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渋沢栄一に浸る10日間 Vol.9📖「立志の要」

インソースではこの春から、“偉人の金言” を基にした研修 を開発しております。 その開発過程で心に残った偉人の金言を特選し、こちらのnoteで配信中です。

第1周目として取り上げている人物は「渋沢栄一」。数分で読んでいただける本シリーズも、第9回(全10回更新)といよいよ大詰め。

語り手は、日本古代史にお詳しい弊社の “小林さん” です👓 ぜひお楽しみください。

渋沢栄一に浸る10日間 Vol.9📖「立志の要」

「立志の要はよくおのれを知り、身のほどを考え、それに応じて適当なる方針を決定する以外にないのである」(渋沢栄一『論語と算盤』角川文庫p75) 

この言葉は、「立志する(志を立てる)上で重要なことは、自分のこと(性格・健康・知識・能力など)を知り、身のほど(経済力)を考え、それに応じて適切な方針を決定すること以外にはないのである」という意味です。

志について渋沢は、「われわれ凡人は志を立てるに当たっても、とかく迷いやすいのが常である」とした上で、立志のコツとして、

「その工夫としてはまず自己の頭脳を冷静にし、しかる後、自分の長所とするところ、短所とするところを精細に比較考察し、その最も長ずる所に向って志を定めるがよい」(『論語と算盤』p73)。

と言っています。

渋沢もやはり、短所はいったん置いておいて、もっとも得意な所を伸ばす形で志(=目標)を立てた方が良いとしています。

またそれと同時に、

「自分の境遇がその志を遂ぐることを許すや否(いな)やを深く考慮することも必要で、例えば、身体も強壮、頭脳も明晰であるから、学問で一生を送りたいとの志を立てても、これに資力が伴わなければ、思うようにやり遂げることは困難であるというようなこともあるから、これならばいずれから見ても、一生を貫いてやることができるという、確かな見込みの立った所で、初めてその方針を確定するがよい」(『論語と算盤』p73)

としています。

渋沢は立志する上で、「身体・頭脳とともに境遇・資力があり継続できること(持続可能なこと)」ということも重要なファクターであるとしています。

これはおそらく渋沢が、自分は親の理解があり経済的に恵まれたことで好きな道を歩めたが、実力はあっても経済力がなく花が開かなかった人間をたくさん見てきた所から出た人生観だと思いました。――

在宅勤務社員イシハラの感想

日本古代史の研究を14年経験され、現在はメディア事業部の責任者である小林さんが綴る「渋沢栄一に浸る10日間」 。

自分のことを見つめると短所ばかりがぱっと浮かんでしまう私ですが、「まずは長所を伸ばす形で目標を立てた方が良い」という一節には勇気を貰いました(自分の長所とは? と迷宮入りしがちな点はさておき……)。

また、立志する際には「持続可能なこと」も重要な要素であるというお話、納得です。

「目標は高ければ高い方が良い!」というお話もよく見聞きしますが、無茶がすぐに体調に響いてしまう自分なんかは、まずは自身の力量や環境に適した目標を立て、実現可能な努力と環境整備を続けていくことが向いていそうです。渋沢栄一節(ぶし)、推してまいります。

以上、「渋沢栄一に浸る10日間」Vol.9でした。

次回ラストは4/23(金)に更新予定です。ぜひ、最後までお気軽に覗いていただければ幸いです☕📖 いつも足を運んでくださり、ありがとうございます。


▼渋沢栄一の金言に学ぶ研修もできました!

▼「渋沢栄一に浸る10日間」他の回はこちら

📖Vol.1 「争いを恐れるな?」

📖Vol.2 「大きな仕事は細かい仕事の積み上げ」

📖Vol.3 「目先のことばかりにこだわらないで」

📖Vol.4 「智恵・情愛・意思」

📖Vol.5 「趣味をもって仕事をする」

📖Vol.6 「完全な成功とは」

📖Vol.7 「目の前の成功や失敗に囚われるな」

📖Vol.8 「親が子に孝行をさせる」

📖Vol.10 「《最終回》溌剌たれ!」

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