「ドライヴ・マイ・カー」 （日本映画）

誰もが予期せぬ出来事に直面する。それはどうしようもなく確実に人生という長い旅路の中に仕掛けられている。

天変地異であれ、なんであれ、それに出会うのは必然。

そんなことに遭遇したとき。

大切なことは、つらいならつらいと、悲しいなら悲しいと、きちんと自分の感情に向き合うことなのだろう。

きっと。

つらいのに、悲しいのに、そこから目を背けたり、見ないふりをしたりすることは、自分の心が見ている景色とは違う風景を見る行為。だから一層深い迷い道に入り込んで行ってしまう。

でも。

そうは言っても、文字で書くように簡単では無いし、受け入れるには時間もタイミングも必要だとは思う。そして誰かとの出会いもまた必要かもしれない。

でも。
きっと。

人生はその長い途上に必ず「そこから抜け出す瞬間」を用意してくれている。その瞬間は、いつ訪れるかは分からない。気が付かぬまま生を終えることがあるかも知れない。

でも。
きっと。

その瞬間はある。必ずある。それは、自分に向き合っていく過程に。厳しくとも、つらくとも、その果てに。