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繋がりを考える|2021年4月に読んだ本

「繋がり」という言葉をよく使うようになりました。
人であったり、経験であったり、幅広い意味で使ってます。バイク事故で病院に行ってから自分の体の不調に気付けたので、心と体の繋がりも意識し始めました。

僕はどちらかと言えば、自分でなんでも決めたいし、1人の時間がたくさん欲しくて、自分でたくましく生きていける人だと思っていたんです。

ツラいとき、挫折したとき、いつだって自分の中で解決してきました。でも、最近はそんなときに周りの友人に話を聞いてもらうようになりました。パンデミックがあって、ひたすら本を読んで内省をしてみると、今までも適度な繋がりに助けられていたし、これからも繋がりを必要としていることがわかったんです。全然、自分ひとりの力で生きていたわけじゃなかった。気付けて嬉しかった。

あなたの周りにある繋がりは、どんな人やモノだと思いますか?
良かったら、少し考えてみません?

2021年4月に読んだ本の中で、おすすめしたい本を選んでご紹介します。
誰かの選書のヒントになれば嬉しいです。

阪急電車|有川浩

ほっこりする連作短編小説でした。何年も積読してたのですが、ほんとに読んで良かった。各章の登場人物たちが別の章でも登場することがあって、絶妙に繋がっていくのが心地良いです。

電車に乗り合わせた人と会話することは日本ではほぼないし、車内では静かでまともな素振りをしないといけない緊張感ある場所だと思うんです。

数年前、満員電車の車内で隣に座っていたおじいさんに急に話しかけられたことがあります。「この電車は◯◯駅まで乗り換えずに行けますか?」「この電車の終点は◯◯駅なので行けますよ」という何でもないやりとり。会話はそこで終わるかと思ったんですが、「普段はこの路線利用されないんですか」とふと聞いてみました。

「乗るのは今日だけなんです。新しい仕事の研修が◯◯駅の方にありまして」「そうだったんですか」「前の会社を定年退職したんですが、何か新しいことをやってみたいと思って」「新しいこと始めるのって怖くないですか」「あんまり怖いとか気にしなかったなぁ」「すごい。僕は怖いんですよね、だって...」

この後もどこに住んでるとか、前の仕事のこととか、僕の過去の話とか、降りるまでたくさん話しました。ただその場に居合わせた人との何気ない会話。きっとその場限りなんだけど、凄く居心地は良かった。そのことを読んでいて思い出しました。

阪急電車の登場人物たちも、たまたま居合わせた人たちの繋がりで何かが劇的に変わったとかはないと思うんです。でも、何かしらの些細な変化はあった。

弱い一瞬の繋がりは人は生きやすくします。自分がここにいても良いという安心感が生まれるからです。知らない人とその場の会話がなんとなくできるようになれば、もっと穏やかで生きやすい世界になるんじゃないかと思います。

ここじゃない世界に行きたかった|塩谷舞

気になる方の文章だったので読みました。モヤモヤとした感情や感覚を書き留めて、自分と向き合っていくような文章でした。白か黒かだけでは言い表せない曖昧なこと、僕も大事にしたいです。

言語化することで、その曖昧なことの感性を失ってしまうかもしれない。でも、何かに触れて自分の中に意見が生まれて留めておくこと、失う感性があっても表現してみることはどちらも尊いのかなと。

改めて、周りとの繋がりを考えました。想像力はアップデートを続けたい。痛みも美しさの基準もみんな違う。

余談ですが、本や執筆された記事などに(恐らく)作者が撮った写真が出てくるのだけど、それが凄く好きなんです。自分と向き合って生きている人の写真は見ていて心の琴線に触れるんですよね。息苦しい世界だけど、好きな文章や写真と出会うと、みんなそれぞれなんとか生きてるんだなって思ってなんか嬉しくなるんです。

ふたりソロキャンプ|出端祐大

ゆるキャンにハマり、本格的にキャンプを始める前に、面白くてタメになると聞いていたこの漫画を全巻揃えました。実用書感覚です。

ベテランソロキャンパーが初心者ソロキャンパーに教えていく話なので、リアルな情報が詰まってます。そして、料理が美味しそう。真似したい。

僕は人に助けを求めるのが苦手です。自ら試行錯誤できる一方で、煮詰まったときの解決策を生み出せずに諦めてしまうことが多いんですね。

でも、初心者ソロキャンパーの雫は、困ったら素直に人に助けを求められる人です。自分で考えて工夫もする。どちらが良いか悪いではなく、素直に人に助けを求められることは、誰かとの繋がりを生むことだと思ったんです。それは凄く素敵だなと。

最近、アウトドア系の漫画が増えてきたような気がします。アウトドアって興味があっても、慣れている知り合いがいないと始めにくいものですよね。だから、漫画から知識を得る選択肢も良いなと思います。話面白くて情報も詰まってる漫画が生まれた日本のカルチャー、最高です。

テレワークの腰痛・肩こりは自分で治せる!|酒井慎太郎

PCの前で過ごす時間が増えてから、体のあちこちに不調が出始めました。ずっと健康だったので、腰痛にも気付かないふりをしていたんですね。

でも、数ヶ月前にバイクで事故の被害にあって、病院に通うことになり、改めて体と向き合うことになりました。体が不調だと、心も不調になるものですね。改めて体と心は繋がってるんだなと自覚しました。

散歩と筋トレ、リハビリが日課になったので、腰痛に効くストレッチを知るために読んでみました。何時間もPCの画面を見続ける日が多かったので、合間の休憩がてらにストレッチを挟めるようになったのは良かったです。

色々と体のためにできることをしてきたので、本の効果とは何とも言えないのですが、以前よりも腰痛は治ってきました。体のことに関しては病院や本によっても意見は分かれるので、色々試してしっくりくるものを続ければいいのかなと思いました。引き続き、続けていきます。

・・・

名前は聞いたことあるけど、なんとなく自分に合わなそうだから試さないことって、誰しもあると思います。でも、自分で自分に合うものだけを選んでいると、似たようなモノや安心できることをつい選んでしまう。それも良いんだけど、違う感性を持つ人から勧められたことを試してみると、自分の知らない世界が自分と繋がって面白いんです。先入観って厄介なんですが、それを取り払って試してみると、良かったときの喜びが何倍にもなりますね。そんな体験が先日ありました。ちなみにハイキュー!!のことなんですけどね。旭さん推しです。弱気なエースって良いよね...





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