18.留学中に住んだ4つのアパート
留学中は基本的にアパートを借りてひとり暮らしをしていたのですが、家主の都合で家を空けなければいけないこともありました。
そのため、短期間だけ別の場所へ住むことに。
最初は面倒に思いましたけど、いろいろな体験ができて結果的にはそれで良かったです。
町はずれのアパート
一般的に留学時には、留学先の学校が手配してくれるアパートやB&Bに滞在するか、ホームステイ先を紹介してもらうのですが、私はものすごいご縁があり、日本人家主からアパートを借りることになりました。
その人はダイビングショップのオーナーで、初めてのタオルミーナ滞在時に現地でダイビングをした友人を介して知り合ったのです。
旅行中はタオルミーナで留学することになるとは思ってもいませんでした。
その人がお正月休暇で日本に一時帰国したときに再会、留学のことを話したら、空いているアパートがあるので貸してあげると言われたのです。
詳しい場所も確かめずに日本人オーナーというだけで決めた自分が悪いのですが、そのアパートは学校までバスを使って40分ほどかかる距離にあったのです!
タオルミーナの下にある海沿いの町、ジャルディーニ・ナクソスの町はずれです。
最初は泣きそうでした。
バスの乗り方すらよく分からない、切符も買えない。
ただ、バス停が近くにあったのだけがせめてもの救いでした。
部屋の間取りは広めのワンルームに食事もできる広いテラス付き。
ベッドは一つしかなかったけれど、ソファベッドがあったので人が来たときに泊めてあげることもできました。
いま考えるとクルマさえあれば、良い場所だったと思います。
周りの住人たちも日本人なんて見たこともないという人ばかり。
でも好奇心旺盛ですごくよく話しかけてくれるし、いろんな意味でホントに鍛えられました。
この辺鄙な場所が私のイタリア語力を高めてくれたとも言えます。
もっと町はずれのアパート(5月の1週間)
5月の半ば、1週間ほどアパートを空けなくてはいけないことになりました。
そしてオーナーの持つもう一つのアパートへ仮住まいし、ここではドイツ人の女の子と一緒になりました。
今度のアパートはバス停までですら20分も歩くようなとんでもない場所にありました。
1LDKでの2人暮らし。
1週間だけの私はリビングダイニングのソファベッドが居場所でプライベートスペースはありません。
ただ、同居人のドイツ女子が気を遣うタイプだったので良かったです。
彼女はベジタリアン。
これが私の夕食よ、と言って1週間の滞在中、サラダだけだったのには驚きました。
彼女はドイツ語と英語に、なぜかスペイン語を話せてイタリア語はゼロ。
私はこの時には英語はすっかりダメだったので、カタコト英語に加え、スペイン語とイタリア語でコミュニケーションを取っていました。
意外と通じるんですよ。
なまりの強い方言を聴いている感じで何となく分かるのが新しい発見で面白かったです。
目抜き通りのアパート(6月の2週間)
借りていたアパートは期間中に住めないときが何回かあると言われていたので、あらかじめ学校に場所探しをお願いしてありました。
せっかくなので前半はホームステイ、後半は学生共同アパートです。
2週間だけのホームステイではどんな家族と一緒に住むことになるのか想像をふくらませていたのですが、実際にお世話になることになった家は60代女性のひとり暮らしでした。
タオルミーナの目抜き通り、コルソ・ウンベルトに面したアパートです。
2LDKのうちのひと部屋が私の居場所となりました。
話に聞いてはいたのですが、2週間のホームステイ中は本当に毎朝、同じものが出てきました。
ほんのり甘いパン、バター、ジャムに、エスプレッソコーヒーとレモンスライスの添えられた紅茶です。
初日に聞かれて私は紅茶を希望したのですが、カフェラテを希望すればそれが用意されたのでしょう。
どの部屋もきちんと整えられたうえ、美しく飾られています。
ものは多いのですが全体的にトーンが揃っているのでそんなにゴチャゴチャした感じはなく、ものすごく居心地が良かったです。
海を臨む絶景アパート(7月の1ヵ月間)
7月のまるまる1ヵ月は学生共同アパートを契約しました。
とはいえ何人かで住むのではなく、2人だけなうえバスルームも別々。
共有スペースはキッチンとリビングダイニング。
そしてアパートが坂の上のほうにあったので、張り出したテラスからは真っ青な海を一望!
絶景テラス付きというまたとない好物件でした。
しかし同居人は男性だったのです!
人生で初めて男性との2人暮らしを体験しました。
最初の同居人はスペイン男子。
スイスのマーケティング会社にお勤めで2週間の短期留学でした。
彼とは1週間一緒に住んだのですけど和食が好きだというのでいろいろ作ってあげたらお箸も上手に使いこなして驚く。
ものすごく紳士でスマートで大人で私の中のスペイン人のイメージが変わりました。
2人目の同居人はドイツ男子なんですけどイタリア人とのハーフ。
3週間一緒に暮らしたのですが、これが問題児でねぇ。
エピソードがあり過ぎてここには書けず。
というか、彼だけでなく、いつか同居人たちとのさまざまなエピソードをスピンオフで書きたいです。
ドイツ男子は一言で言うと弟のような存在でした。
私が先に出て行ったのですが、次の週に学校で会ったとき「Yumi!探したんだよぉ。どこ行っちゃったんだよぉ。Yumiと一緒のほうが良かったよぉ(涙)」と、かわいいことを言ってました。
どうやら後から入居したスイス女子2人組と反りが合わなかったようです。
彼が学校を去る日に分かったのですが、実は弁護士だったらしい!
別れ際、困ったことがあったらいつでも言えと言われましたけれど、果たしてこの先の人生でドイツで弁護士が必要になる日が来るのでしょうか。
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