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65.イタリアで家を買うと居住ビザが出る?

東京のマンションを売却し退路を断って完全イタリア移住となったものの、
相変わらず留学用の滞在許可証しか持っていません。
ある人からイタリアで家を買うと居住ビザが出ると聞いたのですが……。


家を買えばイタリアに永住できる?

配偶者ビザ、家族用滞在許可証ではなく、それ以外の方法でイタリアに在住している日本人に会ったら、必ずどんな方法なのかを聞かせてもらっていました。
しかし、それぞれのおっしゃることが曖昧ではっきりとした返答をもらえた試しがありません。
それは、たまたまその人たちにだけ訪れた幸運のようなもので、誰でもマネして取得できる類のものではなかったからでしょう。

さらに移住にまつわるイタリア語は専門的なものも多く、1度や2度聞いたぐらいで覚えることはできません。
そんな状況でご自分の体験されたこと、人から聞いて知ったことなどを私に教えてくださった方々には本当に感謝しています。

そんななか、これは有力かも、という情報にめぐりあいました。
それは、イタリアに不動産を保有すればそこに住むために発給される滞在ビザ、滞在許可証「Dimoraディモラ」です。
ディモラについてその人はそれ以上の詳しい情報を持っていませんでした。
そこで周囲の人に聞いてみたものの知っている人は皆無です。
自分でも調べましたが当然すべての情報はイタリア語、今から数年前の私にはあまりにも難し過ぎるチャレンジでした。

マンション売却益がある!

曖昧なままではありますが、それでもその情報を信じて、どうせ家賃を払い続けるならイタリアで家を買うのもありだなと思い始めていた矢先、東京のマンションを売却することになったのです。

残りのローンを一括返済し税金を払い借金を清算すると、私の手元には少なくない額のお金が残りました。
それは、東京で家を買うには築50年ぐらいの中古だったとしてもあまりに少なく、しかし、当時のブラッチャーノ旧市街でなら可能な額だったのです。

旧市街には厳しい建築規制が敷かれていて新築物件を建てるどころか、増改築にまで多方面への書類提出による面倒な認可手続きが必要でした。
それこそ中古も中古、築300年ぐらいなら新しいほうで、中には築1000年なんていう物件もあります。

それでも家さえ買えれば滞在許可証がもらえて、私にはそのお金があるのです。
ブラッチャーノで家を買うという方向へ、私の移住プランは一気に突き進むことになります。

物件めぐりの日々

ブラッチャーノへ来て3年目、2016年の冬からこうして旧市街を中心とした家探しの日々が始まりました。
というのも、当時住んでいたのは築40年ほどの築浅物件だったからです。
第2次世界大戦後に建てられた物件は、イタリアではもれなく「新築」の部類に入ります。
イタリアっぽい歴史的な物件にたいする憧れもあり、なんとなくターゲットは旧市街と決めていました。

いちばん最初の内覧は2017年2月の終わり、一時帰国から戻ってすぐのことです。
東京から私と同じ飛行機でブラッチャーノに来た占い師の友人も一緒でした。
当時住んでいたアパートのお向かいさんが、私が物件を探しているのを知っていたので一緒に内覧に行こうと戻ってくるのを手ぐすね引いて待ち構えていたようです。
偶然、道でバッタリ会ったら、なぜかそのまま不動産屋へ連れていかれ、そしてそのまま内覧という日本では考えられない展開に友人も驚いていました。

2軒目の内覧も同じ日で、こちらも道を歩いていたらバッタリ会った知人からの紹介です。
その人も私が家探しをしているのを知っていたので、ちょっと見てみないかとその足で旧市街に彼女が持つ物件へと連れていかれました。

ブラッチャーノへ来るときは東京からインターネットで家探し。
2度目の家探しは主に口コミを頼ることになりました。

飛び出て見える違法な増築部分
専用バスルームとして後から作られたものでした

こうして半年ほどで10軒以上の家を見たのですが、とても面白かったのでそのうちスピンオフで書こうと思います。





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