稲毛ひろ美(CAFEYOSHIZUMI店主)

千葉県袖ヶ浦市出身。大学在学中から祖母の経営する下宿屋、宿吉住で働く。宿を閉館後、20…

稲毛ひろ美(CAFEYOSHIZUMI店主)

千葉県袖ヶ浦市出身。大学在学中から祖母の経営する下宿屋、宿吉住で働く。宿を閉館後、2020年に横浜で季節の喫茶 吉住をオープン。2023年8月に閉店。2023年12月に屋号を改め、CAFE YOSHIZUMIをオープン予定。

最近の記事

一日平均7,000歩歩くことによって得られたもの

 こんにちは。暑い夏が終わって、ホッとする毎日。最近は朝の徒歩通勤を再開しました。スマホの歩数計を毎日確認しますが、だいたい7,000~8,000歩くらい。ちなみに仕事中は身につけていないのでカウントしていません。 今日はお店の話でもなく、珈琲の話でもなく、「歩くことについて」のお話。 結構色んな人に、「歩いて通ってるの?」と聞かれます。「大変でしょ~」とそのあとに言われるのがお決まりのパターン。いえいえ、それが調子が良くてやめられなくなっている。この距離感は本当に今の私

    • 夏が終わりそうだけど水出し珈琲の話

       今年の夏は暑かった、本当に暑かった。36℃なんて日々を経験すると、32℃なんて涼しく感じてしまう。慣れるって恐ろしいです。  夏が終わりかけている、このタイミングで水出し珈琲のお話。もう4年もやっているのに、ようやく水出し珈琲がわかってきたのです。ちなみにヨシズミの水出し珈琲器具は「oji(オージ)」というメーカーのものを使っています。いわゆるダッチ珈琲といわれるもの。一滴一滴、点滴のようにポタポタ抽出するものです。うちのは5杯分程度取れる、小さいサイズです。細かいレシピま

      • ネルドリップにこだわる理由

         またまたお久しぶりになってしまいました。CAFE YOSHIZUMIの稲毛ひろ美です。いつもご来店いただきありがとうございます。また、いつもこのnoteをご覧になってくださっている方もありがとうございます。  今日は「ネルドリップ」のお話。ヨシズミの珈琲はすべてネルドリップです。そもそもネルドリップとは、ネルという布でできたフィルターを使って珈琲を抽出する方法のこと。フランネルシャツのネルと一緒です。  ネルは繰り返し使うことができますが、扱いにやや手間がかかります。けれ

        • 仕事は楽しい

          またすっかりご無沙汰になってしまいました。お陰様で、3月7日でYOSHIZUMI(吉住)は4才になりました。これまで関わってくださった方、今現在も関わってくださる方、すべての皆様に心から感謝しています。 移転してから変えたことが沢山あります。その中でも皆さんから、えー大変じゃない?キツくない?って言われることが2つあります。今日はその疑問にお答えします。 ひとつは週1休みについて。 なぜ週1休みにしたのか。答えはシンプルで、2日休む理由がないから。幸いにも健康で(つい先日

        一日平均7,000歩歩くことによって得られたもの

          移転オープンしました

          お久しぶりです。2023年12月26日に移転オープンしました。告知なしでオープンしたにも関わらず、本日まで沢山のお客様にご来店いただいています。本当にありがとうございます。 まずは旧店舗を突然閉店したこと、告知せずに再オープンしたこと、色々お騒がせしてすみませんでした。でもどちらもしっかり考えた上で、計画通りに閉店、移転オープンしました。 12月26日に開けることは自分の中では決めていたし、準備中に直接お会いした方々にはお伝えしていました。ただインスタグラムには当日に発表

          移転オープンしました

          たかがコーヒー

          こんにちは。新店舗の工事がスタートしました。旧店舗の際にもお世話になった設計士さんと職人さんたちで、安心感と信頼感があり、私も気持ちよくお仕事をお願いすることができています。かっこいいお店になりそうです。楽しみです。 さて、今日は最近読んだ本の紹介です。コーヒー好きなら誰もが知っている、井崎さんの著書です。 出版されたときに買っておいたのに、読んだのはつい最近…。もっと早く読めばよかったと思いました。コーヒーの歴史から経済、嗜み方まで、わかりやすく書かれています。ただ事実

          新店舗決まりました

          こんにちは。1ヶ月ってあっという間ですね。インスタグラムでもお知らせしましたが、新しい店舗が決まりました。 これまで本当に沢山の物件情報やエリア情報をいただきました。また、家族の支えがあってここまでこれました。関わってくださった皆様、応援してくださった皆様に心から感謝しています。 場所が伊勢佐木町と聞いて驚いた方が多いかもしれません。誰かに勧められた訳ではなく、気になる場所を自分の足で歩いて、目で見て、肌で感じて、最終的にこの場所を選びました。 ここを選んだ理由は、下町情緒

          手回し焙煎の話

          皆さんこんにちは。季節の喫茶吉住の店主だった、稲毛ひろ美です。今年の8月に3年続けたお店を閉めて、現在は移転先を探している最中です。お客様はお久しぶりですね、初めましての方はどうぞ宜しくお願いします。 さて、久しぶりのnote更新です。 店を閉めてから焙煎をする機会が減ってしまいました。とは言え、自分や家族が飲む程度だったり、人に差し上げる程度の量で焙煎は続けています。 そんな中、うちによく通ってくれていたお客様から先日メールが届きました。 「オンラインショップはまだです

          最近読んだ本とコーヒーノキオーナーの話

          前回は閉店の話をしました。閉店理由を自分の力不足と言いながらも、最終的にはお客様のせいみたいな書き終わりになってしまいました。すみません、反省しています…。 そこも含めて、自分の力不足であったということです。言葉足らずですみません。 閉店をしてから、店の片付けに追われていますが、毎日暑すぎるのとやる気がなかなか起きなくて、結構のんびりやっています。とにかく月末までに綺麗にすればよし!って思いながら。なんだか子供の頃の夏休みを思い出しますね。(いつも宿題はギリギリまで残してい

          最近読んだ本とコーヒーノキオーナーの話

          閉店しました。

          2023年8月11日、季節の喫茶 吉住は閉店しました。3年と5ヶ月という短い間でしたが、本当にありがとうございました。 閉店の理由は私の力不足、経験不足です。ここにつきます。しかしそれを感じながらも、「ここでやれることは全てやりきった」とも言えるし、逆を言えば、「ここでやれることの限界が見えてしまった」とも言えます。おいおい、言ってる意味がさっぱりわからないよ、とツッコミが入りそうですが、まあ、一旦色んなことをリセットしたくなったんですよね。 店を始めて3年が経つ頃、お店と

          珈琲の世界へ

          前回から随分間が空いてしまいました。すみません。 木更津のカフェでアルバイトをしながら、宿の仕事をし、さらに珈琲屋さんでもアルバイトを始めました。その珈琲屋さんとはあるイベントのお手伝いをしたのがきっかけでした。その後、「そのままうちで働かない?」とお声掛けいただき、「はい、喜んで!」という感じで働かせてもらうことになりました。 その頃の私は、カフェや喫茶店、珈琲にかなり興味を持ち始めていた頃で、珈琲に夢中でした。師匠から淹れ方を教えてもらい、珈琲の本を読み漁り、カフェや喫

          ポンコツ時代の話

          前回予告した通り、ポンコツ時代の話をしましょう。 初めて飲食店で働いたのは確か24歳の頃。木更津にあるカフェでした。私より3つ上のオーナー(男性)がひとりで切り盛りする小さなカフェ。お客として行ったときに気に入り、レジ横に貼ってあった「スタッフ募集」の文字を見て、働かせて欲しいとお願いしました。そこからが地獄の始まりだったわけですが…。 初めての飲食店勤務、それ以前に初めての接客業でした。学生時代は塾講師のアルバイトをしていたので、子どもたちの相手しかしていません。なので最

          もう少し宿吉住時代の話をしてみよう(下)

          前回に引き続き、宿時代の話をしましょう。私は大学在学中にアルバイトとして宿吉住で働き始めました。といっても最初は帳簿の手伝いをしたのがきっかけ。パートさんたち(おばあちゃんはよくオバタリアンと呼んでいた)のお給料計算、請求書の作成、支払いなど。経理の仕事を手伝っていただけで、食事や掃除などの業務はパートさんたちにお任せしていました。パートさんはたしか6人だったかな。全員70歳以上。想像できるかと思いますが、もう本当に大変でした。年齢が年齢ですから、まあ仕方ないです。 そのうち

          もう少し宿吉住時代の話をしてみよう(下)

          もう少し宿吉住時代の話をしてみよう(上)

          前回書いた宿時代の話に興味を持ってくれる方がちらほらいらしたので、もう少し話をしてみようと思います。 実は宿の前は工務店をやっていました。祖父が始めた会社です。当時は高度経済成長期真っ只中。ダム作ったり、ゴルフ場作ったり、それなりに人を使って大きくやってたみたいです。しかしこの祖父である吉住武三郎、とても人が良すぎる人間だったようで、色んな人の保証人になった結果、億単位の負債を抱え、最終的には工務店を閉めることになりました。そしてこの借金を返済するために、祖母吉住靖子が宿を始

          もう少し宿吉住時代の話をしてみよう(上)

          なぜ千葉から横浜へ?

          2018年の夏に宿を閉めて、2020年の春に横浜で喫茶店をオープンしました。宿吉住はビジネス旅館でした。母の実家である宿吉住があったのは、千葉県市原市姉ヶ崎。このあたりは工場地帯です。この工場に勤めている方たちをお相手にしていました。朝晩の食事の提供、掃除などが主な業務内容。お客様は会社単位で宿泊されていたので、社員寮みたいな感じです。私が小さな頃、いや、産まれた頃から私のことをずっと知っているお客様もいました。私にとって、おばあちゃん家=宿吉住でした。美味しいご飯と、犬が沢

          なぜ千葉から横浜へ?

          洗い場を制するものはお店を制す

          前回は私の簡単な自己紹介でしたが、特技を書くのを忘れました。特技は珈琲を淹れること、そして食器洗いです。たかが食器洗いと思われるかもしれませんが、この食器洗いには結構自信があります。吉住に来たことのあるお客様はわかると思いますが、うちの食器はまあまあいい食器です。扱うのはかなり神経を使います。もちろんすべて手洗いです。気づかないうちに欠けていたり、ヒビが入っていたりしてショックを受けることもしばしば。そんな食器たちを丁寧に正確に洗い上げ、棚に戻す。それだけじゃありません。珈琲

          洗い場を制するものはお店を制す