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素材を知る-小麦粉編-

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フランスにおいての小麦粉

フランスにおいての小麦粉

日本での小麦粉は、

大きく4種類に分けられていることは

以前の記事でも紹介しました。

しかし、製菓の本場である

フランスでは分類方法が全く異なります。

日本では、「タンパク質の含有量」が

基準とされていますが、

フランスでは「灰分」の量をもとに

分類されます。

◇小麦の灰分とは?

灰分は簡単に言うと、ミネラル(無機質)のことです。

日本ではこの灰分量をもとに小麦粉の等級付けが

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日本 輸入小麦の銘柄とその輸入国

日本 輸入小麦の銘柄とその輸入国

◇輸入小麦の銘柄様々な種類がある小麦粉ですが、

「胚乳の硬さ」「種粒の色」「栽培時期」によってさらに

分けられます。

輸入小麦の「銘柄」はこの分類らと「産地名」
を組み合わせたものです。

例えば、

「初夏に収穫」する「アメリカが産地」の「赤色」の「軟質小麦」は、

「アメリカ産ソフト・レッド・ウィンター」

と呼ばれます。

◇小麦の輸入国
現在、日本の小麦の自給率は約13%。

需要量

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「乳化剤」がパンやお菓子を美味しくしてくれている?

「乳化剤」がパンやお菓子を美味しくしてくれている?

◇そもそも乳化剤って何?「乳化剤」は言わば、

「水と油をつなげてくれる物質」です。

本来、「水」と「油」は混ざりません

たとえ2つを合わせて、激しく攪拌したとしても

時間が経つにつれてまた分かれてしまいます(分離)

しかし、「乳化剤」を使用すると、

水と油を混ざり合った状態にできるのです。

これは「乳化剤」が、

親水基(水になじむ箇所)

親油基(油になじむ箇所)

2つが合わさる

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やや効率的にシュー生地を作る

やや効率的にシュー生地を作る

◇デセシェは本当に必要なのか?○そもそもデセシェとは?

デセシェは「再加熱」と言う意味で

シュー生地を作る際に行う工程です。

シュー生地は沸騰した水とバターに、

小麦粉を一気に加えて混ぜ、

全体を「糊化」させることが重要なのですが、

混ぜたあとに再度火を入れて、「糊化」を

十全なものにします。これがデセシェです。

お菓子の本などには、ほぼ必ず書かれており、

よく「鍋底に薄く膜が張

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カスタードクリームと小麦粉のデンプン

カスタードクリームと小麦粉のデンプン

◇加熱によって変化する糊化の状態

①炊き始め

小麦粉を混ぜた後、カスタードクリームに

火を通しつつ温度を上げていくと50℃あたりで

デンプンによる粘りが出始めます。

そして95℃に達した時、その粘りは

とても強くなります。

ここまでで「糊化」は十分に出来てはいますが、

カスタードクリームの場合、ここで火を止めては

いけません。

この段階で、クリームを火からおろして冷めると

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「デンプン」の性質② 「老化」

「デンプン」の性質② 「老化」

◇長時間放置したスポンジ生地焼成してすぐ後の、スポンジ生地やパンは

ふっくらとやわらかい食感であるのが特徴です。

しかしこれらを長い時間放置すると

乾燥させたわけでもないのに

少しずつパサパサとした硬い状態になってきます。

これは

デンプンの「老化」

と言われる現象が起きるためです。

◇デンプンが老化する流れ「老化」は2種類のデンプンである

「アミロース」と「アミロペクチン」によ

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*グルテンフリー バスクチーズケーキ レシピ

*グルテンフリー バスクチーズケーキ レシピ

これまで「小麦」に関連した記事ばかり

でしたので逆のアプローチ。

「小麦粉不使用」お菓子のレシピ提案です。

◇チーズケーキにおける小麦粉小麦粉は生地全体のつながりや骨格を

作る役割があります。

ただ、チーズや卵にも凝固力があるので

最低限の配合量で加えられます。

◇小麦粉の代わりに今回紹介するレシピでは

小麦粉の代わりにコーンスターチを使用します。

コーンスターチはトウモロコシか

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「デンプン」の性質① 「糊化」

「デンプン」の性質① 「糊化」

◇「糊化」って何?「糊化」の仕組みについて説明します。

小麦粉に含まれるデンプンである

「アミロペクチン」は、ブドウ糖が束になった

ような構造をしており、

最初は硬く閉じたような状態でデンプン粒の中に

入っています。

ここに、「水」と「熱」を与えてあげると

このブドウ糖の構造が「熱」によって緩み、

その隙間を「水」の分子が入り込んで

大きく膨張します。

このアミロペクチンの膨張

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小麦粉の「デンプン」

小麦粉の「デンプン」

◇小麦に含まれているデンプン小麦粉の約70%以上は、

「デンプン」で構成されています。

デンプンは分散して含まれてはおらず

小麦粉の元となる小麦の「胚乳」の部分に

「デンプン粒」というデンプンを貯蔵する袋が

あり、その中に溜め込まれています。

小麦の他には米やじゃがいもなど

様々な植物に含まれているものですが

種類によって、その形や大きさは変わります。

またデンプンは、

アミロ

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グルテンを休ませる

グルテンを休ませる

◇練った生地内のグルテンまず、グルテンの中では

生地の粘弾性の元となる「グルテニン」が

たくさんつながって、バネの束のような構造を作っています。

生地を練ったり、伸ばしたりすると

このグルテンのバネの束同士が

絡み合ったり、引っ張られたりしながら

このバネが限界まで引き伸ばされた状態になります。

これは本来、規則正しい網目状の構造を

作っていたグルテンが

力を加えたあらゆる方向に

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小麦粉を入れないスポンジ生地

小麦粉を入れないスポンジ生地

◇サンファリーヌ実を言うとパティスリーでは小麦粉使わない

スポンジ生地はよく用いられます。

ビスキュイ・サン・ファリーヌ
biscuit sans farine

と呼ばれるスポンジ生地はフランス語で、

「粉がない」( sans[~なしで] farine[粉] )

という意味です。

プレーンなものよりもココアやチョコレートを加えたものが多く見受けられる気がします。

◇検証に使用する

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グルテンの役割 スポンジ生地編

グルテンの役割 スポンジ生地編

◇スポンジ生地における
「グルテン」の役割

グルテンがスポンジ生地にもたらす主な役割として

焼き固まり、生地の繋がりとなる

ふくらんだ生地を支える

ソフトな弾力を与える

以上3つの要素があります。

スポンジ生地の断面をみると、細かい穴がたくさんありますが、これは泡立てた卵が焼き固まったためにできた空洞です。

そして小麦粉を加えた際にその穴の周りを固めて、

ボディを作り出すのが小麦粉

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グルテンに影響を与える材料

グルテンに影響を与える材料


◇グルテンに影響のある材料と作用
以下で紹介する食材は、

小麦粉の「グルテン」に作用することで、

作るお菓子の出来上がりにも変化をもたらすものです。

○硬化する食材

⚫︎食塩

⚫︎ビタミンC

○軟化する食材

⚫︎酸(レモン汁、食酢)

⚫︎アルコール

⚫︎液状油(サラダ油など)

○弱化させる食材

⚫︎砂糖

⚫︎固形油脂(バター、マーガリン、ショートニング)

※bitesj

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小麦粉の違いがお菓子に与える変化  ティラミス編

小麦粉の違いがお菓子に与える変化  ティラミス編

◇ティラミスというお菓子ティラミスはイタリア発祥のデザートです。

諸説ありますが、

1960年代のヴェネツィアで誕生した言われている

実は割と新しいデザート。

名称は、

「私を上へ引っ張って」=「私を元気づけて」という意味。

日本でも1990年代頃に一大ブームが起こり、

気軽に購入出来るようになった今現在でも

人気のあるスイーツの一つです。

◇レシピ以下のレシピは、現在私が試作を

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