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けがれた者達の歌 冬景

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冬の季節に書いた 冬の詩と物語の在り処 #雪ん子 #お化けの子 #妖 #柊 #白い狼
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#戯言

黒い猫

黒い猫

闇や雲に姿を隠し
其の姿見えず。

何時、姿を現すか分からず、
見上げたままで
じっと、待つ。

我慢出来ずに
其の名を呼んで
高い声で鳴いてみる。

遠く迄、届くのか
届かないのか
分からないけれど

黒猫

黒猫

風の無い日には
家の屋根に登る。

上を見上げて

空に向けば、瞳は空色に

陽に向けば、瞳は陽の色に

海に向けば、瞳は水色に

月に向けば、瞳は月色に

変わっているのかな?

鏡で自分の瞳を
覗き込めば
此の黒い身の内に隠した
心の色が
何色か見えるのかな?

猫と花

猫と花

何度でも
何度でも辿り着けず

何度でも
何度でも
爪を折り脚を怪我しても
辿り着けない

高い木の
細い枝の先に有る花

手を伸ばしても届かず
身を乗り出すと
足から滑り堕ちた

地上から
花を見上げると
凛と咲く花

瞳の中に其の花を捉え様と
ただ、ひたすら
花を見上げる

猫

僕が月を見ている訳を
知ってるのかな?

木から降りれなくて
「失敗した」と思った時も

爪で自分を傷付け
「痛い」と思った時も

お気に入りの玩具を壊して

「悲しい」と思った時も

月を見る度に

「あぁ、綺麗だな」って

見惚れてしまって
落ち込んだ気持ちが
消し飛んでしまい

「なぁんだ。今日の不運は
大したこと無いや」と
思うからだ。

言葉

言葉

言葉は
良くも悪くも
意味を変える事が有って

印象次第では
良くも悪くも
意味が分らない

あれは
拒絶の言葉だったのか?

と、思い

「不愉快でゴメン」

と言うしか無い

指先 ②

指先 ②

頬に触れさせようとした
手には鋭い爪

笑顔の頬を撫でる前に
其の頬に
赤色の線が走る

僅かな血の匂いに
思考を狂わされ

初めに噛み付くのは
喉元からか?

此方を見てる
目玉からか?

未だ触れたままの
指先からか?

閉じていた口から
牙を覗かせ唸る

指先 ①

指先 ①

闇の中に居て
醜さを隠そうとする者に
触れようとする者がいる

頬に触れようとするから
つい、
白い指先を掴んだ

其の指先は
掴んだ手を取り
白い指先で
手の平の線を辿る事で
此方の感情を読もうとする

そして不敵に笑い
其の指先は
手を笑顔に変わった頬に
触れさせようとするのだ

続き⤵️

雨の夜

雨の夜

今宵は雨

こんな夜に
雨に濡れても
気にせずに蠢き出す

雨が足音を消す

夜が姿を隠す

行き先は
負の感情を抱える
人間の所

暗がりの影の中から
人の様子を伺い見る

闇夜に潜む
物言わぬ小さき蠢くモノ共は
悪意の種を植え付ける為に
人の心に
聞き耳を立てて居る

降った雨に反射して
地面に
物言わぬ小さき蠢くモノ共の姿が
薄っすらと見えている

其の姿は
薄気味悪く笑う人の顔

悪意の鬼 ①

悪意の鬼 ①

他人を怨む事で
気が晴れる訳では無い

不愉快な気分が
抜け切れず
心の中に渦巻く
ドス黒い感情が湧き出し

気が付けば
悪意に手を染めた

血に染まった
手は綺麗にはなら無いと、
我が手を見て居ると

「お前も鬼になるか?」と

妖艶な鬼の誘い

続き⤵️

鬼 ②

鬼 ②

甘美な毒から
抜け出せず

未だ囚われたままの
此の身では

鬼の其の心に
私の言葉は届かぬか?

物言わぬ
虚ろな瞳でも
此の身の奥には
消せぬ火を隠し持ってる

前⤵️

チョコ

チョコ

チョコに

今の想いを

詰め込めれる訳では無いけど

此の心が甘くなる程に

此の心が蕩ける程の

気持ちを持ってる事を

伝われば良くて

食べる事で

チョコの甘さが

其の心を甘くなる程に

其の心が蕩ける程の

気持ちになれればと思うのだ

レシピ

レシピ

甘さの度合いは
脳に響く程に
甘くなれば良いのにと思うも
そうはならず

酔わせるなら
思考が麻痺する程に
酔わせてみたくても
そうはならない

華やかさより
自分好みの
深みや濃さを
詰め込み過ぎだ

其れでも
歪でも
形にしてみる

闇夜の獲物狩り

闇夜の獲物狩り

闇夜を裸足で歩き
葉の無い木の上で
獲物の隙を伺ってた

獲物は
怖がる素振りも見せず
興味深そうに
此方を見る

獲物が好奇心で

「私が獲物を狙う理由」を

知りたがっている様子に

獲物の瞳を
見つめ問うてみる

「だったら、
私の心臓を
喰ろうてみるか?」と、

死神

死神

命を刈り取る者と
命を刈り取られる者

標的となった人間は
目が見えていない

だから
私が死神だと気付かない

私は気まぐれに会話する

標的は話掛けて来る

話す事は
他愛のない事だ
何時もの場所での事

標的と話している内に
目に私が映って居ない事が
気に入らない

だからかな…

標的である筈の人間に
私の目を
くれてやっても良いか

と、思うなんて

お前の命を
狩り取れぬなら
代わりの

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