好きな作家No. 1!江國香織さんの作品を愛する5つの理由
江國香織という作家について語る時、どんな言葉で表現するとしっくりくるでしょう。
恋愛小説の大家?
数々の受賞歴のある大作家?
『東京タワー』や『冷静と情熱のあいだ』など、数多くの作品がメディア化され、多くの人に愛されている江國香織さん。
この記事では、高校生の頃から彼女の作品を偏愛しているわたしが江國香織作品の魅力についてお話します。
江國香織さんについて
江國香織さんのプロフィール
若い頃は童話作家、短編作家として活躍されていた江國香織さん。
近年の作品では骨太の長編小説にも挑戦されており、若い頃の作品から現在の作品まで、バラエティ豊かな小説を堪能することができます。
そんな彼女が描く作品の、唯一無二の魅力を解説します。
江國香織作品の魅力①:思わず手にとってしまうタイトル
江國香織作品の魅力は、なんと言ってもそのタイトルにあります。
思わず手にとってしまいたくなる、一度目に飛び込んできたら忘れられないようなタイトルなのです。
それは単語だったり、詩の一節のような言葉だったりするのですが、いずれにしても心をわしづかみにされ、次の瞬間にはもう「読んでみたい」と夢中になっています。
たとえば、こちらの作品です。
『ぬるい眠り』、『落下する夕方』……。
その独特な言葉たちの持つ強烈な力が「読んでみたい」という強い欲求を引き起こすのです。
▼個人的にはこちらもおすすめです。▼
江國香織作品の魅力②:儚げにみえてめちゃ強いヒロイン
江國香織作品に出てくるヒロインは、経済的に恵まれている人が多いです。
日々の労働や生活にあくせくしていないからなのか、なんだか「儚げ」な印象を持っているイメージがあります。
ですがその実、彼女らはみんなめちゃ強いのです。
いつでも全力で恋をし、そして頑な。
そんな彼女らの魅力が、江國香織作品の真髄だと思っています。
『流しのしたの骨』の主人公は、4人姉弟の三女・こと子。
こと子には、そよちゃんとしま子ちゃんという2人の姉がいますが、この姉たちがとても強いんです。
それは単に「気が強い」のではなく、もっと強靭で…
やはり「頑な」な魂を持っていると言った感じ。
だけど胸の奥では、深く深く傷ついている。
とても魅力的なキャラクターです。
あまりにも有名な『冷静と情熱のあいだ』。
ミュージシャンで作家の辻仁成さんとのコラボ小説です。
先日、はじめてこの作品を読んだのですが、主人公のあおいは、江國香織作品の中でも圧倒的に強いヒロインだ!と思っています。
江國香織作品のヒロインが強いのは、その「愛」ゆえなのです。
不器用で頑なで、それでも人を愛さずにはいられない。
そんか彼女らのことがとても愛おしいです。
江國香織作品の魅力③:圧倒的な文章力
江國香織作品を読んでいると、「日本語とはなんて美しい言葉なんだろう…」と惚れ惚れしてしまいます。
まるで、江國香織さんの織りなす言葉の海に潜ったような感覚になります。
作品を読み進める度に、こちらの世界に戻って来るのに時間がかかるのです。
江國香織さんの圧倒的な文章力を楽しみたい方には、こちらがオススメです。
『なかなか暮れない夏の夕暮れ』は、面白い形式の小説です。
いわゆる「読書小説」と言えるのでしょうか。
「本を読む」ということが様々な角度から描かれているのです。
その切り口が面白く、夢中になって読み進めてしまいます。
江國香織さんの「日本語力」を楽しみたい方にぜひ読んでほしいのが『真昼なのに昏い部屋』。
この作品はアメリカ人のジョーンズさんの目線で語られるのですが、日本語を母国語としない人の目線なのにも関わらず、圧倒的な「日本語」が迫ってきます。
この作品は、江國香織さんにしか書けないのではないか、と思っています。
江國香織作品の魅力④:鋭利な五感
江國香織さんはとても鋭利な五感を持っている作家です。
その鋭利な五感は作中の描写や独特の表現にも活かされています。
そして、彼女独特の「視点」があります。
この『温かなお皿』には、食べ物にまつわる短編小説ばかりが収録されています。
江國香織さんの中で、食べることは直接生きることにつながっているんだな、ということがしみじみ感じられる一冊です。
彼女の、食べること・飲むことに対しての敬意すら感じられます。
(『つめたいお皿』ではなく『温かなお皿』というタイトルがいいですよね。なんだかお腹が空いてきませんか?)
彼女独特の「視点」を楽しむという意味で、おすすめしたいのが『すいかの匂い』。
こちらも短編小説集なのですが、「子供の視点」から書かれた作品が多く収録されています。
江國香織さんは子供を無邪気な存在として描くのでなく、しっかりと意思を持ったひとりの人間として描いています。
それは「子供」と「かつて子供だった大人」に対しての誠意なんだろうな、と感じています。
江國香織作品の魅力⑤:江國さん自身のチャーミングさ
江國香織さんは滅多にメディアに出ることはありませんが、それでもイベントやラジオ放送などで、何度か肉声を聞いたことがあります。
鼻にかかった甘い声で、いたずら好きの少女が魔女になったみたいな、不思議な魅力があります。
彼女のエッセイには、そのチャーミングな人柄が表れています。
『いくつもの週末』は、江國香織さんがサラリーマンの夫との結婚生活を描いたエッセイです。
一読してみると「もしかして、不幸せな結婚生活を送っているの?」と思ってしまうのですが、いえいえ、そんなことはありません。
旦那さんへの愛、そして恋する気持ちがそこかしこに見え隠れしていて、ちょっと厄介な、でも可愛い奥さん…そんな姿が浮かんできます。
『物語のなかとそと』は、江國香織さんの散文を集めた、ファンにはたまらない一冊です。
この作品については、帯に書いてある田中みな実さんの推薦文がすべてを物語ってくれています。
まさにその通りです。
江國香織さんのファンなら絶対にもっていてほしい一冊です。
番外編:江國香織さんの翻訳作品も素敵です
江國香織さんはオリジナル小説だけではなく、海外作品の翻訳もなさっています。
先ほど述べたように、圧倒的な日本語力を持つ江國香織さんは、翻訳作品でもその力を発揮しています。
メーテルリンクの『青い鳥』は、大人にこそ読んでほしい名作児童文学です。
江國香織さんの瑞々しい言葉づかいで、さらに美しい物語に仕上がっています。
アメリカの作家トレヴェニアンが描く『パールストリートのクレイジー女たち』。
わたしはテネシー・ウイリアムズという作家が大好きなのですが、『パールストリートの…』もまた、彼が好んで描いた1940年代~1950年代のアメリカが舞台です。
この作品はわたしにとって、アメリカ文学の上位3位くらいにランクインするほど大好きな物語になりました。
そこには翻訳者の江國香織さんの存在が不可欠だった、と思っています。
まとめ
江國香織さんの作品の魅力は、
●思わず手にとってしまうタイトル
●儚げにみえてめちゃ強いヒロイン
●圧倒的な文章力
●鋭利な五感
●江國さん自身のチャーミングさ
にあると言えます。
上質な読書を楽しみたい方、物語にどっぷり浸かりたい方、ヒロインたちの圧倒的な「愛」を感じたい方、おいしいものが好きな方。
沢山の方に、江國香織さんの作品を楽しんでいただきたい。
そう願いながら、ここで筆を置くことにします。
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