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洗い場を制するものはお店を制す

前回は私の簡単な自己紹介でしたが、特技を書くのを忘れました。特技は珈琲を淹れること、そして食器洗いです。たかが食器洗いと思われるかもしれませんが、この食器洗いには結構自信があります。吉住に来たことのあるお客様はわかると思いますが、うちの食器はまあまあいい食器です。扱うのはかなり神経を使います。もちろんすべて手洗いです。気づかないうちに欠けていたり、ヒビが入っていたりしてショックを受けることもしばしば。そんな食器たちを丁寧に正確に洗い上げ、棚に戻す。それだけじゃありません。珈琲を淹れ、接客をしながら、次のことを考え動き、お客様とのトークも絶妙に交わし、手を動かし足を動かし口を動かし頭を動かし…という感じで私のカラダは同時進行で色んなことが進んでいるわけです。ちなみにうちの店のシンクはかなり小さいです。あっという間に洗い物が溜まります。それをいかに早く片付けるかが勝負。というわけで、洗い物は自然と特技になってしまいました。

ところで飲食店における「洗い場」の仕事ですが、お客様からは見えないところの仕事でとても地味です。が、「洗い場を制するものはお店を制す」と教えてもらったくらい、重要な仕事です。リバウンドを制するものは試合を制すわけです。(ちなみに小中とバスケットをやっていました)

以前働いていた店で、「洗い物に集中しすぎるな、常に顔を上げ、ホールを見ながら手を動かせ」と教わりました。このころの私はめちゃくちゃにポンコツで、毎日毎日怒られていました。このポンコツ時代の話は今度の機会にしましょう。とにかく洗い場は重要な仕事です。洗い上げ方も重要で、美しく洗い上げておけば、他のスタッフも拭きやすいですよね。もっと言えば、シンクに入れるところから洗い物は始まっています。洗いやすいように入れれば、洗いやすくなる。当たり前のことなんですが。食器洗いってテトリスみたいなもんだなぁと思います。(テトリスって古い?)頭を使うんですよね。とまあ、洗い場について語り始めると止まらないのでこの辺で。もし飲食店で働くことに興味のある人は、まずは洗い場を極めるところから始めるといいと思います。簡単そうでそうではない、おうちの延長線上だと思っていたら大間違い、それが飲食店の洗い場です。

なぜ横浜で店を始めることになったのか、について書くつもりでしたが、洗い場の話で終わってしまいました。すみません、次回に延ばしたいと思います。今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

季節の喫茶 吉住
稲毛ひろ美

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