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【本の虫】の歴史
読書好きの自分としては、その人が今までの人生の中でどんな本と出逢ってきたのか、というストーリーに心惹かれます。
それと同時に、「わたしはずっと本を読むことが好きだけれど、そのつどどんな本を好んできたのか、振り返ってみると面白いだろうな」と思ったのです。
そこで今回は、人生の中で少しずつ変化していった【わたしの読書の歴史】についてお話ししたいと思います。
* * *
【動物もの】が好きだった小学生時代
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小学生の時、週に一度【図書の時間】という、図書室で読書をするという授業がありました。
他の子たちは退屈して遊び回っていましたが、わたしにとっては週に一度のボーナスタイム。
「今週は何を読もう」とわくわくしながら、そのときを待っていたのを覚えています。
そこで出逢ったのは、動物たちが主役の物語。
『シートン動物記』からは『狼王ロボ』や『ぎざみみ坊や』、ジャック・ロンドンの『白い牙』、新美南吉の童話や『大造じいさんとガン』、『片耳の大鹿』が有名な椋鳩十作品など、いわゆる【動物もの】を読んでいました。
森の中を駆ける狼たちが獲物を狩るシーンや、人間と獣の不思議な交流、そして切なく迎える死…など、読み終わってから胸がじーんとしたのを覚えています。
この、じーん、という気持ちは読書後の余韻、ということでしょう。
その頃のわたしはそんなこと知るよしもなく、じーん、が何なのかわからないまま、それを味わっていました。
ファンタジー、長編シリーズにはまった中学時代
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小学校高学年の頃から、世界中で『ハリー・ポッター』シリーズの大流行が始まりました。
個人的に、ポッターシリーズは物語が暗いトーンを帯びてくる後半シリーズからが読み応えがあると思っているのですが、中学生の頃はその壮大な物語が好きで、よく読み耽っていました。
そして江戸時代ファンタジーである、畠中恵さんの『しゃばけ』シリーズ。
妖怪×時代物×ラノベっぽさは、思春期の女の子の性癖に刺さります(笑)
読書が好きな友達や、国語の先生と『しゃばけ』の貸し借りをしていました。
その国語の先生から、ル=グウィンの『ゲド戦記』シリーズについて教わったのもその頃。
同名のジブリ映画を観たものの、当時のわたしには難しく敬遠していましたが、大人になってから読破したこのシリーズは人生のバイブルになりました。
江國香織さんに出会った高校時代
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最も敬愛する作家・江國香織さんの作品に出逢ったのは、高校生の頃でした。
その時わたしはまだ「骨ごと溶けるほどの恋」(『神様のボート』より)なんてしたことはなかったけれど、江國香織さんの作品の世界にすっかり虜になってしまいました。
ブレザーの制服の下にピンク色のセーターを着込み、ちょっと背伸びしながら読んでいたのはいい思い出。
さらに図書委員の友人に勧められた、小川洋子さんの作品と出逢ったのもこの頃。
そして偏愛的な美しさに惹かれ、嶽本野ばらさんの作品も好んで読んでいました。
日本の近代文学や海外文学の面白さを知った大学生時代
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芸術大学に入学してからは、読書の幅がさらに広がりました。
というのも、周囲にいる読書家の数がぐん!と増えたのです。
それまでは一部の読書好きの友人たちと一緒に、好きな本や面白かった本の情報交換をしていただけでしたが、大学では日常会話の中に読書の話題が組み込まれるほど。
その中で、三島由紀夫や太宰治、そして谷崎潤一郎と言った近代文学を読み耽りました。
今挙げた3人の作風は、芸術系の大学生と非常に相性がよいと思います(笑)
太宰など自意識の塊であり、三島と谷崎は自身の性癖を唯一無二の文学へと昇華させた存在だからです。
大学生の頃にこれらの作家たちと出会ったことで、美しいものや、醜いけれど美しいもの、に触れられた気がします。
そして、もうひとつの大きな出会いは、英米文学。
その中でも演劇の戯曲を読み耽り、テネシー・ウィリアムズやアーサー・ミラーの作品の大ファンになりました。
小説ではダニエル・キイスの『二十日鼠と人間』、カポーティやオスカー・ワイルドも好きになりました。
ジェンダーに興味を持ち、フェミニズム小説を好み始めた20代半ば
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20代半ば、縁があって女性支援団体と一緒に仕事をすることになりました。
そこではDV被害や性暴力被害に遭った女性や子供たちに、正しい支援を提供するために、1年間の研修を受けることになっています。
研修を受けるまで、日本のジェンダー平等指数が他の先進国よりもかなり遅れをとっていること、日常の中で無意識に受けている女性差別のことなどを考えたことはありませんでした。
ですが、研修を受けてまさに開眼する想いと言いますか、今まで見えていた景色がまったく違ったものに感じられたのです。
そんな時出逢ったのが、韓国の作家チョ・ナムジュの書いた『82年生まれ、キム・ジヨン』。
お隣の国の話なのに、まるで自分たちの姿を見せられているようで、衝撃を感じたのです。
そこからはいわゆるガール・ミーツ・ガールものや、女性のロードムービー的な作品を好むようになりました。
日本の現代作家さんで言うと、山内マリコさんや柚木麻子さん、松田青子さん、山崎ナオコーラさんなどの作品です。
また、昭和の女流作家も好きになり、特に田辺聖子さんや瀬戸内寂聴さんの本を好んで読みました。
現在の読書の楽しみ方
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実は、いまがいちばん幅広いジャンルの本を楽しんでいます。
その大きな理由は、読書家の方々とSNSで繋がるようになったからです。
Twitterで読書アカウントを持っているのですが、そこで出逢ったたくさんの読書家さんたちが紹介している本を知っては、読む、ということを繰り返しています。
この読書アカウントは、わたしに大きな影響を及ぼしてくれました。
読書アカウントで読書会の存在を知り、参加したり、そこで出逢った方と交流したりして、自分や、自分と同じコミュティの人たちからは得られないような作品に触れることができたのです。
終わりに
こうやって振り返ってみると、それぞれの時代ごとに自分なりの読書を楽しんでいることがわかりました。
これから歳を重ねたり、所属するコミュティが変化することで、また読書の好みも変わるかもしれません。
一生楽しめる最高の趣味であり、人生の友。
それがわたしにとっての読書なのです。
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