関西から片道3千円ちょいで北海道に行ってきた③【SL冬の湿原号編】
片道3760円の航空券で釧路に来て2日目。
今日は朝から釧路グルメを堪能した後、
SL冬の湿原号に乗車して釧路湿原を縦断します!
前回の記事はこちら⇩
◆釧路グルメ「炉端焼き」
昨夜は釧路グルメを堪能してまわった後、「スーパーホテル釧路駅前」さんで一泊した私。
今日は早起きし、朝から釧路グルメを味わいに行きます。
その前に軽く腹ごしらえ。
スーパーホテルさんの無料朝食をいただきます。
ていうか、これから外に食べにいくのにここで食べてどうするのか。
別に、無料朝食を食べてできるだけホテル代の元を取ろうというケチくさい根性のために利用するのではありません。
なぜならこの朝食スペースはトレインビュー。
朝食を味わいつつ釧路駅を発着する車両を見物しようという魂胆です!
まぁ、食事中一両も目の前を通過しませんでしたが。
軽く朝食を食べ、ホテルを出ます。
さぁ出発し
ズルゥン!!
足が滑りました。
昨夜から降り始めた雨で、歩道がガッチガチに凍てついていました。
よちよちとペンギン歩きで進んでも時折足が取られる始末。
目的地はここから徒歩20~30分。
無料朝食を食べてホテルの宿泊代の元を取ろうと考えたケチくさい根性の私でも路線バスを利用しようかなと考えたレベル。
路線図を見てもよくわからなかったので、結局歩くことにしたけど。
降り注ぐ霧雨。傘をさしていてもびっしり全身にはりつく細かい雨粒。
寒さに震えながら進んでいると、やがて目的地に着きました。
直売店「鮭番屋」さんです!
こちらでは様々な海産物を販売されているほか、朝7時半から「炉端焼き」を店内でいただくことができます。
悩んだ末に選んだのは、北海道産の「ししゃも(オス・メス)」、「貝ほたて」、ノルウェー産の「サーモンハラス」。
会計を済ませると隣接するテントの中へ。
席につくと店員さんが目の前で食材を焼き始めてくれました。
(そのサービスを含めて「炉端焼き」というのを後で知りました)
早朝、客は私一人だけ。
魚介の脂が炭で爆ぜる音が静かに響き、ほたてに垂らされた醤油の香りがホワンと漂う。
ヤカンが置かれた古めかしいストーブと炭火の熱で、雨に濡れた体が徐々に温まっていくうちに、食材が焼き上がりました!
サーモンハラスは脂身たっぷりトロトロ。
ほたてはコリコリ。醤油が旨味を引き立て、貝殻に残った汁は天然のすまし汁!
ししゃももメスは卵がぎっしり、オスは体が大きく食べ応えがありました。
ごちそうさまでした……!
最後にサーモンハラスとホタテを土産に買って実家へ送ると、充分に温まった体で店を出ました。
市街地へ引き返すと海鳥の鳴き声。港町だなぁ……。
ホテルで一休みしてから釧路駅へ。
これから旅の目的の一つである「SL冬の湿原号」に乗り、標茶駅、そして網走を目指します!
◆SL冬の湿原号
「SL冬の湿原号」は1~3月の冬期限定で釧網本線の「釧路~標茶(しべちゃ)」間を走る列車で、冬の釧路湿原を縦断します。
①乗車
釧路駅に着いた後、売店で買い出しを済ませて改札へ。
SLの入線までもう少しです。
ホームに立ち、SLがやってくる方向を見つめます。
線路の先は雨か霧か雪かよくわからんもんでまっ白。
その白い背景を突き抜けて、
ボワン
と、明らかに自然の雲とは違う黒煙が吹きあがりました。
続いて遠吠えのような汽笛。
ビリビリと体が内側から震えます。
そして、
「SL冬の湿原号」、入線です!
そういえば雪国でSLを見るのは初めてな私。
雪景色を背景に、SLの黒や煤煙がとてもよく映えます。
い、いかつい……
その力強い佇まいは、まるで仕事終わりの炭鉱夫が全身から湯気を立ち上らせているかのよう。
さて時間も迫ってきたので乗車しましょう。
ちなみに切符を予約しようとした際、面白そうな席を見つけたので今からそこに向かいます。
場所はあそこ。
煙をモウモウと吐いている煙突の下あたりの席です。
②ダルマストーブでするめを炙る
11時5分。
釧路駅を出発しました。
すごい煤煙を吐きながら市街地を抜けていきます。
さて、私が選んだ席はこちら!
ダルマストーブの隣の席です!
うーん、いいぞ。ストーブの近くだからポカポカ温か……暑ッ!!
優秀すぎるストーブのおかげで周囲は常夏。防寒具が即不要と化しました。
このストーブは石炭が燃料。電気には出せない熱を感じながら、レトロな気分に浸れます。これだけでも湿原号に乗った価値はあるというものです……
が!
私は前々からこのストーブでやってみたかったことがあるのです!
それがこれだ!
\ するめ!! /
\ こうだ!!! /
\ カシュ!! /
「レトロな客車にあるストーブの上でするめを炙って食べたい……」
そんなピンポイントな性癖にも応えてくれるSL冬の湿原号に、ぜひとも乗ってみたかったんですよねぇ……。
ちなみにこちらの炙る用のするめやお酒は車内販売で購入できます。
③思わぬ出会い
釧路駅を出た汽車は釧網本線を北進し、釧路湿原を縦断していきます。
今日は雨模様。
湿原の風景は窓に張りついたピント狂わせの雨粒の向こう。
昨日とはまた違う光景だなぁ……
多分普通の電車旅なら雨模様は残念だったかもしれませんが、このかすんだ風景がいかにも「冬の湿原」という感じで、雰囲気バツグンでした!
さて、風景を眺めながら先ほど炙ったするめをいただきましょうか。
がぶり、ぶち。
くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ
クチャ……クチャ……
クチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ!!!!!!!!!
全然噛みきれねぇ……
「するめって、こんな噛めないもんだっけ?」
久しぶりのするめに悪戦苦闘しているうちに、気づけば隣に座られていた方(仮称Aさん)とぽつぽつと話をするようになっていました。
言葉を交わすうちに、なんと「乗ってきた飛行機がまったく同じ」で「前日に同じ湿原展望台に行っていた」ことが判明!
昔関西に住まわれていたとあってすっかり意気投合し、ちぎったするめを肴に乾杯し、これまでの旅の経験や釧路について語らいました。
ダルマストーブに集まった他の乗客さんたちとも時折言葉を交わしたり、写真を撮りあったり、暖かい車内でワイワイやりとりしました。
ひと昔前も、ダルマストーブの周りはこんな光景でありふれていたのかなぁ。
正直、後半はあまり湿原の景色は見られてなかったけど。
今日このSLに乗ってよかったと思えるくらい最高に楽しい時間でした。
④道連れ旅とお見送り
SLは終点「標茶(しべちゃ)」に着きました。
難読すぎてなかなか覚えられなかった地名ですが、ここは牛乳が有名で、おいしい「しべちゃ牛乳」が駅併設の売店で購入できます。
私はここから列車を乗り換え、網走へ。
Aさんは再びSLに乗って釧路へ戻られるとのこと。
列車の時間までお互いノープランだったので、一緒に近辺を散策したり、ヒョウに降られたり、SLの機回し風景を見たりしながら過ごしました。
列車は釧路に向かうSLが先発。ここでAさんとはお別れです。
連絡先を交換し、再会を誓って私はホームを離れました。
さて、Aさんが乗るSLをお見送りです。
お見送りスポットまでは、駅前にあるこの「日本国民なら一度は見たことがあるピンクのドア」を使って一気にワープします。
到着しました!
ここはAさんと散策している途中で見つけた跨線橋の上です。
画面奥、標茶駅に停車中のSLの白煙が見えますね。
そして出発時刻。
「ククク、私に撮られると知らずノコノコと近付いてきおって!」
不敵な笑みを浮かべる私の眼前にたっぷりの煤煙が迫ってきます。
ん?
煤煙?
あれ? これ、息できな
\ もふん /
思わず「ぶへぇ」と声を出した私をよそに、SLは颯爽と去っていきました。
⇩動画はこちらから
あー、楽しかったぁ……
以上、「SL冬の湿原号」の旅でした!
次回で北海道旅も締めくくり。ぜひお楽しみください!
次回⇒
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ここまで読んでいただきありがとうございました。
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