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植物に輪廻する世界を体験する「RingNe」を紐解く①/構造編

前作『KaMiNG SINGULARITY』に続く、新たな体験作品「RingNe Festival(リンネフェスティバル)」が今年から始まります。

これは人が植物に輪廻する世界を描いた物語。

2023年から2025年まで、神奈川県南足柄市を舞台に展開していきます。


企画背景

原生林にひとり佇んでいる時、老木に手を触れる時、いずれ自分もこうなっていくのだなぁという直感を昔からもっていました。樹木が、自分たち人間の身体の地続きにあるような感覚がありました。

科学的な根拠があるわけではないのですが、この着想はいずれ物語にして拡張して、それがどういうことなのかを見てみたいと思っていました。そうして時が経ち、生まれた小説が『RingNe』です。

 『RingNe』を書く中で、植物の生命感覚だとか、森の在り方とか、植物の世界には今の人間社会がもっと生きやすくなるヒントがたくさんあることに気づきました。

僕らにとって植物は揺り籠から墓場まで命を共にするかけがえのないパートナーであり、生命観や社会を学ぶ大先輩でもあります。

体験作品「RingNe Festival」は小説『RingNe』の世界を通して植物たちと出会い直し、より巡れ、より祝え、より美しいHuman Beingや社会の形を想像し、実践できる場として企画しました。

体験作品とは何か

体験作品とは仮想の世界の物語を、現実の世界で体験できるように開く作品の形式です。具体的には「小説」と「フェスティバル」という形でアウトプットされ、小説(想像世界)とフェスティバル(現象世界)が相互干渉しながら同時に作り上げられていき、夢と現のあわいとなる世界を現します。

過去作品はアメミヤのポートフォリオHPを参照

下記のラジオでも一人語りしております。

RingNeについて解説していきたいと思うのだけど

小説を書き始めたのがだいたい2021年の冬ごろ、フェスティバルの制作が始まったのがだいたい2022年の秋ごろ、今回「植物」がテーマなだけに小説も、フェスティバルも、森のような生態系をつくろうと思っていまして、既に情報量が森の如しです。

これを1つの記事にまとめると何も伝わらず終わってしまうのではないか・・・ということで「植物に輪廻する世界を体験するRingNeを紐解く」と題してこれから全8回に分けて連載の形式を取ることにしました。
下記のように展開予定。

1、構造編
2、物語編
3、制作運用編
4、コンテンツ編
5、出店者編
6、開催地編
7、総集編

番外編も途中でいくつか挟まるかも。

まずは企画の大枠から

RingNeは3年間続く体験作品ですが、プロジェクトいう側面で見るとわかりやすいと思うのでこちらをシェア。

詳しくは次回の制作編で紐解きますが、RingNeはRingNe DAOというDAO(不特定多数が入り混じる自立分散型組織)を制作チームとして開き、内部ではフェスティバルの制作のみならず、様々なサークル活動や研究開発が営まれています。

RingNe DAOの住民はRingNe Forestというメタバースの森と南足柄にある実際に借りている土地を自由に使うことができます。DAOの住民はそれぞれにビオトープ(性質/役職/趣味を掛け合わせたもの)を持っていて、主にメタバース上で想像、企画しながら、現実世界に創造、制作していきます(この辺りのRingNe用語は制作編で詳しく解説)

RingNeの運営構造をざっくり絵にしたもの

外から見ると年に1度咲く花(フェスティバル)だけがRingNeのように見えますが、土中(内部)では日々様々な活動が営まれています。多様な人々が様々な系を越境し関わり合うことで、自然と生態系が発達し、その結果として年に1度フェスティバルという花を咲かす栄養分となっていきます。

RingNeはハレとケのあるプロジェクトでありエコシステムでもあり季節でもあり、現実世界と物語の世界との量子的かさね合わせの状態にある時空間ともいえます。

分かりづらいと思うのですが、まだ分かりやすく収斂させられないフェーズでもあって(自然とはつまりわからないということである)例えば安部公房の小説を読むように、わからないけどなんか面白い、みたいな感覚でお付き合いいただけますと幸いです。

RingNe Festivalについて簡単に紹介

RingNe Festivalは仮想と現実が入り混じる体験作品です。アメミヤが書き下ろした仮想の世界の物語を現実世界でフェスティバルとして具現化します。参加する人々は物語の世界を仮装し想像の世界を身体的な体験として共同創造します。

今はまだ存在しないSFの世界を仮想体験することで、身体的な感覚から未来に着想を与えより本質的で幅広い選択肢のそうぞう(想像/創造)機会を最大化します。

体験小説はフェスティバルという開かれた文化の器を用いて遍く人々のそうぞうを歓迎し、未知という究極のエンターテイメントの享楽と共に持続可能な文明のために、そうぞう力という土壌を耕す営みです。

物語は2044年から2046年までの時間が流れていて、それぞれの年に現実となるフェスティバルの様子が描かれています。2023年は2044年のフェスを現し、2024年は2045年のフェスを現しという感じで、今と未来がシンクロしながら上図のようなスケジュールで開催していきます。

会場は神奈川県南足柄市「夕日の滝」とその一帯。金太郎の産湯に使ったとされる滝で、辺りの山もまさかり担いだ金太郎が動物たちと遊んだ豊かな自然が溢れています。

物語やコンテンツはこの土地に伝わる金太郎伝説とも紐付いていて、植物と人間とAIと南足柄という土地が時間を超えて混ざり合い、クロスオーバーフィクションとしての小説とフェスティバルが立ち現れます。

ソーシャルフェス®︎という観点

ソーシャルフェス®︎とはSDGsそれぞれのゴールが終わった後の世界をフェスとして現すフェス作りプロジェクトの名称です。これまでOzoneとしてSDGs15.7の後の世界「Neo盆踊り」やSDGs12.3の後の世界「Mud Land Fest」など制作してきましたが「RingNe」はSDGs13.3の後の世界に当てはまります。

RingNeはただ祭りを催すのみならず、植物と人間の新たな関係を思索する試みです。RingNeで描かれているのは、気候変動の課題が達成されたあとの世界。

その世界での植物は人の成れ果てであり、丁重に扱うべき輪廻転生の器です。人が死んだら植物になる、という仮想の設定を現実世界にインストールしてみると何が起こるでしょうか。

例えば、農薬の使用量が減り有機野菜のマーケットが拡大するかもしれません。森林保全が加速することで森の生態系が回復し、土砂災害が減り農作物の獣害被害も減るでしょう。火葬一辺倒ではなく堆肥葬という自然の生態系と循環する新たな葬り方が合法化することで、森を使った新たなビジネスモデルが生まれ、より持続可能な共生関係が開発できるかもしれません。

国土の7割ほどを占める森林国家の日本が、植物と如何に向き合うか考え続けることは非常に大切なことです。植物と共に生きてきた我々の文明のこの先を見つめ直しながら南足柄の森と関わり、ハレの場としてのフェスティバルのみならず、日常においても参加者を招き、森林保全活動や森を学ぶワークショップなど、人と森の繋がりをそうぞうする機会を創出していきます。

RingNe展開図

作中では人類から植物へ移行する量子情報変換(通称:量子サイクル ※作中の造語)まで扱っている他、体験作品としても時空を超えているので2次元平面図で表すのは難しいのですが、言葉の力を借りて平面に落とし込むとこんな感じの構造になっています。

これがこう、連なって最終的に円環するわけですね。

ちなみに「RingNe」というタイトルには下記のような意味が込められています。

・輪廻(仏教)
・カールフォンリンネ(植物学者)
・リィンカーネーション(再生)
・リン・音(風鈴の音)
・Ring(円環する)Ne(根)
・Ri(Re:再び)ng(否定する)Ne(元素記号:ネオン:ギリシャ語の「新しい」を意味する「νέος(neos)」に由来する)

風鈴の音とは風の音であり、風はたびたびあの世からの声として届けられます。植物という生と死のあわいに現象する生命への輪廻を通して、私たちは再生します。しかし意識できる円環という新たな生命感覚に私たちは再び否定する・・・

あまりいうとネタバレになってしまうので、詳しくは小説へ、ということで。

RingNeが関わる様々な事象について

混沌系とも言えるこの複雑な企画が干渉している、あるいは今後干渉し得る出来事について、列挙します。

・エンターテイメント:大自然の滝で催す野外フェスティバルとしての楽しさ

・アート:人が植物に輪廻するという仮想世界を体験する作品(わかりやすくアートと書きましたが本当はこれもエンターテイメントの領域内としたい)

・地域活性:南足柄への来訪者及び関係人口の創出、宿泊、交通機関の利用による経済効果。街の人々を制作メンバーに巻き込むことによるシビックプライドの醸成。

・組織開発:森を参照したDAOで制作するフェスティバルという例を見ない事例の創出。

・環境保全:気候変動による課題が終わった後の世界の体験という仮想未来の引力による行動の創発及び、山との関わりを見つめ直すツアー、WSの定期実施

・葬い:堆肥葬やエミュレーションといったオルタナティブな葬いの形を知り、仮想体験することで、新たな葬いの選択肢が広がる

・テクノロジー:植物の声を聴く楽器の開発や、シアノバクテリアのプロジェクションマッピングなど、植物の世界をよりダイナミックに現す技術開発

・フェスティバル:森の生態系を参照した新たな運営方法の開発により、過負荷層の負荷分散及び、ステーキングという新たな資金調達方法による新たなフェスづくりの開発

・社会:コンセプトの引力で全国津々浦々より引き寄せられた不特定多数の人々による3年間の電脳仮想社会実験

・小説:実際に場に現しフェスティバルとして体験を開くことを前提にして書かれた体験小説という新ジャンルの開発

まとめます

【企画】
・人が植物に輪廻する世界を描き体験する体験作品であること。
・SDGsそれぞれのゴールが達成された後の世界をフェスティバルとして企画制作するソーシャルフェス®︎プロジェクトであること。
・持続可能な文明のために、より本質的な未来の選択肢のそうぞう(想像/創造)機会を最大化し、そうぞう力という土壌を耕す営みプロジェクトであること。
・2023年〜2025年まで3年間、南足柄市を舞台に実施するプロジェクトであること。
・仮想と現実が入り混じる体験作品型フェスティバルであること。
・参加する人々が今はまだ存在しないSFの世界を仮想体験できるプロジェクトであること
・想像の世界を身体的な体験として共同創造するフェスティバルであること。
・身体的な感覚から未来の選択肢に着想を与えるプロジェクトであること。
・体験作品=フェスティバルという開かれた文化の器を用いて遍く人々の創造を歓迎するプロジェクトであること。
・未知という究極のエンターテイメントの享楽をもたらすプロジェクトであること。
・DAOによって運営されるプロジェクトであること。

【テーマ設定】
・私たちが生態系の一部として、どのような役割を持つことができのか大きく問われている今を背景としたプロジェクトであること
・植物と人間の新たな関係を問い直し、持続可能な社会の施策を広げるプロジェクトであること。
・気候変動の課題が達成された後の世界が舞台であること。
・植物という生命をもう一度見つめなおすことで新たな生命観を発見できるかもしれないプロジェクトであること。
・植物のまなざし方をエンターテイメント的に変容させてみるインパクトを与えるプロジェクトであること
・生命の三幕構成をより情緒的に更新するプロジェクトであること。

【効果】
・エンターテイメントを通して幅広い層に新たな生命観への思索を広げるプロジェクトであること。
・物語を通して深く世界観に没入し主体的に未来を考えるきっかけになるプロジェクトであること。
・フェスティバルの新たな制作方法を実践し実績を残すプロジェクトであること。
・植物と演出にまつわる新たな技術開発が行われるプロジェクトであること。
・森林保全や新たな森林活用事業など主体的に新たな企画が立ち上がるプロジェクトであること。
・来客、運営、地域住民が循環する生態系をつくるプロジェクトであること。
・南足柄や植物への関心が高まるプロジェクトであること。
・林業や森林保全への関心が高まるプロジェクトであること。
・南足柄の未来を植物を通して考え、新たな担い手を育てるプロジェクトであること。
・シティプロモーションができるプロジェクトであること。
・経済効果、移住促進、関係人口の創出、聖地巡礼、シビックプライドの醸成ができるプロジェクトであること。




次回は「ではRingNeってどういった物語なの?」ということについて書いた物語編を2月中くらいに執筆予定。

お楽しみに。


物語編はこちら。


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