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生きる

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noterさんとほりべえの「生きる」を書いた記事を集めました。ほりべえのメモφ(..)
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#小説

永遠のにぶんのいち、あげる。

永遠のにぶんのいち、あげる。

栞はその時、読んでいた本の言葉を
思い出していた。

「ひとが、存在していることの根っこには
欠落がある。あらかじめ、欠けてしまった
ままの姿でうまれてくるんです」

栞の手の中には苺の匂いのするろうそくが
あった。

半分だけろうそくの姿をしている。
でもあと半分は、言わない。

それの形をしている。

わたしがその姿を見た時に、あっと
息を呑んだ

キャンドル売り場の店主に言われた。

お客さ

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おへんじ〔ほりべえさんへの一作です〕


今年は桜、ちょっと遅め。
なのにしっかり咲いたとたん、雨、雨、雨、雨で、たった数日で桜雨、降り始めた。
掃いても掃いても花びらの雨。
ああでも。
お天気は彼らのせいじゃないよね。
庭の花びら並べてみた。

こ と し も 

あ り が と 

“咲いてくれて”と入れたかったけど、そこまで花びらまだ集まってない。
それでもありがとって言いたくて。

言いたくて・・・

そしたらね。

朝。

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芍薬〔ほりべえさんに捧げる一作です〕

※ 花のことはぜんぜんわかってません。

  気になるところがあったら言ってね。

切る側だった今生を終え、気づけば私は花だった
芍薬。
牡丹に似て非なる。
花言葉は「恥じらい」、「慎ましさ」。
冬には地上部すべてを枯らし、根の状態で眠る。
一介の、草・・・

けれど香り高く、大きく花開く。
その故に・・・

華月、華月!

母の声が私を起こす。
この名~花名~で母が呼ぶときは、私がお稽古に遅れそ

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[ハゲ杯] ≪ノベル≫ 豊かな時間 ~チーちゃんパン屋さんへ行く の巻き~

[ハゲ杯] ≪ノベル≫ 豊かな時間 ~チーちゃんパン屋さんへ行く の巻き~

#ゆたかさって何だろう #小説 #ハゲ杯

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今朝も弟は起きてから胃が痛い。と言う

最近 喉がイガイガする。とか
嚥下障害 が 気になる。と 言う

「今日はスープだけにするよ」

そんな寂しい朝食は嫌だなぁ
それじゃ健康にも悪い訳で

よくよく話を聞くと、
いつものスーパーで買う食パンが飲み込みづらいと言う

「 何がいいの?

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