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短編小説集

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3秒で書いて3秒で読めると評判の脳を無にして書いた「無脳シリーズ」をまとめたよ!
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#小説

さわやかドラマ「無脳シリーズ」第10話〜夏の表紙〜

さわやかドラマ「無脳シリーズ」第10話〜夏の表紙〜

3秒で書いて3秒で読めると話題の無脳シリーズ。今回は、昔の恋が忘れられない女の子が図書館に行く話です。

アミはよく、街の高台にある図書館に向かう。住宅街から坂を上がると、中くらいの公園があって、カラフルな丸いジャングルジムから、子供たちの声が聞こえる。アミは、上水沿いの小道を選んで、正解だったな。と、はにかんだ。もう少し行くと、狭い並木道。若草色の葉っぱから、木漏れ日が降り注ぐ。アミはこの道

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ぷかぷかドラマ「無脳シリーズ」第9話〜りこのおしっこ。〜

ぷかぷかドラマ「無脳シリーズ」第9話〜りこのおしっこ。〜

3秒で書いて3秒で読めると話題のドラマ「無脳シリーズ」。今回は女の子とお風呂のお話です。18歳未満は変な性癖がつく可能性があるので慎重に読んでください。

りこはお風呂でおしっこをする。お湯を止め、湯船に浸かった瞬間、今までこれっぽっちも無かった尿意が、一気にりこの頭を支配する。脳みその鎖を解いてやると、ジュワッと、黄色い粒子が扇状に広がり、「これがアンモニアか」と、気づいた時には、溶けてなく

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なつかしドラマ「無脳シリーズ」第五話〜ペイブメントは、夜更の通り雨。〜

なつかしドラマ「無脳シリーズ」第五話〜ペイブメントは、夜更の通り雨。〜

「ユウサク、おはよう!」おれを下の名前で呼ぶ女子は、ミズミだけだ。おれがたまに陸上部の朝練に行くと、下駄箱で出会う。ミズミはいつも、そのときは、吹奏楽部の大きなカバンを持っている。「うん。」
チラ、とミズミを横目に見て、決して「おはよう」とは返さない。それは恥ずかしいからじゃない。そのままおれは校庭に駆け出す。

「ユウサク、今日はコンビニ寄って帰ろうぜ。」「あー、いいよ。」
もう冬だ

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ほんわかドラマ「無脳シリーズ」第一話 〜ミルクをつくる〜

ほんわかドラマ「無脳シリーズ」第一話 〜ミルクをつくる〜

脳を無にして書いた、3秒で書き3秒で読めると話題のドラマです。

「みて!私をみて!!私だけをみて!!!」
あやこは叫んだ。叫んだ瞬間、長年蓄積されていたあやこの胸のつかえが、スコン!と音を立てて、取れた気がした。25歳。はたから見れば、まだまだこれから、未来のある女。
あやこは決してバカではなかった。人並みの恋愛経験もしており、大学も、一留したが、まぁ、出た。家族も人並みに優しく、友人も

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