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先生の仰せの通り〜ep.4〜

「じょ…冗談はやめて下さい。いちいち本気にするなって…たった今、言ったばかりじゃないですか…。」

「冗談かどうか確かめる?」

「……ん…はぁ…。」

先生の唇が首元を撫でる。首元から耳…耳から頬へ…。

《いちいち反応する身体。目を閉じて下を向いて声が出ないように、本気にしないように耐えてる姿が堪らない。そろそろかな…。》

先生の唇が頬から口元へ顎を持たれて…キスされ…る?

ペロ…

「取れた!」

「え?」

「卵焼きの食べカスを口んとこ付けてる女…初めて見たよ笑。取ってやったんだからお礼は?」

「あ…ありがとう…ございます…。」

先生はケラケラと笑って書斎へ入って行った。

<あんな風に笑うんだ…。斬新な取り方だったな…。何てこと?私はからかわれてるのに、先生の笑顔に癒されて、挙句に取り方に感心までするなんて…バカだわ。>

「だめだ。心臓も体も持たない。完全に弄ばれてる…。」

私はダイニングテーブルに突っ伏した。でも私の中の私が何故か先生を嫌いになれないでいた。何だか気になる存在…。

コンコン

「はい。」

「コーヒー淹れました。」

「ありがと。そこに、置いといて。」

「はい。」

<パソコンに向かって考えごとしてる横顔かっこいいな。>

「なぁ〜?」

「はい?」

「自慰行為したことある?」

「え?あ…はい。あります。」

《素直だな(笑)。》

<不思議…先生になら全部さらけ出せる。>

「今さ、その部分を書いてて協力してくれる?」

「ん?協力ですか?」

「うん。俺の前でやって。」

「先生の前で?ですか?」

「うん。」

「それは、ちょっと。」

「協力してよ。書きたいのに書けないんだよ。」

《さぁ〜どうする?ちよこちゃん。》

「それ…書けない場合はどうなりますか?」

「その場面を変更するか、自慰行為をしたってことだけ書くか。
詳細な描写がある方が読み手にとってはドキドキするよな〜。」

《心が動いてる?俺の前でやる?》

「わかりました。何処でしたら良いですか?」

《お!やるじゃん!》

「いつもは何処でしてんの?」

「ベッドかソファか。」

「どっちでも良いよ。それソファベッドだから、どっちにでもなるよ。」

「先生は、どっちの描写が欲しいですか?」

「どっちでも。俺は行為を見たいだけだから。」

「どんな設定ですか?」

「ある男が、自慰行為をしている女をこっそりと覗き見するんだ。女は覗かれていることに気付き、更に興奮してっていう感じかな。」

「わかりました。じゃぁ、先生がその男っていうことですね?」

「そうだね。」

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