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渋沢栄一に浸る10日間 Vol.7📖「目の前の成功や失敗に囚われるな」

インソースでは現在、“偉人の金言” を基にした研修 を開発しております。 その開発過程で心に残った偉人の金言を特選し、3月からこちらのnoteで配信中です。

第1周目として取り上げている人物は「渋沢栄一」。数分で読んでいただけるシリーズとして、全10回ほどの配信を予定しております。ぜひお楽しみに。(語り手は、日本古代史にお詳しい弊社の “小林さん” です👓)

渋沢栄一に浸る10日間 Vol.7📖「目の前の成功や失敗に囚われるな」

「成功や失敗のごときは、ただ丹精した人の身に残る糟粕(そうはく)のようなものである」(渋沢栄一『論語と算盤』角川文庫p311) 

この言葉は、「成功や失敗のようなものは、ただ精一杯頑張った人の身に残る『粕(かす)』のようなものである」という意味ですが、渋沢がこの言葉で言いたいことは、「現代の人の多くは、ただ成功とか失敗とかいうことのみを眼中に置いて、それよりもモット大切な天地間の道理を見ていない」(『論語と算盤』p311)ということだと思います。

さらに渋沢は続けて、

「道理は天における日月のごとく、終始昭々乎(しょうしょうこ、明るく照り輝いている)として豪(ごう、少しも)も昧(くら)まさざるものであるから、道理を伴って事をなす者は必ず栄え、道理に悖(もと)って事を計る者は必ず亡ぶることと思う。一時の成敗(成功と失敗)は長い人生、価値の多い生涯における泡沫(ほうまつ)のごときものである。しかるにこの泡沫のごときものに憧憬(あこが)れて、目前の成敗のみを論ずる者が多いようでは、国家の発達進歩も思いやられる。
(中略)
苟(いやしく)も事の成敗以外に超然として立ち、道理に則って一身を終始するならば、成功失敗のごときは愚か、それ以上に価値ある生涯を送ることができるのである。況(いわ)んや成功は人たるの務めを完(まっと)うしたるより生ずる糟粕たるにおいては、なおさら意に介するに足らぬではないか」(『論語と算盤』p313))

ということを言っています。

目的を達成するために一生懸命やってきた、そういった行動やプロセス自体が何事にも代え難い経験であり、それに比べれば、成功や失敗という結果そのものは大したことではないので(渋沢は敢えて「糟粕」という極端な言い方をしている)、そうしたことに一喜一憂せず、自分が正しいと信じる道(道理)を貫き通してほしいというのが、渋沢のメッセージなのです。

一つのことを成し遂げるために頑張れる人間は、きっと素晴らしい人生を送ることができる! という渋沢から現代のビジネスパーソンに対するエールとして受け取りましょう。――

在宅勤務社員イシハラの感想

日本古代史の研究を14年経験され、現在はメディア事業部の責任者である小林さんが綴る、「渋沢栄一に浸る10日間」 Vol.7。

今回の金言に触れ、私が真っ先に思い出したのは “中学生時代の運動会” でした。主体性を重んじていた母校では、運動会というビッグイベントについても生徒達で作り上げる部分が多く、その実行委員会に属していた私(当時勇気を出して立候補した)は、毎日遅くまで先輩に指導いただきながら企画の発表・出し物の準備・当日の練習などに奔走していました。

頑張った甲斐もあり、当日「出し物」の分野で私達のチームは優勝できたのですが……その結果よりも、大きなイベントを生徒の力で運営した過程や、内向的な自分が様々な関係者・先輩方と関われた体験に胸が震えたのを覚えています。

社会人の今も、たまに思い出して勇気を貰っているエピソードです(一言感想のつもりが、ちょっと長くなってしまいました)。

以上、4月13日の「渋沢栄一に浸る10日間」シリーズでした。残すところあと3回。ぜひ、最終話までお気軽に覗いていただければ幸いです☕


▼渋沢栄一の金言に学ぶ研修もできました

▼「渋沢栄一に浸る10日間」他の回はこちら

📖Vol.1 「争いを恐れるな?」

📖Vol.2 「大きな仕事は細かい仕事の積み上げ」

📖Vol.3 「目先のことばかりにこだわらないで」

📖Vol.4 「智恵・情愛・意思」

📖Vol.5 「趣味をもって仕事をする」

📖Vol.6 「完全な成功とは」

📖Vol.8 「親が子に孝行をさせる」

📖Vol.9 「立志の要」

📖Vol.10 「《最終回》溌剌たれ!」

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