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『学びとは何か』4/8回

「学ぶ」を「学ぼう」!
そう思い立った私にとってどストライクなタイトルの本書を8回に分けてアウトプットしています。
今回は4回目(第4章)!一緒に学びましょう!

前回までのざっくりおさらい

誤ったスキーマ(思い込み)をつくらないことは不可能である。
大事なのは、誤った知識を修正し、それとともにスキーマを修正していくことである。だから、間違ったって、失敗したって、いい。

今回は、熟達していくことについて掘り下げていきます。


❹学びを極める〜熟達するとはどういうことか

①「熟達」は特別じゃない

「熟達」っていうと、すごい人のように思えちゃいますが、そうではありません。特別なことではなく誰にでもできます誰もが「○○マスター」になれるのです。

②「熟達する」とは

その分野の知識のシステムをつくりあげていくこと

みなさんも、自分の力で知識のシステムをつくって母語を学んできましたね。これも熟達です。全然特別じゃないですよね。

学ぶことは熟達に向かう過程なのです。

熟達する過程で、学び手は学習をより効率化するためのスキーマをつくり、学び方を学びます。

重要なのは、

時には自分でスキーマを土台から壊してつくり直すことも必要

ということです。前回の、割り算を理解するために「数=自然数」という概念をぶち壊したり、「思い込み」をぶち壊すことですね。

③熟達レベルの違い

連続しているものなので明確に線引きはできませんが、こんな感じでしょうか。

<熟達>
 最初はできなかったことが、経験を積むことで、すばやく、よどみなく、正確にできるようになったレベル
<一流熟達>
 自分にしかできない技を身に付けたレベル
<超一流熟達>
 さらに技を極めたレベル

例として、言語であれば以下の感じです。

読み書きや通常の会話ができるようになったレベル → これでも立派な熟達レベル
自分にしか書けないスタイルで小説などが書けるレベル → 一流
誰もが認めるプロレベル → 超一流

④「知っている」と「使える」は違う

「公式を知っている」と「公式を使って問題を解ける」は別のことだ

というのはよく言われますね。

「いやいや、ちゃんと問題解けるよ!」って思うかもしれませんが、それって問題集とか、その類似問題ですよね。これは「公式を知っている」寄りだと私は思います。

「問題を解ける」というのは、未知の問題や、別分野の現象を「これってあの公式使えるんじゃね?」と気づきを経て解ける力だと思います。

⑤「スキルの自動化」

熟達すると、一瞬で何が大事かわかるという「本質をつかむ力」を得ます。
熟達者は、いちいち考えなくても必要な行動が必要なときに自然とできるんです。「慣れ」にも近いかもしれません。

これを認知科学では「スキルの自動化」という。
「オートスキルの発動」とか、ちょっとゲームっぽくて楽しいですね。

熟達とは、どのような分野でも、この直感(本質をつかむ力)を育てていく過程でもあります。

⑥読書は何のために?

読みの本質とは、

書かれている内容を字面で理解するのではなく、自分の知識と織り交ぜながら著者の意図をくみ取り、内容を楽しみ、批判し、自分の知識のシステムの中に組み込むことである

せっかく読むのであれば、ただ「知っている」ではなく、使える「生きた知識」にしたいですね。

本の読み方については『本を読む本』も学びました。別途アウトプットしようと思ってます。


⑦熟達者の記憶力

例えば、「将棋のプロはすごい記憶力」だと思いますよね?
でも、駒をランダムに置いた試合では発生しないような盤面だと素人と大差ない記憶力の結果なんです。

どういうことか?

熟達者のすぐれた記憶の本質は、「その場の情報をそのまま記憶する力」ではなく、持っている知識によって状況が認識できる「認識力」にある。

ということなんです。
将棋で言うと、今のその盤面をそのまま覚えるのではなく、持っている知識から引っ張ってくる力なんですね。

⑧熟達者の能力まとめ

1)ただちに本質を見抜く力
2)臨機応変な応用力
3)普通の人には見えないものを見分ける識別力
4)いま目の前には見えないモノ・コトの究極の姿を思い浮かべる審美眼

これらの優れた判断や行動を可能にする心の中の判断基準を認知科学では
「心的表象」
と呼びます。


▼次回は、

「学びによって脳にどのような変化が起こるのか?」ということについて学びます。

つづく


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