、「おしまいから読んでみよう――さかのぼりオーラル・ヒストリー」と題したエッセイ風論説を寄稿しました。 https://www.iwanami.co.jp/book/b440427.html 全体に論文集に近い仕上がりですが、あえて柔らかいタイトルとしました。研究会を重ねた結果なので、論文が多く収録されています。こうしたオーラル・ヒストリーの可能性を様々に問いかける論文の中で、私が目指したのは

          「おしまいから読んでみよう――さかのぼりオーラル・ヒストリー」を、御厨貴編『オーラル・ヒストリーに何ができるか』(岩波書店)に寄稿しました。

          「『作動論』としての視点を持ちながら、統治機構を中心にこれからのあるべき姿を明らかにしていきたい」 PHP「統治機構改革」研究会の報告書『統治機構改革1.5&2.0』が発表されました。

          3月20日に、PHP「統治機構改革」研究会の報告書『統治機構改革1.5&2.0 次の時代に向けた加速と挑戦』が発表されました。そのサイトは以下となります。 https://thinktank.php.co.jp/policy/4920/?fbclid=IwAR3JSCwA6fyPkbXmhWxtLudFSqCeLWjjame96zkkY0UN5_wLwcadx9sBnEQ 幹事役を担われた亀井善太郎さんのご尽力のたまものですが、研究会メンバーで大いに議論した成果と思います

          「『作動論』としての視点を持ちながら、統治機構を中心にこれからのあるべき姿を明らかにしていきたい」 PHP「統治機構改革」研究会の報告書『統治機構改革1.5&2.0』が発表されました。

          先端研RCAST NEWS105号に地域共創リビングラボについての記事が掲載されました。

          先端研の広報紙RCAST NEWSの最新号に、地域共創リビングラボについての紹介記事が掲載されました。まず表紙が、昨年11月に行われたキックオフイベントでのワークショップの結果のグラフィックレコーディングです。なお11頁には当日の雰囲気をまとめた写真を掲載しており、小泉秀樹先生と私とそれぞれのプレゼンの写真を掲載して頂きました。 また本文では、現在のリビングラボのHPをさらにかみ砕いて説明しています。 こんな一文です。  社会をとりまく状況がめまぐるしく変わる現代世界に

          先端研RCAST NEWS105号に地域共創リビングラボについての記事が掲載されました。

          プレジデント・オンラインに、著書『崩れる政治を立て直す』をめぐる西田亮介先生との対談が掲載されました。

          プレジデント・オンラインに「日本の官僚が"不祥事リーク"を始めた背景 官僚にある『面従腹背』の精神構造」が掲載されました。これは著書『崩れる政治を立て直す 21世紀の日本行政改革論』(講談社現代新書、2019年)について、西田亮介からコメントを頂きながら、現状の政と官の関係について論じたものです。 昨年の森友・加計学園問題、裁量労働法制の厚生労働省のデータミス、入国管理法改正案での法務省のデータミスに続いて、今は統計不正が官邸主導の歪みの一例と見られています。政と官の関係が

          プレジデント・オンラインに、著書『崩れる政治を立て直す』をめぐる西田亮介先生との対談が掲載されました。

          『自治日報』1月18日号のコラム「自治」欄に、「リビング・ラボと地域振興」を寄稿しました

           自治体関係者向けの週刊新聞『自治日報』に「リビング・ラボと地域振興」を寄稿しました。  これまでの東大先端研の地域共創リビング・ラボの活動について、思うところをまとめてみました。先端研かぎりの問題ではなく、大学と地域との連携の新しい形を探求する試みとなるのではないかと考えています。紙媒体でしか読めないのですが、そこでの気づきについて、紹介してみたいと思います。  ポイントは2点だと考えています。そのまま末尾を転載します。  結果として現在見えてきたのは、第1に、こうし

          『自治日報』1月18日号のコラム「自治」欄に、「リビング・ラボと地域振興」を寄稿しました

          WEBRONZAに寄稿しました。「受け身の安倍政権に活路はあるか? 野党は? 不透明極まりない2019年の政治。希望は多様化が進む社会の側にある」

          WEBRONZAに11日にアップロードされました。昨年から定期的に日本政治をウォッチした論説を寄稿しています。ここでは安倍首相の年初の挨拶を取り上げてみました。2018年と2019年とを比較すると、いかに今年の挨拶が受け身であるかが分かります。政権の余裕のなさを視野に入れつつ、終わりが少しずつ近づいていく中で何が起こるかを展望しています。 これもまた『崩れる政治を立て直す』(講談社現代新書)で書いた分析の延長です。

          WEBRONZAに寄稿しました。「受け身の安倍政権に活路はあるか? 野党は? 不透明極まりない2019年の政治。希望は多様化が進む社会の側にある」

          「つなぐ人」としての自治体職員とつながる 東大先端研・地域共創リビングラボの第1回「うちわ会議」から

            東大先端研は2018年11月に地域共創リビングラボを立ち上げ、オープニング・イベントを開催しました。その後しばらくの準備を経て、1月8日に、2019年度の活動に向けて、副所長の中村尚先生(気象学)、ラボの担当教員としての小泉秀樹先生(まちづくり・都市工学)、檜山敦先生(VR・身体情報学)、ラボ助教の近藤早映さん、石川県・いわき市から派遣されてきた若手の職員、URAの喜多山さんとともに、部内の検討会を開催しました。会議は当初「内輪会議」という通称だったのですが、そこはリビン

          「つなぐ人」としての自治体職員とつながる 東大先端研・地域共創リビングラボの第1回「うちわ会議」から

          12月17日の読売新聞「思潮2018」

          12月17日の読売新聞「思潮2018」の「今年の論考ベスト3」で、小黒一正先生に、「強い官邸には強い独立機関が必要だ」『中央公論』5月号を、筒井清忠先生に、「官を酷使する『政治主導』の歪み」(清水真人氏、松井孝治氏との鼎談)『中央公論』6月号を、挙げて頂きました。 いずれも森友・加計学園問題以降の政治と官僚制の問題を論じたものです(後者は清水さん、松井さんとの鼎談の中で私見を申し上げたわけですが)。この問題はまだまだこれからも議論されていくと思いますが、とりあえずの議論のた

          12月17日の読売新聞「思潮2018」

          野中広務オーラル・ヒストリーで気付いていた「作動学」

          野中広務オーラル・ヒストリー『聞き書 野中広務回顧録』(岩波現代文庫)のあとがき「オーラル・ヒストリーを終えて」でこう書いていました。 「本書では、政界の流儀を一つ一つ問うことに努めている。野中さんは、まずは仕組みを動かすときの冷静な面持ちで語り始める。それを聞き取るうちに、聞き手も政治のメカニズムについての質問を重ねていく。全体をふりかえると、野中さんは、ときに力むことはあっても、おおむね自然体で話しているように見受けられた」 ここに近著『崩れる政治を立て直す』で論じた

          野中広務オーラル・ヒストリーで気付いていた「作動学」

          「重ね読み」の楽しみ……堤清二×辻井喬オーラル・ヒストリーと野中広務オーラル・ヒストリー

           12月10日の『読売新聞』の読書面「平成名著50」で、西武セゾングループの堤清二=詩人・作家の辻井喬へのオーラル・ヒストリー『わが記憶、わが記録』(中央公論新社)を平成の名著として論評しています。また続けて11日発売の『週刊東洋経済』に、先日岩波現代文庫で新装再刊された政治家・野中広務のオーラル・ヒストリーについて、一文「元官房長官の口述記録」を寄稿しています。https://premium.toyokeizai.net/articles/-/19429    二つの論説

          「重ね読み」の楽しみ……堤清二×辻井喬オーラル・ヒストリーと野中広務オーラル・ヒストリー

          論文「政権交代と中央人事行政機関」について

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