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先生の仰せの通り〜ep.23〜

私が先生のところに戻ってきて3カ月が過ぎた。あの日、お風呂で上書きされてから、先生はキス以外私に触れようとしなくなった。毎日一緒に寝てるのに何も無い…。

<やっぱり三木くんとの事が許せないのかな…?>

聞きたいけど私の悪い癖で怖くて聞けないまま時間だけが過ぎている…。
 
「先生?」

「ん?」

「コーヒー淹れてきました。」

「ありがと…。」

「あの…。」

「ん?どした?」

「買い物に行くので何か買ってくる物あれば…買ってきますよ。」

「うーん…特にないかな。」

「わかりました。」

「じゃ…行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」

《何で聞かないかな?聞いてくれば答えるのに…。そろそろイイかな…。》
 
「ただいま~。」

「おかえり。ちょっと協力して欲しいんだけど?」

「え?あ!はい!」

《喜んでるし…笑。》
 
<どんな事だろう?久々でドキドキする…。>
 
「何をしたら良いですか?」

「とりあえず…ここおいで。」

そう言って、先生はソファを軽く叩いて私を隣に呼んだ。隣に座ると久しぶりに肩を抱かれ、まるで初めて先生に肩を抱かれた時のように緊張した。

「まず、シチュエーションからね。」

《肩を抱いただけなのに緊張してるのが伝わる。カワイイな…。》

「はい。」

「前に覗く男を部屋に招き入れて一線を越えたでしょ?」
 
「はい…。」

先生と一戦超えたことを思い出し体の奥が疼いた。
 
「実は、女には旦那がいたんだ。でも旦那とはセックスレスだったから女は自慰行為をし、男を招き入れ一線を超えた。その旦那が、たまたま見たんだよ…。一線を超えている2人を…。その日から妻の体が妙にいやらしく見えるようになり、とうとう我慢出来なくなって…。」

話を聞いただけなのに生唾を飲み込んだ。

<その旦那さんの役って…先生だよね?私、先生に…。>

先生とできると考えたら下腹部がキュンとなった。
 
「できそ?」

「はい。」

「ちょっと乱暴に扱うけど良い?」

<どうしよう。想像しただけで腰が砕けそう。>

先生の温もりが肩や腕から伝わってるのもあって…心臓が苦しい…。

「はい…。奥さんは旦那さんと…したかったんですよね?」

「そうだね。」

「わかりました…。」

<今の私と同じだ。凄く触れて欲しいのに触れてもらえない。それなのに、いきなり触れられたら…どうなるんだろ?>

「いつからスタートするか?は…俺が決めて良い?」

「はい。」

<なんだ…直ぐに始めるわけじゃないんだ。少し期待しちゃった。恥ずかしい。>
 
《ちーが緊張してる時の癖。スカートの裾をギュって掴む。ちょっと意地悪しちゃおっかな…。》
 
「ちー?」

「ん?」

「キスしよっか?」

「はい…。」

先生の顔が近づき…唇が重なった。と同時に太ももを撫でられ、久しぶり過ぎて…反射的に手でおさえてしまった。
 
ちゅ…ちゅ…ん…ちゅっ

「待って…。」

「何?」

「あ…あの…。」

「触られるの嫌?」

「あ…いや…嫌じゃないです。」

「じゃ?」

「もう…始まってるんですか?」

「いや、まだだけど…。」

<どうしよう…。私、嫌じゃないのに…これじゃ嫌がってるみたい。>
 
《思った通りの反応。どうしよっかな…。》
 
「無理しなくて良いよ。」

《お楽しみは、あとに取っておこう…。》

先生は私から離れて書斎へ行ってしまった。

<先生と触れ合えるチャンスだったのに…。無理なんかしてないのに…。触って欲しいのに…。何であんな態度取っちゃったんだろ?小説の中の奥さんも同じようになるのかな…。>

それから更に1週間が経過したが何もない。

<先生、どうしちゃったんだろ?もう良いのかな?>

そんなことを考えながら晩御飯の後片付けをしていた。

「手伝おうか?」

背後からの声と同時に、腰に手がまわってきてビックリした。

「え?あ、大丈夫です。」

<洗い物の途中だよ〜。>

《そろそろ始めようかな…。》

「いつ終わる?」

「えっと、ここにあるのをゆすいだら…。」

「ふーん。じゃ〜それまでは無抵抗ってわけだ?」

「あ…あの…。これって小説の中の話ですか?」

「さーね。」

先生の顔が肩に乗る。耳元で話すから息がかかって、くすぐったくて、心臓がバクバクし始めた。

「あいつにも、こんな風に耳元で囁かれた?」

<あいつ?三木くんのこと?それとも小説の中の男のこと?>

「あ、あの…。」

「ほら、早くゆすがないと。」

「あ…ひぃ…や。」

耳を舐めている音が直接脳を刺激し、先生の腰が臀部を刺激する。更に先生の手がスカート越しに下半身を撫でる。

私は肩をすくめ悶えた。

「せん…せい…やめて…。」

「嫌なの?」

「嫌じゃないですけど…今は…。」

「俺がしたい時にするのはダメなんだ?」

「先生はズルイです。」

「は?」

「だって、あれから私に全く触れなくなってたのに、また急に…。」

「何が?」

「私…どうしていいか?わからないです。」

腕を掴まれ、引っ張られるようにして寝室へ連れて行かれた。

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