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ικα
2024年8月15日 22:41
①紹介ドイツ在住のフリーライター・雨宮紫苑氏による『日本人とドイツ人-比べてみたらどっちもどっち』(新潮新書、2018年)を紹介します。日本よりドイツの方が肌に合う。そう思い移住したドイツで著者が見た両国の違いとは。異国の地で迷走する日本人女性の歯に衣着せぬ怒涛の比較文化論です。 ②考察● 「日本人の英語力の低さよりも、外国人とコミュニケーションがとれないことの方が、よほど問題である
2024年3月18日 20:51
①紹介哲学者の柄谷行人氏による『遊動論-柳田国男と山人』(文春文庫、2014年)を紹介します。人は国家と資本をどう乗り越えるべきか。鍵を握るのは、民俗学者の柳田国男が古来より続く日本の固有信仰に見出した「山人」の概念です。②考察● 「周辺部の自立と繁栄のためには、中央に対する闘争だけでなく、その内部における『中心―周辺』の構造、あるいは『目に見えぬ階級』を克服する必要がある」➢ 「周
2024年2月29日 23:44
①紹介日本文学者の三浦佑之氏による『口語訳 古事記 人代篇』(文春文庫、2006年)を紹介します。『神代篇』の続きに当たる本書では歴代天皇の事績や英雄譚、そして骨肉の争いが展開され、神々さながらのドロドロぶり。神も人も根本は何も変わりませんね、本当に。 ②考察● 「同じ兄弟の中で、姿かたちが醜いというので大君の許から返されてしまったということが、周りの村里の者たちの噂になるのはとても
2024年2月9日 21:25
①紹介日本文学者の三浦佑之氏による『口語訳 古事記 神代篇』(文春文庫、2006年)を紹介します。日本という国はいかにして生まれたのか。造り主である神々のドロドロ展開。日本最古の歴史書に描かれた人代前夜の喜怒哀楽をご覧あれ。②考察・「このわが身の成り余っているところを、お前の成り合わないところに刺しふさいで、国土を生み成そうと思う。生むこと、いかに」→兄妹であり同時に夫婦でもあったイ
2024年1月27日 19:37
①紹介社会学者・橋爪大三郎氏による『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫、2006年)を紹介します。私たちにとって宗教とは一体何なのでしょう。日本人が苦手なこの分野。古代から現代にもたらされた遺産を、世界のありのままの姿を広く浅く観察してみませんか?②考察・「日本人は要するに、宗教音痴なのです」→私自身クリスチャンだが、キリスト教の本質を熟知しているわけではない。そして生まれ故郷
2024年1月19日 08:57
①紹介作家・山本七平がイザヤ・ベンダサンという筆名で著した『日本人とユダヤ人』(角川文庫、1971年)を紹介します。私たちが何気なしに感じる「空気」や「普通」の概念。それは仏教でも儒教でもなく、日本人のほとんどが意識せぬままに信じている不思議な宗教に起因するものでした。②考察・「ユダヤ人にとっては、明日がどうなるかは絶対だれにもわからないので、明日の生き方は、全く新しく発明しなければな
2024年1月12日 21:46
①紹介数学者・藤原正彦氏によるベストセラー本『国家の品格』(新潮新書、2005年)を紹介します。近代西洋の合理主義が生んだ「論理」によって教育の質が下がり、伝統文化が侵食された昨今の日本。誇れる「国柄」を取り戻すためのカギを、古来より重んじられている「情緒」と「形」に見出します。②考察・「『国民は永遠に成熟しない』のです」→藤原氏は、現代の日本人が精神的に弱くなってしまった原因を「論
2023年12月25日 23:53
①紹介(今はどうかわからないけれど)『真相報道バンキシャ!』などに出ている社会学者の古市憲寿さんが書かれた『絶対に挫折しない日本史』(新潮新書、2020年)。中学高校時代に使った歴史教科書にありがちなダラダラ感は一切なく、退屈する暇もなし。本書は2部構成。第1部は日本の興りから終わりまで。第2部はいくつかのテーマに分けて「日本とは何か?」を読者に問う内容となっている。 ②考察・「現在