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83.アラカンでイタリア暮らしのすすめ

イタリア移住について101項目でまとめるという試み。
最初のイタリア出張から移住、就労用滞在許可証の取得と書き進み、ついに2024年6月現在まで辿り着きました。
84番目以降は移住にまつわるコトの実際編として、もう少し具体的な情報について書いていく予定です。


今年の夏のお客さま

つい昨日まで、ブラッチャーノおひとりさまツアーのお客さまがいらしてたし、2週間後にもまた別のおひとりさまがいらっしゃいます。
以降も数組のご案内が決まっているので、この夏のお客さまはコロナ前と同じぐらいになってきました。

日本でイタリア語を学んでいて毎年のようにイタリア旅をしている方、ブラッチャーノを気に入って再訪される方、インスタグラムを見て暮らすような滞在に憧れていらっしゃる方など、理由は人それぞれ。
おかげさまでこの夏の家賃や生活費などは何とかなりそうです。

引っ越しも視野に

高騰するエネルギー代で航空運賃が上がり、そこに追い打ちをかけるように歴史的な円安です。
コロナが終わるまではなんとか頑張ろうと耐えてきたのに、お客さまが思ったほど戻って来ず、実は秋以降のご予約がまだありません。

私のPRの仕方が悪いのか、お金をかけてしかるべきところへ広告を出したほうが良いのか、はたまた大手旅行会社とタイアップしていくべきなのか、悩んでいますが解決策を未だ見出せずにいます。

そもそも家賃は上がるものの現在の広い住まいに引っ越したのは、日本からの泊まり客を見込んでのことです。
その見通しの立たない今、もっと家賃の安いところへ引っ越そうかとも思案中。

ブラッチャーノで家賃を下げると狭くなるのでお客さまを泊められなくなります。
それなら、もっと家賃の安い辺鄙な場所に引っ越し、現在と同じような滞在プランを続けていくか。

先日帰国したとき、引っ越しについて占い師の友人にタロットを引いてもらいました。
すると、ブラッチャーノに残ったほうが良いと出たのですが、あれから半年、まだ好転の兆しは見えてきていません。

増えるアラカン女子

今年というよりコロナ後からの顕著な傾向として、定年を機にイタリア長期滞在をする方が増えてきています。
60歳で定年を迎えても再雇用契約で働き続ける方がほとんどですが、退職してから再雇用までのタイミングを利用して、仕事を再開させたら難しい1週間以上の旅をする女性たちです。

思うのですけど、イタリア男は本当に女性に優しい。
それは見た目によって変わることなく、アラカン女子であろうが日本で20代だったころに受けたような扱いをしてもらえます。

電車から重いスーツケースを下ろすのにモタモタしていると後ろからサッと若いイケメンが持ってくれたり、ちょっとオシャレして歩いていると「素敵だね」と知らない人からも褒めてもらえたり。
どこかに入ろうとすればドアを開けてくれるし、エレベーターやエスカレーターでは先を譲られるし、いわゆる「お姫さま気分」を日常から味わえるのです。

こうして日本とはまったく違う視線と待遇を受けながら1週間もイタリアにいると、誰でも自己肯定感が上がってくるような気がします。
たとえば私が日本に1週間いると何となく調子が狂ってくるのは、逆に「誰も褒めてくれない」からだということに気づきました。

イタリアに来るアラカン女子が増えているのは、自覚せずとも潜在意識下でこうした体験を求めてのことかもしれないなぁと思っているのですが、いかがでしょうか。

人生100年時代のヒント

今年で58歳、私も晴れてアラカンになりました。
これまで年齢については触れないようにしてきたのですが、それはあまりにおばさんだと若い旅行客に敬遠されるかなと思っていたからです。

それがここ最近なんだか吹っ切れて来まして、さらに『イタリア移住にまつわる101のこと』を書いたことで、逆にこれからは年齢を打ち出していったほうが良いのではないかと思うようになりました。

同世代のアラカン女子や、お元気な70代、80代の方も私のところへ来やすくなるかもしれません。

そもそも私がイタリア移住したときは、すでにアラフィフでした。
世間一般にはその年齢でひとりで海外移住なんて考えられない、周囲の人にどう思われるか、となるかもしれません。
でも、若いときなら耐えられなかったようなことも人生の荒波を経験済みなアラフィフなら大丈夫、ということのほうが移住生活には多いです。

また、年相応の蓄えがあることも大きいでしょう。
これも若い人にはないものです。
それまでの貯蓄や年金など、働かなくても使えるお金があるということは海外移住の心強い支えとなります。

人生100年時代です。
アラカン世代ならこの先まだ40年も生きていくことになります。
これからの40年間をどう生きていくか、というのはアラカン世代共通の悩みでしょう。
その答えを求めて、死ぬまでに1度はイタリア暮らしをしてみる、というのは悪くないと思います。

とくにこれまでの人生で我慢することの多かったアラカン女子には、この国の面白さ、懐の深さをぜひ体験してもらいたいです。
自分の情熱のままに人生を楽しむイタリア人の姿が、きっとヒントを与えてくれるはず。
残りの人生がずっと豊かに面白くなること、間違いなしです。

暮らしてみる期間は決して長い必要はなく、2、3ヵ月で十分でしょう。
なぜなら私はたった1週間のイタリア出張でそれに気づき、その後の人生を変えてしまったほどですから。


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