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トレーニングのバリエーションを増やすアイデア8選。同じ重量でも負荷を上げる方法

今回は、家トレしている人向けの記事。

自宅トレーニングをするのならダンベルではなくポリタンクを使えという記事をちょっと前に書きましたが、全然流行っている気がしません(当たり前)

なんだかんだで、ダンベルを使って家トレをしている人は多いのではないでしょうか。
しかし、上記の記事でも書いたように、負荷を増やすのに限界があるというのがダンベルのデメリット。

またこのデメリットは自重トレにも当てはまります。
自重だと負荷がなかなか変えられず、飽きてしまいがち。

今回は、そんな方々に向けて【トレーニングの負荷を変えるバリエーション】についてお話していこうと思います。


●トレーニングボリュームという考え方について

まず前提となるのが、「トレーニングボリューム」という考え方。
筋肉は、同じ刺激ばかり与えていると慣れてしまうため、常に刺激を増やし続けていく必要があります(漸進性過負荷の原則)。

基本的に、「重量×レップ数×セット数」で総負荷量を算出します。
例えば、ベンチプレスを50kg×10回×3セットやった場合、
50×10×3=1500で総負荷量は1500。

つまり、トレーニングボリュームを増やすには3つのアプローチがあるといえます。

1.重量を増やす
2.レップ数を増やす
3.セット数を増やす

総負荷が同じであれば、基本的に筋肉への刺激は同じです。
なので、重量、レップ数、セット数のうちいずれかの変数を動かしても総負荷さえ確保されていれば十分にトレーニングできているといえます。

すなわり、トレーニングボリュームを増やすための

なので総負荷1500を目指す場合、時間がなくて2セットしかできないのであれば75kg×10回×2セットでもいいですし、疲労が溜まっていて重い重量をやりたくない気分のときは30kg×10回×5セットにすることもできます。

では極端な話、10kg×50回×3セットとかでも総負荷が同じなので効果が同じになるのでしょうか?
答えは恐らくならないと筆者は思います。

トレーニングボリュームとは、今の自分が疲労するくらいまで追い込めるトレーニングボリュームの量を定量的に表現したものになります。
そこそこの重量でベンチプレスができる人にとって、「10kg×50回が限界でもうあと1回もできない…」ってことはちょっと考えづらいですよね。
つまり、あまりに軽い重量でやってしまうと、肉体的限界よりも先に精神的限界がきてしまうと考えられます。

●低負荷でも効率的に刺激を与えるテクニック

ここで家トレの話に戻ります。
「10kgのダンベルを買ったはいいものの、2ヶ月、3ヶ月とトレーニングしてくうちになんか物足りなくなってきた…このままだと飽きちゃいそう」
真面目にトレーニングしていくと、こんな壁にブチ当たることでしょう。

そこで考えるべきなのが、同じ重量でいかに筋肉への負荷を高めるか。
ここからは、具体的なテクニックについてお話していきます。

1.回数を増やす

単純に回数を増やす方法。
今まで10回しかやっていなかったものを12回やれば、単純に筋肉への刺激は増えますよね。

しかしこの方法には欠点があります。
肥大しやすい筋肉は、短時間に爆発的な力を発揮する速筋ですが、回数を増やすと、持久力に優れた遅筋の活動が高まってきます。
また前述のように、あまりに高回数のトレーニングは精神的限界が先にきてしまうということもあります。

2.セット数を増やす

単純にセット数を増やす方法。
今まで2セットしかやっていなかったものを3セットやれば、単純に筋肉への刺激は増えますよね。

この方法にも欠点があって、時間がかかるということ。
セット自体にかかる時間はせいぜい数十秒程度ですが、セット数を重ねるとインターバルの時間がかさんできます。
一般的にインターバルは1-5分取るべきと言われており、スクワットやベンチプレスなど高重量の多関節種目ですとそれだけインターバルも長くなります。
(インターバルについての記事もいつか書きますね。)

同じ種目を7セットも8セットもやるのは現実的ではないですし、集中力も切れてきます。

ここまでが「トレーニングボリューム」という考え方。
回数を増やすのもセット数を増やすのも、非常にシンプルで基本的な方法。

ですが、他の選択肢も持っておいて損はありません。

3.可動域を増やす

要は正しいフォームでやりましょうというお話。

例えば腕立て伏せ。
やってみればわかると思うのですが、アゴが床につくくらいまで深く降ろすのと、ちょっと肘を曲げるくらいしか降ろさないのとでは負荷が全然変わってきますよね。
これは案外バカできない話で、ジムにいてもスクワットやベンチプレスをしっかり降ろしていない人は多く散見されます。

可動域を最大まで使うことを、「フルレンジ」といいます。また逆に、一部の可動域しか使わないことを「パーシャルレップ」といったりもします。

変なクセがついてしまっては後で困ることにもなりかねないので、重量や回数にこだわる前に、フルレンジでしっかりと筋肉を動かすことを意識しましょう。

腕立て伏せの可動域を増やしてくれる神アイテム。

4.負荷が乗っている時間を増やす

「負荷が乗っている時間」のことを「TUT(Time Under Tension)」≒筋緊張時間といいます。

自重でスクワットをやってみてください。
同じ動作でも、1秒で1回こなすのと、5秒かけてゆっくりと1回こなすのでは筋肉への刺激がかなり変わってくると思います。

動作をゆっくりすると、筋肉が稼働している時間が増えるため、エネルギー消費がそれだけ大きくなります。
エネルギー消費が増えるということは、酸素やアミノ酸などの栄養が血液を通じて筋肉に運ばれ、筋肉にとって化学的に良い状態を作り出してくれます。
いわゆる「筋肉に乳酸が溜まった状態」ですね。


5.爆発的に挙上する

動作はゆっくりすればするほど良いというものでもありません。
一気に力を発揮し、爆発的に挙上することも良い刺激の一つです。

物理学では、パワー=力×速さです。
100kgのベンチプレスを1秒で挙げられるAさんと3秒で挙げられるBさんでは、Aさんのほうが力が強いということになります。

家トレで爆発的挙上をするためには、手叩き腕立て伏せやジャンプスクワット等がおすすめ。
(マンション等の人はくれぐれも近所迷惑にならないように。。。)

筋肉のパワーが最大になるのは、最大筋力の約30%であることから、爆発的挙上を目指す場合は最大重量の30%程度の重量を扱うのがよいでしょう。

6.負荷が乗ったポジションで静止する

ここからの3項目は「負荷を乗せる」ということがポイントになってきます。

「筋肉に負荷が乗った状態」、つまり筋肉が働いている状態。
これがどのポジションであるかを知ることが各エクササイズを理解する上で非常に重要になってきます。

例えば、腕立て伏せでは「肘が伸び切った状態」だと胸や腕に負荷がかかっていません。
またスクワットでは「膝が伸び切った状態」だと脚やお尻に負荷がかかっていません。

逆に、腕立て伏せでは「肘が90度曲がった状態」、スクワットでは「膝が90度曲がった」状態で最大の負荷がかかっています。
そこで5秒キープしてみてください。
めっちゃきついはずです。

「腕立て伏せ10回、余裕になってきたなー」という人は、「肘が90度曲がった状態」(ボトムポジションといいます)で5秒キープしてから腕を伸ばす、これを10回やってみれば負荷が変わったことを実感できると思います。


7.負荷が乗った状態を常にキープする

先ほど、腕立て伏せでは「肘が伸び切った状態」、スクワットでは「膝が伸び切った状態」だと筋肉に負荷がかかっていないという話をしました。
この「伸び切った状態」を、「関節をロックする」と表現することもあります。

では、「負荷がかかっていない状態を回避する」とどうなるのでしょうか。
つまり、腕立て伏せでは「肘が伸び切る前に次のレップを始める」
スクワットでは「膝を伸ばし切らずに10回やってみる」
(この伸ばし切らないことを「ノンロック」ともいいます。)

どうでしょう。めちゃくちゃきついはずです。

このように、エクササイズによっては「負荷がかからない場所」が存在します。
フルレンジでやらず、あえてノンロックでやることで「負荷がかからない場所」を避けてみましょう。
焼け付くような刺激を感じられるはずです。

もちろん、「動作をゆっくりする」+「ボトムポジションで5秒キープ」+「ノンロック」を組み合わせて行うことも可能で、これだと中級トレーニーくらいまでなら自重のスクワットで十分追い込むことができます。


8.片手・片足ずつ行う

最後は、片手・片足ずつ行う方法。

マシンで考えるとわかりやすいのですが、両足で100kgのレッグプレスができる人は、片足でなら50kg以上のレッグプレスを行うことができます。
これは神経から筋肉への命令の数が減り、一つの命令により集中できるからだと言われています。

逆にフリーウエイトだと片手片足になった途端に難易度が数倍に跳ね上がります。
腕立て伏せ20回できる人でも、片手腕立て伏せをするのは難しいでしょう。
これはバランスを取らなければいけないためです。

自重が片足に全てかかってくるというのはかなりの負荷であり、家トレで十分に下半身を追い込むこともできます。
片足トレの定番は「ブルガリアンスクワット」ですが、
「ピストルスクワット」は自重だけでも地獄の辛さです。。。


●最後に

筋トレにとって「飽き」は筋肉的にも精神的にも最大の敵です。

逆に筋トレの最大の友は「継続」ですから、トレーニングのバリエーションを増やしてみるのも一つの手。

最後に注意点。
バリエーションを増やすことにこだわりすぎて、「トレーニングボリューム」が増えているかどうかわからなくなってしまっては本末転倒。

これらのバリエーションはあくまで気分転換として。
ボディメイクの基本は「トレーニングボリューム」を増やしていくこと、というのをお忘れなく!

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