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組織や人事や個人のキャリアを考えるためにオススメな本をご紹介

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悩んで手に取ったり、献本いただいたり、色々な機会で手にした本に助けられることは多いです。特に考え方や進め方が無限にある人事領域においては、他者の意見は大切かなーと、最近はそう思え… もっと読む
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『なぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか』は、女性管理職数のKPI設定よりも大切で本質的なことを教えてくれる。

『なぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか』は、女性管理職数のKPI設定よりも大切で本質的なことを教えてくれる。

昨今では、「多様な人材の登用」が組織づくりのテーマとして重要視されてきていますが、「そもそもなんのために、どんな風に多様な人材が活躍する環境を整備していくか」という本質的な議論がなかなか進んでいないというのが、人事界隈での率直な感想だと感じています。

これは、「周囲の理解を深めよー!」的な単純なインクルージョンの話ではなく、「経営課題を解決するための多様性」を獲得するためのプランニングと組織デザ

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リーダーシップ、マネジメント、社員の自律でお悩みの経営者と人事担当は『できるリーダーは「これ」しかやらない』の図解&ノート版で自身のリーダーシップを確認することから始めよう。

リーダーシップ、マネジメント、社員の自律でお悩みの経営者と人事担当は『できるリーダーは「これ」しかやらない』の図解&ノート版で自身のリーダーシップを確認することから始めよう。

著者の伊庭正康先生には、前職(ニトリ時代)にとーってもお世話になっていて、入社3年目までの社員のビジョナリーリーダーシップ研修の設計構築から実施まで全てお願いしていました。
できるリーダーは、「これ」しかやらないは、そのベースになっている内容で、今回ご紹介する図解&ノート版は、そのビジュアル版というより、研修版みたいなものです。えっ!これ出しちゃうの?というくらい、先生の研修ノウハウが詰まっている

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たくさんの優秀社員を組織に抱えているのにイノベーティブにならない組織は、『「越境企業」のはじめ方』から始めてみよう。越境を目的化してもいいと思えました。

たくさんの優秀社員を組織に抱えているのにイノベーティブにならない組織は、『「越境企業」のはじめ方』から始めてみよう。越境を目的化してもいいと思えました。

人事や組織の本質的な部分だけが精撰されている、CELMさんの機関誌である『CELM BELIEF』を愛読している関係で、意見交換などをさせていただいていた瀬戸口さんの近著です。
ニトリの有望な若手を越境学習『TEX』に参加させていただいたり、色々と企業が一皮剥けるための相談をさせていただいていました。

ここまで大胆にノウハウを出してしまうのかーというのが、拝読させていただいた感想です。
特に第4

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CGC改定で形式的で保守的な業務が増えた人事の方は、『コーポレートガバナンスの進化』で攻めのCGを取り戻そう!

CGC改定で形式的で保守的な業務が増えた人事の方は、『コーポレートガバナンスの進化』で攻めのCGを取り戻そう!

2015年のCGC (コーポレートガバナンスコード)の公表、2021年のコード再改訂に至り、いよいよ、人事も主体的に取り組まざるを得なくなってきたCGC対応。どの部署の誰が何を担当しようか、バタバタしながら部署間の綱引きをしている組織も多いとよく聞きます。

そして、「取締役会」とか「指名報酬委員会」と聞くだけで、泣く子も黙ってしまう日本においては、なかなか仕事が保守的、規律的、規制的になってしま

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『できる30代は「これ」しかやらない』は、20代の人と30代の人を部下にもつ50代の人が読むと組織の生産性向上につながる。

『できる30代は「これ」しかやらない』は、20代の人と30代の人を部下にもつ50代の人が読むと組織の生産性向上につながる。

マニュアルに見えてマニュアルではない「これしかやらない」シリーズは結構好きで、色々と読ませていただきましたが、松本利明氏の『できる30代は「これ」しかやらない』は読み応えがありました。
30代は仕事の取り組み方を習得(というか、自分で決める)時期でもあり、自分の「型」を形成する時期だと思っています。その「型」のヒントが本書には随所に散りばめられています。

「不得意なことを克服している時間はない」

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『オウンドメディアリクルーティングの教科書』を参考に、経営戦略に連動した実効性のある人事戦略のエグゼキューション能力を持とう。

『オウンドメディアリクルーティングの教科書』を参考に、経営戦略に連動した実効性のある人事戦略のエグゼキューション能力を持とう。

「経営戦略と人事戦略の連動を!」ととても古くて新しい人事課題がありますが、自社の課題感と優先度を掴んでいれば、戦略を連動するのはそんなに難しくないんです。いわゆる人事系コンサルタントに頼ったり、本やWEBにある情報をベースに立案すれば、まあまあそれっぽいものを作れたりします。

でも、戦略は連動したけど、実行(エグゼキューション)を連動させるのがとても難しいんです。いや、簡単なのに組織の保守性で難

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人事施策の「副作用」までを明示した『人と組織の行動科学』は、実用型研究書であり、まさに処方箋です。

人事施策の「副作用」までを明示した『人と組織の行動科学』は、実用型研究書であり、まさに処方箋です。

セミナー登壇にご一緒させていただくたびに、色々と「勉強」させていただいている、伊達洋駆さんの新刊を一足お先に拝読いたしました。
最新の人事課題から古典的な人事課題まで、人事をやっているとよくぶち当たる44項目の課題を【課題明確化→研究知見で理解→エビデンスに基づく解決策→副作用の明示】というフローで明快に解き明かしてくれます。

コンサルタントであれば、商売道具のような解説パターンを惜しげもなく、

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『新しいキャリアの見つけ方』を読んで自分だけではなく、部下や同僚のキャリア資本の整理を手伝ってあげよう

『新しいキャリアの見つけ方』を読んで自分だけではなく、部下や同僚のキャリア資本の整理を手伝ってあげよう

いつもお世話になっている、プロティアン・キャリア協会代表理事の有山徹さんの新刊です。
キャリアオーナーシップを自分自身の手に取り戻し、「キャリア資本」を整理、強化して、キャリアをデザインしていくという、現代版プロティアンキャリアの考え方には、個人的にも大変共感しており、自分のためだけではなく、自社のキャリア教育の考え方に取り入れたりしております。

第3章の「自分の武器・価値を見える化する」という

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『人材マネジメント用語図鑑』を使いこなして本質的な人事課題の発見と解決をしていこう。

『人材マネジメント用語図鑑』を使いこなして本質的な人事課題の発見と解決をしていこう。

セミナー登壇でもご一緒させていただいている伊達洋駆先生の『人材マネジメント用語図鑑』のご紹介です。

人事の仕事は、理論と実践のスピーディな行き来が本当に大切だと思っています。用いる手段(制度設計手法、ツール)は比較的限られているが、目的や適応課題が会社それぞれに全く違うからです。

他社事例や理論や知識がそのまま使えることはあまりないですが、それを知って引き出しを増やしておかないと、自社の適応課

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『NETFLIXの最強人事戦略』を読んで、自由と責任の組織文化についてゼロベースで考えてみよう

『NETFLIXの最強人事戦略』を読んで、自由と責任の組織文化についてゼロベースで考えてみよう

2年前にNext Culture Summitというイベントで主催のNewsPicksさんからいただいた本ですが、2年ぶりに読み返しました。当時私は組織開発室に着任したばかりで、等級制度や評価制度などの「伝統的な人事制度」を理解するので精一杯で、なかなか本書の内容は頭にスッと入ってきませんでした。というか、「シリコンバレーの企業とは違うから」などとシャットダウンしてきた気がします。

それから2年

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