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先生の仰せの通り

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【一気読み用】先生の仰せの通り
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#短編小説

先生の仰せの通り〜ep.24〜

先生の仰せの通り〜ep.24〜

「先生?」

「どうしていいか?わかんないんだろ?教えてやるよ。」

ベッドへ投げられ、先生が馬乗りになってきた。

<小説のひとコマ?それともリアル?…わかんない。>

「痛い。手を離してください。」

「ずっと俺が欲しかったんだろ?風呂で一人でしてたの知ってるぞ。」

「え?」

<うそ?見られてた?…やだ、恥ずかしい。>

「一人でするとき、あいつと俺、どっちを想像してたんだよ?」

「……

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先生の仰せの通り〜ep.23〜

先生の仰せの通り〜ep.23〜

私が先生のところに戻ってきて3カ月が過ぎた。あの日、お風呂で上書きされてから、先生はキス以外私に触れようとしなくなった。毎日一緒に寝てるのに何も無い…。

<やっぱり三木くんとの事が許せないのかな…?>

聞きたいけど私の悪い癖で怖くて聞けないまま時間だけが過ぎている…。

「先生?」

「ん?」

「コーヒー淹れてきました。」

「ありがと…。」

「あの…。」

「ん?どした?」

「買い物

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先生の仰せの通り〜ep.11〜

先生の仰せの通り〜ep.11〜

「あれ?言ってなかったっけ?女と男は互いに興奮し合って、一線を越えるんだよ。」

先生の口角が少し上がった。私も先生と一線を越えるの?ドキドキと疼きが私を支配し始めた。

《もう、お前に対する衝動を俺自身止められそうにも無いから、辞めて欲しいなら、全力で抵抗しろ。》

「あ、あの。」

「あ?」

「先生と?その…。」

「そうだよ。」

先生の唇が襲いかかってきた。今までとは違うキス。自分の中の

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先生の仰せの通り〜ep.5〜

先生の仰せの通り〜ep.5〜

先生にじっと見つめられてドキドキする。というか、朝から先生に弄られて、すでに感じてしまっている。

「あの…。」

「ん?」

「覗く感じでお願いできますか?」

「そっか。わかった。」

先生はパソコンの陰に隠れてくれた。

《さて、どうやって始めるのかな?》

私は、先生と向かい合う格好でソファに座り、目を閉じて頭の中でイメージした。

<一人で部屋に居る。一人エッチがしたくなったので、ブラを

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先生の仰せの通り〜ep.4〜

先生の仰せの通り〜ep.4〜

「じょ…冗談はやめて下さい。いちいち本気にするなって…たった今、言ったばかりじゃないですか…。」

「冗談かどうか確かめる?」

「……ん…はぁ…。」

先生の唇が首元を撫でる。首元から耳…耳から頬へ…。

《いちいち反応する身体。目を閉じて下を向いて声が出ないように、本気にしないように耐えてる姿が堪らない。そろそろかな…。》

先生の唇が頬から口元へ顎を持たれて…キスされ…る?

ペロ…

「取

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先生の仰せの通り〜ep.3〜

先生の仰せの通り〜ep.3〜

翌朝、そっと家に入り、とりあえずコーヒーを淹れた。

<何しよ?いつ起きてくるか?わからない先生の為に朝ごはん?米だけでも炊いとこうかな…。>

昨日読んだ先生の小説だと【朝ごはんを作ってる彼女の後ろから、いつの間にか起きて来た彼が首筋にキスをして胸を触り…少しずつ感じて来た彼女の下半身へ指を滑らせる】

<やば!朝から激しく想像し過ぎた。>

米をといで味噌汁の製作に取り掛かったところで、いきな

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先生の仰せの通り〜ep.2〜

先生の仰せの通り〜ep.2〜

「や…やめて下さい。」

手で必死に先生の手を抑えた。

「俺さ、嘘つくのも嫌いだけど、嘘をつかれるのは、もっと嫌いなんだよね。」

先生は私を見下ろして真顔で言う。編集長の言葉再び頭を過る。「何でも引き受けろ!」

《さぁ、どうする?》

「わかりました。」

《お!やるじゃん!》

私は目を閉じた。少しの我慢。いや、イケメンに触られてると思おう。恋人とか好きな人とか。先生の手が内ももを撫でるよ

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先生の仰せの通り〜ep.1〜

先生の仰せの通り〜ep.1〜

私の名前は三浦千代子。「チョコ」と呼ばれて育った。小さな雑誌社に勤務している普通のOL。うちの会社を支えていると言っても過言ない先生は官能小説家の神林先生。でも担当が頻繁に変わるほどの変わり者らしい。

「チョコ!」

「はい!」

「ちょっと来い!」

「はい…。」

<私は何かやらかした?>と思いながら編集長のデスクの前に立った。

「あのな。今日、神林先生のとこに原稿取りに行って欲しいんだけ

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