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フランスの抱える高い失業率という問題点をクローズアップした作品 ~ 「ベルサイユの子」(フランス映画)🇫🇷

フランスの抱える高い失業率という問題点をクローズアップした作品。

子供を育てることは、親の権利でもあり義務でもある。当たり前の言葉を、子供を認知するときに、主人公は投げかけられる。

捨て子とはいえ、他人ではなく身内のように思っていた少年。その少年のために自分は、ある意味楽だった暮らしを捨てて社会に戻ってきた。

でも彼の中では、違和感がぬぐえなかったのではないか。

おそらく彼はこれを心の中に押しとどめておこうと思っていたに違いないが、少年の言う「いつあの家(ホームレス時代の家)に戻るの?」という問いかけと、認知時に裁判員から投げかけられた前述の言葉によって、彼は大きくゆらぐ。

その揺らぎにさいなまされたまま、家を出て行く。

このあたりの過程を、もう少し丁寧に、劇的に描くことができていれば、この映画の印象も大分違ったと思う。

彼が出て行った後、社会復帰し「権利と義務」の重要性をやっと把握した母親が戻ってくるが、なぜ7年後なのか、もどってくるならなぜ捨てたのか、など納得性にかける部分が多かった。

悪くないけど、何かが足りない印象でした。


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