hky - 妄ツイ

hky - 妄ツイ

マガジン

  • "12"の恋

    『"〇"月の恋』中編シリーズ|"12"の恋 のまとめです。 5期生11人+α(予定)の合計12種類の恋愛物語です。

  • 中編・その他

    中編や2-3話程度の作品などのまとめです。

  • 愛という感情

    長編『愛という感情』のまとめです。

  • "君"とは…(完結済)

    長編『"君"とは…』のまとめです。 Episode 0〜Final Episode(計14話)

  • "センター"と"センター"の恋路

    シリーズ『"センター"と"センター"』のまとめです

記事一覧

アンビバレンスを流してくれ。

秋風でススキが揺れる河川敷。 放課後のいつもの場所。 なぜか川に飛び込みたくなった。 今日は帰っても誰もいないし叱られないだろ。 ●●:…冷た…。 「ゆく河の流…

hky - 妄ツイ
11日前
31

立ち止まる時間はない

今日もバイトだ。 忙しなく準備をして、真夏の世界へと飛び出す。 汗を拭きながら、向かう。 電柱に貼ってある紙を横目に。 ●●:お疲れ様です。 チーフ:お、●●くん…

hky - 妄ツイ
2か月前
48

同調だけが全てじゃない

アラームで目が覚める。 パンの焼けている匂いが鼻をつく。 リビングに出る。 〇〇:おはよ、理々杏。 理々杏:あ、おはよ、〇〇。寝癖、すごいよ笑。 〇〇:嘘?じゃあ…

hky - 妄ツイ
2か月前
53

葛藤と花火と約束と…

朝から猛烈な光と暑さが体を支配する。 向こうを見るとアスファルトが歪んで見える。 夏休みだというのに予定は夏期講習ばかり。 家でも塾でも一応、涼しい環境に身を置…

hky - 妄ツイ
2か月前
75

Sissy…

アラームが鳴る。 見た夢は瞬間的に忘れてしまった。 幸せな気持ちだけがほのかに残っている。 体を起こすとその幸せはすぐに消え、現実と共に憂鬱な気持ちが立ち込める…

hky - 妄ツイ
2か月前
57

"7月"の恋

夏休み前最後の金曜日。 学校に行く足取りはどこか軽く、重い。 浮き足立つ気持ちもあるようで。 もう今日が早く終わって欲しいという思いもある。 正門近くの空き地に…

hky - 妄ツイ
2か月前
63

フクエンノアリカタ

一過の感情に任せた結論。 その一瞬と感情は何度もフラッシュバックする。 そして思う。 積み重ねた思い出よりも忘れることが難しいのだと。 また目が覚める。 変わら…

hky - 妄ツイ
3か月前
58

"6月"の恋

目を開けると、太陽はとうに山の上にあった。 梅雨だというのに雲ひとつない今日。 その日差しがカーテンを超えて部屋に届く。 〇〇:なんでこういう日に限って晴れなん…

hky - 妄ツイ
3か月前
60

想いの涯には何が待っているか?

街から灯りすら消え、闇に包まれる頃。 理由なんか無いのに、行き先なんて無いのに…また外へと出てしまう。 心の微かな痛みがそうさせているのか。 〇〇:はぁ…。 イ…

hky - 妄ツイ
3か月前
95

"5月"の恋

●●:今がチャンスかな…。 友1:そうだな、今のうちに帰るか。 予報通りではない雨。 部活の練習は中止で他の部活との兼ね合いの結果、休みになった。 今日という日に…

hky - 妄ツイ
4か月前
69

愛という感情 Episode 0

誰にも苦い過去や忘れられない過去というものがある。 それが時に人生にとって、人格の形成にとって大きな影響を与えることもある。 一方で新しい環境は、新たな自分を作…

hky - 妄ツイ
4か月前
52

アンチ・ロマンス

●●:あ〜、疲れたぁ…。 友1:今日は暑かったしな、尚更な。 ●●:ほんと…春はどこへ行ったんだよ…。 桜が散ったばかりだというのに、真夏のような暑さが続く日々。 …

hky - 妄ツイ
5か月前
93

"4月"の恋

どんな人にだって新生活はある。 と言っても自分は変わらず実家暮らしで、地元の高校に通うのだが。 それまでのコミュニティだけでは過ごせない。 新しい人と出会い、付…

hky - 妄ツイ
5か月前
69

"君"とは… Final Episode

迎えた卒業式。 山口:〇〇、大丈夫か?笑 ●●:人生で1番緊張してる。 川﨑:●●がそんなこと言うなんて珍しいね笑。 ●●:あ〜…なんか動いてないとやってられない笑…

hky - 妄ツイ
6か月前
85

"君"とは… Episode 12

担任:はい、みんなおはよう。ここまでよく頑張ったな。お疲れ。 クラスへ語る担任。 空きの机が沢山ある。 勉強しているのか、はたまた弱気になってしまっているのか。 …

hky - 妄ツイ
6か月前
55

バースデーが終わる前に

今日は誕生日。 と言っても自分の、ではない。 大切な人の誕生日。 ●●:…ただいま。 傘を閉じながら呟く。 かと言って、もう…。 君はこの家にいない。 残ってい…

hky - 妄ツイ
6か月前
71
アンビバレンスを流してくれ。

アンビバレンスを流してくれ。

秋風でススキが揺れる河川敷。

放課後のいつもの場所。

なぜか川に飛び込みたくなった。

今日は帰っても誰もいないし叱られないだろ。

●●:…冷た…。

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」

冷たい水が心に沁みる。

河川敷の道から小学生たちが指を差している。

そんなことは関係ない。

●●:……。

水面に反射する光に眩んで。

無意味なことを考えてしまう。

それを考え

もっとみる
立ち止まる時間はない

立ち止まる時間はない

今日もバイトだ。

忙しなく準備をして、真夏の世界へと飛び出す。

汗を拭きながら、向かう。

電柱に貼ってある紙を横目に。

●●:お疲れ様です。

チーフ:お、●●くんお疲れ。今日は18時まで…で合ってるね?

●●:はい。今日、特に気にする事項ありますか?

チーフ:夏祭りで今日は、多分18時までがピークで18時越えるとお客さん減ると思うから、それぐらいかな。

●●:分かりました。

チー

もっとみる
同調だけが全てじゃない

同調だけが全てじゃない

アラームで目が覚める。

パンの焼けている匂いが鼻をつく。

リビングに出る。

〇〇:おはよ、理々杏。

理々杏:あ、おはよ、〇〇。寝癖、すごいよ笑。

〇〇:嘘?じゃあ、直してくる。

理々杏:ご飯もうすぐできるから!

〇〇:いつもありがと。

洗面所の鏡を見る。

あまりの髪の暴れ具合に笑ってしまう。

大学で出会った、理々杏は本当にいい子。

俺なんかにもったいないと思ってしまうぐらい。

もっとみる
葛藤と花火と約束と…

葛藤と花火と約束と…

朝から猛烈な光と暑さが体を支配する。

向こうを見るとアスファルトが歪んで見える。

夏休みだというのに予定は夏期講習ばかり。

家でも塾でも一応、涼しい環境に身を置いている。

だからせいぜい、この道を歩いている時ぐらいしか汗なんてかかない。

…こんなのただの引きこもりじゃないか。

なんて思っては、君のことが浮かんでくる。

●●:おはようございます。

先生:お、おはよ。●●はいつも早いな

もっとみる
Sissy…

Sissy…

アラームが鳴る。

見た夢は瞬間的に忘れてしまった。

幸せな気持ちだけがほのかに残っている。

体を起こすとその幸せはすぐに消え、現実と共に憂鬱な気持ちが立ち込める。

暑苦しい、夏の温度のせいではない。

それは分かっている。

賀喜母:遥香〜。ご飯できてるから早く降りてきなさい。

賀喜:…は〜い。

いつも通り忙しなくご飯を食べて、準備する。

ーーー

日差しが照りつける通学路。

大体

もっとみる
"7月"の恋

"7月"の恋

夏休み前最後の金曜日。

学校に行く足取りはどこか軽く、重い。

浮き足立つ気持ちもあるようで。

もう今日が早く終わって欲しいという思いもある。

正門近くの空き地にはスイセンノウが鮮やかに咲いていた。

教室に着いても、クーラーはついていない。

窓からは熱を帯びた風が押し寄せる。

男1:暑過ぎる…〇〇、なんとかしてくれ…

●●:いくら学級委員でもそんな権限は…我慢してくれ…。

男1:ふ

もっとみる
フクエンノアリカタ

フクエンノアリカタ

一過の感情に任せた結論。

その一瞬と感情は何度もフラッシュバックする。

そして思う。

積み重ねた思い出よりも忘れることが難しいのだと。

また目が覚める。

変わらないこの空っぽな部屋。

身支度をして、いつも通り駅へ向かう。

毎回、玄関で少し立ち止まってしまうのは何故だろうか。

机に置かれた月のネックレスと目が合う。

1人呟く。

〇〇:…いってきます。

電車に乗る。

イヤホンを

もっとみる
"6月"の恋

"6月"の恋

目を開けると、太陽はとうに山の上にあった。

梅雨だというのに雲ひとつない今日。

その日差しがカーテンを超えて部屋に届く。

〇〇:なんでこういう日に限って晴れなんだか…。

思わず独り言が出てしまった。

というのも今日は大学が休み。

最近は雨が続いていたから憂鬱だった。

部屋の掃除とか洗濯をしてゆっくり過ごそう。

そう思って遅めの朝ご飯を食べていた時だった。

昨日ゲームしたままで、マ

もっとみる
想いの涯には何が待っているか?

想いの涯には何が待っているか?

街から灯りすら消え、闇に包まれる頃。

理由なんか無いのに、行き先なんて無いのに…また外へと出てしまう。

心の微かな痛みがそうさせているのか。

〇〇:はぁ…。

イヤホンから流す、いつもの曲の言葉の節々が刺さって、嫌になる。

こうなるぐらいなら、出会わない方が良かったかもしれない。

〜〜〜

何ら変わらない日。

学校に行くと、いつも通り声をかけてきた。

蓮加:おはよ、〇〇!

〇〇:お

もっとみる
"5月"の恋

"5月"の恋

●●:今がチャンスかな…。

友1:そうだな、今のうちに帰るか。

予報通りではない雨。

部活の練習は中止で他の部活との兼ね合いの結果、休みになった。

今日という日に限って折り畳み傘を忘れるという失態を犯した。

暇だというのに帰れない状況。

小雨になってきたので、この程度ならおそらく家まで持つだろう。

急いで必要の無かった道具を持って、教室を出る。

友1:じゃ、気をつけて。また明日。

もっとみる
愛という感情 Episode 0

愛という感情 Episode 0

誰にも苦い過去や忘れられない過去というものがある。

それが時に人生にとって、人格の形成にとって大きな影響を与えることもある。

一方で新しい環境は、新たな自分を作るきっかけにもなったりする。

ーーー

高校生になって、はや1ヶ月。

生徒大会が行われている。

開いている窓からは心地よい風が入り込む。

山下:かっきー、リラックスして大丈夫だからね。まず選ばれたんだから、自信持って!

賀喜:

もっとみる
アンチ・ロマンス

アンチ・ロマンス

●●:あ〜、疲れたぁ…。

友1:今日は暑かったしな、尚更な。

●●:ほんと…春はどこへ行ったんだよ…。

桜が散ったばかりだというのに、真夏のような暑さが続く日々。

夏の大会に備えゆく日々。

校門前の花壇に咲く花も何だか萎れている気がする。

友1:あ、明日単語テストじゃね?

●●:うわぁ、帰ったらしないと…。

友1:学年主任が英語の担当は終わってる。

●●:顧問になんて言われるか分

もっとみる
"4月"の恋

"4月"の恋

どんな人にだって新生活はある。

と言っても自分は変わらず実家暮らしで、地元の高校に通うのだが。

それまでのコミュニティだけでは過ごせない。

新しい人と出会い、付き合っていくことが増える。

そして俺は初めて…一目惚れというものを知った。

五百城:初めまして。兵庫県から来ました、五百城茉央です!

五百城茉央さん。

15年以上、関東に住む人間にとってイントネーションが違う、関西弁というだけ

もっとみる
"君"とは… Final Episode

"君"とは… Final Episode

迎えた卒業式。

山口:〇〇、大丈夫か?笑

●●:人生で1番緊張してる。

川﨑:●●がそんなこと言うなんて珍しいね笑。

●●:あ〜…なんか動いてないとやってられない笑。

池田:●●が変な人になってる。

担任:お〜い、みんな準備はできてるか?

クラスメイト達:(口々に)はい!

担任:高校生、最後の大舞台だからな。先生も名前呼ぶ時に噛まないように気をつけるからな笑。

山口:それだけはや

もっとみる
"君"とは… Episode 12

"君"とは… Episode 12

担任:はい、みんなおはよう。ここまでよく頑張ったな。お疲れ。

クラスへ語る担任。

空きの机が沢山ある。

勉強しているのか、はたまた弱気になってしまっているのか。

人の少ないHRはどこか、悲しい雰囲気を漂わせている。

山口:おう、〇〇!

●●:郁也、なんか久しぶりだな。

山口:まぁな。もう必要のない授業は来なくても良かったし。これみんな、塾だろ?

●●:多分ね。

山口:みんな極限状

もっとみる
バースデーが終わる前に

バースデーが終わる前に

今日は誕生日。

と言っても自分の、ではない。

大切な人の誕生日。

●●:…ただいま。

傘を閉じながら呟く。

かと言って、もう…。

君はこの家にいない。

残っているのは去年の誕生日に、お揃いで買ったアクセサリー。

独り椅子に腰掛けて、アールグレイを飲む。

〜〜〜

山下:今日からお世話になります、山下美月です!

●●:同じく●●〇〇です。

部長:この部署に新入りが2人も来てくれ

もっとみる