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『自治日報』1月18日号のコラム「自治」欄に、「リビング・ラボと地域振興」を寄稿しました

 自治体関係者向けの週刊新聞『自治日報』に「リビング・ラボと地域振興」を寄稿しました。

 これまでの東大先端研の地域共創リビング・ラボの活動について、思うところをまとめてみました。先端研かぎりの問題ではなく、大学と地域との連携の新しい形を探求する試みとなるのではないかと考えています。紙媒体でしか読めないのですが、そこでの気づきについて、紹介してみたいと思います。

 ポイントは2点だと考えています。そのまま末尾を転載します。

 結果として現在見えてきたのは、第1に、こうした多様な連携を可能とする「包括連携」の協定を結ぶ自治体が増えてきたことである。科学技術を地域振興に生かすことに重点を置く市町村が中心であり、概ねかなりユニークな特色を持つところが多い。首長の熱意が地域を動かし、呼応して研究所でもいかなる連携が可能か、所内のシーズ探しを進めている。
 第2には、連携の「進化」モデルを構築できるであろうことである。石川県との長年の実績は他の自治体にも適用可能ではあるが、産業構造一つとっても地域に応じて異なるため、連携の質は変わってくる。ここでこそ「リビング・ラボ」らしく、従来は接点の薄い遠方の自治体が複数参加するワークショップを継続的に行って、連携の現状・新規取組みを互いに報告しあい、未来の連携の形を造形するといった「社会実験」が意味を持ってくるであろう。人口減の未来社会を前に、希望の源を探す試みはまだまだ続く。


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