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#168 大学と専門学校では、求められているものやしていることがあまりにも違いすぎる。進路選択の際には気を付けよう

はじめに

大学のほうが専門学校よりも学歴として上だが、私はどちらかを見下したり、あるいは偏見を持ったりしているわけではない。

後悔のない進路選択をしてほしいので、大学の実情をよくわかっているものとして、この記事を書いている。

大学が求めているのは、学問と研究

大学の学問というのは、いろいろな分野があるが、共通しているのは「真実を探している」ということだ。

「あれも真実かもしれないし、これも真実かもしれない」という分野(主に文系)もあれば、「真実はたったひとつ。前の説は間違っていた」という分野(主に理系)もあるが、研究者たちは真実を探して、目の前にあるデータが真実であることを証明しようと頑張っている。その成果物が論文であり、学会発表であり、研究というものだ。

大学: 研究を通して真実を真実だと証明する

研究と真実と学問というのは、密接にかかわっている。

陰謀論は、「私がこれを真実だと思いたいです。私の意見ではこれが真実です」でいい。ただ、研究というのは、「これはこういう理由により真実だと言えます」と客観的に言わなくてはいけない。

「私の経験から、うつ病には腸内環境の改善が効果的です」というのではいけない。それは単なる主観にすぎない。「大腸菌はドーパミンの活動を促進させるための酵素を持っていて、それにより幸福感を感じる人が100人のうち80人に著名な結果として現れました」といわなければいけない。なお、「大腸菌(以下略)」というのは、私がこの瞬間に適当な用語を並べ立てただけのことなので、あてにしないでほしい。

専門学校が求めているのは、現実に即した知識と実践

専門学校というのは、たとえば「どうやったら外国語が話せるようになるか」とか、「どうやったら服を綺麗にデザインできるか」とか、そういったことを学ぶ。

内容は思い切り実践で、あしたにでも日常生活で生きそうなことを学ぶ。たとえば「大腸菌がうつ病に役立つためのメカニズム」というのは、実生活の話とはちょっと遠い。ただ、専門学校では、たとえば有益な英語のフレーズや、上の服と下の服をどうやってデザインしたら綺麗に見えるかという、その分野の現実的かつ実践的な知識を学ぶ。

専門学校: 実践を通してよりよい手法を考え、模索する

専門学校の世界では、エビデンス(根拠)はそこまで必要ではない。それよりも、「1日3時間くらい外国語をやったら、いちばん身に着くなあ」とか、あるいは「このはさみをこういうふうに持つと、生地が綺麗に切れるなあ」とか、そういったことを学ぶ。

その場合に、「よりよい情報」とされるのは、どっちがより現場にあっているかということだ。たとえば、大学の研究で「1日8時間の外国語学習がいちばん効果があります(n=1800)」という結果が出ても、それは専門学校の世界ではイコール価値のある者とはならない。「私達には3時間のほうがいい」とか「8時間なんて現実的じゃない」という意見が出れば、その意見のほうが大事にされる。

知名度と「安牌だから」という理由だけで大学を選ぶと後悔する理由

大学進学というのは、わりと安牌だと思う。

どっちにも転べるし、大学によっては実践形式の授業が多いところもあるし、なにより無難な選択肢だからだ。

就活のサポートも私学なら手厚いし、社会的な面目も保てる。

ただ、大学というのは、堅苦しい学問を追求する場所だ。

もしあなたが現実的な利益を求め、学問的な正しさ(エビデンスがちゃんと出せるか、信頼のあるデータと言えるかなど)をあまり大事としないのであれば、専門学校に行ったほうがいいかもしれない。

学費の安さだけで専門学校を選ぶと後悔する理由

専門学校は、その分野での就職に強い。

たとえば、外国語系の専門学校に行ったら、その分野で働くことが容易になる。

ただ、この場合も、学費が安いとか、4年も行かなくていいとか、そういった理由だけで専門学校を選ぶと後悔する。

専門学校では、実践ばかりで、その背景にある理論を追求しないので、多少その理論が間違っていても、役に立てばいいとされる風土がある。

そして、大卒とは待遇の性漬けられることも多いし、大学院に行くのも簡単ではない。

そういった理由から、専門学校を「安いし早く卒業できるから」という理由だけで選ぶと、後悔する。

実際にすぐに役に立つ知識が得たいなら、そんなにいい場所はない。

結論: 大学の滑り止めで専門学校を受けるということは、しないほうがいい

正直、偏差値を極端に落とすか、浪人を考えれば、どこかの大学には入れる。

「頭が悪いから専門学校に入ろう」というのは、もったいないというわけではなく、単純に世界が違いすぎてびっくりすると思う。求めているもの、実際にすることが、上記のように大きく違うからだ。

専門学校に行きたいなら、行けばいいし、大学に行きたいなら、行けばいい。

ただそれは相互互換な世界ではないし、合わないほうに入ると割と苦労する。

短期大学という選択肢

もし学問を追求したいひとが、大学の滑り止めにするなら、短期大学のほうが無難なことが多い。

短期大学は、2年で卒業できるし、就職のサポートもあるし、そのあと大学に編入することもできる。

短期大学を卒業して、大学に編入して、大学院に行ったひとを何人も知っている。大学院に行く可能性がすこしでもあるなら、専門学校からだと難しい。そう彼らはみんな言っていた。

逆に、短期大学ではなくて専門学校に入れば、もっと実技経験が積めて、就職に有利だったから、専門学校に入れば良かったという意見も、大学生や短大生からも聞いている。

だから、進路選択は、妥協なく、自分に合うものをちゃんと選ぼう。

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